写真:けいたろう
地図を見る哲学の道は、約1.5kmの遊歩道の脇を、琵琶湖疏水の分線である川が流れる遊歩道で日本の道百選にも選ばれています。川沿いには、サクラ、アジサイ、モミジなどが植えられ、四季ごとに違った美しさを見せます。
上の写真は、哲学の道の南側の入り口付近のモミジです。特定の時間帯になると、哲学の道のモミジは太陽の光を受け、川面にもその姿が映し出され、美しさがよりいっそう増すこととなります。
写真:けいたろう
地図を見る哲学の道の南側の入り口で忘れてならないのは熊野若王子神社です。哲学の道の南端周辺の住所は、京都市左京区若王子で、地名の由来ともなっている神社です。『にゃくおうじ』というちょっと変わった名前は、熊野詣を行う参拝者を守護するために、熊野権現の分身である王子と呼ばれる御子神を、熊野古道の道々に祀った王子社を勧請したことに由来します。
こじんまりとした神社ではありますが、神社の前を小川が流れ、太鼓橋が架かる姿は画になります。
写真:けいたろう
地図を見る熊野若王子神社を出て、再び哲学の道へ戻ったら、しばらく川沿いのモミジを見ながら、北側へ歩きましょう。哲学の道の紅葉をたっぷり堪能した頃、川沿いにひっそりと一つの歌碑が現れます。それが西田幾多郎の歌碑です。
西田幾多郎は、明治生まれの哲学者で、思案を巡らす際に、好んで今回紹介するエリアを散策したというエピソードがあり、哲学の道の名前の由来となった人物です。歌碑には西田が残した『人は人 吾はわれ也 とにかくに吾行く道を 吾行なり』という歌が刻まれています。
哲学の道の道を訪れたなら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
写真:けいたろう
地図を見る西田幾多郎の歌碑を見付けたら、いったん川を離れ、東に進路を変え、少し山の方へ足を向けてみましょう。山あいに法然院と安楽寺という2つの浄土宗のお寺があります。北側の法然院は、浄土宗開祖である法然が、弟子の住蓮・安楽とともに、六時礼讃という毎日の法要を行った場所に建てられたお寺です。境内には谷崎潤一郎など著名人の墓もあり、山門は茅葺の数奇屋造りの、ひなびた趣きとなっています。
南側の安楽寺は、浄土宗が受けた宗教弾圧事件の『承元の法難』の舞台となったお寺です。後鳥羽上皇の女官であった松虫と鈴虫が、住蓮と安楽の説法に感銘を受け、上皇に内密のまま出家したことを咎められ、住蓮と安楽の二僧は断罪。法然とその弟子で、後に浄土真宗を開いた親鸞は流罪となりました。
悲しい背景もあるお寺は、普段はひっそりとした佇まいですが、紅葉の時期は装いが変化し、赤く色づきます。
写真:けいたろう
地図を見る最後に、今回紹介した哲学の道周辺の紅葉の見ごろとなる時間帯を紹介します。最初の段落でも触れた特定の時間帯とは、ズバリ夕方の黄昏時。
京都の多くの寺社仏閣は、東から昇ってくる朝日に正面から受けるように、南側もしくは東側を向き、一日の中でも午前中が、建物や植物に美しく光の当たる時間帯となっています。
しかし、東山の場合は、東を向けば山に向くため、建物が西側を向いています。山の斜面も西側を向き、日暮れの沈みゆく太陽に、最も美しく映えます。夕日の光を受け、モミジが真っ赤に燃えるように染め上げられる様子は圧巻!また夕暮れ時には、哲学の道を流れる疏水に、モミジが赤く映し出される瞬間があり、美しいの一言です。
今回紹介した、紅葉スポットは、主に哲学の道の南側に多く、哲学の道の南に位置する、南禅寺や永観堂に近いため、セットでも巡れるメリットがあります。
しかも、見ごろとなる時間は夕方。午前中は、別の場所で京都を堪能し、昼から東山へ移動し、午後いっぱいで紅葉を楽しんだあとは、夜は祇園や先斗町などへ向かうという1日のプランニングにも最適です。京都紅葉旅行をお考えの方は、ぜひ頭に入れておいてください!
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(2024/4/19更新)
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