華やかな室内装飾を堪能する「アール・デコの花弁展」東京都庭園美術館で開催

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華やかな室内装飾を堪能する「アール・デコの花弁展」東京都庭園美術館で開催

華やかな室内装飾を堪能する「アール・デコの花弁展」東京都庭園美術館で開催

更新日:2016/10/28 09:16

橋本 菜摘のプロフィール写真 橋本 菜摘 アートブロガー

「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間」展が2016年12月25日まで開かれています。目黒の東京都庭園美術館の本館は元は朝香宮のお住まいで、1983年から美術館として公開されています。この美術館では1年に1度建物自体を紹介する展覧会が開かれ、今回は室内に使われたこだわりの素材の、ガラス、石材、タイル、金物に注目。この会期に限り平日(月〜金曜)は写真撮影ができるのも楽しみです。

森を抜けて有翼の女性像に出会う

森を抜けて有翼の女性像に出会う

写真:橋本 菜摘

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門から森の中を歩くと現れるクリーム色の建物が東京都庭園美術館本館(旧朝香宮邸)です。ポーチに入ると高さ2.5メートルのレリーフが迎えてくれます。レリーフには翼を付けた4人の女性像が花綱をもってつながり、今にも飛び出しそうです。ガラス工芸で有名なルネ・ラリックが朝香宮邸のためにデザインしたもので、型にガラスを流し込む方法で作られています。当初はここが入口で、中央のガラス戸には取っ手がついています。床にあるさまざま色の天然石でつくられたモザイク模様もご覧ください。

東京都庭園美術館は1920〜30年代に流行った「アール・デコ」様式の建物です。朝香宮ご夫妻がアール・デコ様式に感銘を受け、1925年の通称アール・デコ博覧会で数々のパビリオンの室内装飾を手掛けたアンリ・ラパンに自邸内装デザインを依頼しました。ラパンは当時第一線で活躍していたフランスの作家たちの作品を取り入れました。基本設計は宮内省内匠寮の技師・権藤要吉が行いました。

大客室でのおもてなし

大客室でのおもてなし

写真:橋本 菜摘

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アール・デコの粋が集まったのはこの「大客室」です。直線的で左右対称なデザイン、放射状、ジグザグ、円形などのモチーフが特徴で、機能的で美しく近代的な都市にふさわしいものでした。

天井には漆喰や石膏でつくった円やジグザグ模様があり、華やかなラリック作のシャンデリアが下がっています。部屋を囲む壁の上部には室内装飾家でデザイナーのアンリ・ラパンが油彩で森を描いた絵がはめこまれています。床から天井近くまで伸びた柱は上部の左右に渦巻がついたイオニア式。

左扉上部の半円形には鉄工芸家レイモン・シュブが鉄で作った曲線模様、扉と正面の引き戸には画家でガラス工芸家のマックス・アングランがつくった花のモチーフを施したエッチング・ガラスが嵌め込まれています。長いソファの左右にあるラジエーターカバー(暖房器用カバー)にも花のモチーフがあります。

長いソファの向こうの引き戸が開いて、「次室(つぎのま)」にある白磁の香水塔がのぞいています。塔の側面に水が流れる噴水で、頭頂部に香水を垂らして来客をもてなしました。こちらもラパンのデザインです。朱色の壁はプラチナ箔を練り込んだ人造大理石、床のモザイクも見のがせません。

モノトーンのベランダ

モノトーンのベランダ

写真:橋本 菜摘

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2階のベランダは白と黒とシンプルで、庭園がよく見渡せる、殿下・妃殿下専用の場所でした。腰壁は薄いグレーの大理石、床には白と黒の大理石で市松模様をつくっています。装飾的な他の部屋とは違い、モダンな雰囲気です。

この白と黒がミュージアムショップの名前になっています。正門前の「ブラン」、新館にある「ノワール」、フランス語でそれぞれ白と黒の意味です。

また、ベランダの奥にある妃殿下の居間には半円形のバルコニーがあり、2015年に修復を終えた色タイルが整然と並んでいます。小さな赤と青のタイルがつくるラインが目を引きます。

光がつくるハートマーク

光がつくるハートマーク

写真:橋本 菜摘

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本館から新館に向かうガラス張りの通路で少し足を止めてみましょう。ガラスが少し歪んで見えませんか。このガラスを通った光が床に形をつくることがあります。写真のようにハートマークができるのは、秋から冬の日差しがある間だけです。

新館1階の喫茶「カフェ・ド・パレ」(邸宅のカフェの意味)では、。アール・デコの模様がついたオリジナルの食器でオリジナルスイーツがいただけ、テラス席でもお茶が楽しめます。

素材のたちのキューブ

素材のたちのキューブ

写真:橋本 菜摘

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入口の右手、ロッカールームの奥に「ウエルカムルーム」があります。この部屋は、さわったり、おしゃべりしたり、撮影したりできる、楽しいところです。

テーブルに置かれているのは、建物の素材を表現したキューブです。本物には触れませんが、ここで感触や重さを確かめてみてください。左から、漆喰の壁、金属、大理石、コンクリートに漆塗り、ガラス、木材(マホガニー)、中央がコンクリートです。

庭園美術館の歴史を知ろう

東京都庭園美術館の本館は朝香宮家の本邸として1933(昭和8)年に竣工し、戦後は外相公邸や迎賓館に使用され、1983(昭和58)年に美術館として公開されました。2014年のリニューアルで新館が完成し、2015年には本館・茶室・正門等が国の重要文化財として指定されました。

館内の詳細な説明はホームページをご覧ください。無料のアプリ、さまざまなプログラムも用意されています。

「アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内装飾」2016年9月22日〜12月25日

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/04−2016/10/17 訪問

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