いくつかの小さなスペースに分かれた店内は、とても落ち着いた雰囲気で、一人でも気軽に入れます。眼下に琉球瓦、その向こうに青空が広がる窓辺の席がおススメです。写真は、基本の沖縄料理がひと通り小鉢で並ぶ“ぬちがふぅ御膳”(1800円)。お料理を盛りつけた沖縄の陶器“やちむん”も楽しめます。
赤米のご飯、じーまみー豆腐、沖縄野菜の天ぷら、柔らかく煮たらふてー、ゴーヤチャンプルー、昆布の煮物、お味噌汁、お漬物。野菜は、オーガニック野菜が使われています。デザートはココナッツアイスクリームです。沖縄らしい風景を眺めながら味わうお料理は格別で、お料理を盛りつけた沖縄の陶器“やちむん”も楽しめます。
丁寧な調理、上品な味付けが魅力な「命果報」。器を愛で、料理を味わう。陶器の町、壺屋観光にふさわしいお食事処です。
しっとり落ち着いた「命果報」では、大きな窓からの眺めもご馳走です。南の窓越しに広がる大きな屋根。使われているのは伝統的な琉球新しさを感じさせる琉球瓦です。実はこの屋根のお宅、1974年まで壺屋で陶工を営んでいた「新垣家」のもの。7年前から修復作業が始まり、平成29年から一般公開される予定です。そして、陶工のお宅を象徴する大きな登り窯が、「命果報」の東の窓から眺められます。
つまり、「命果報」は重要文化財に指定されている沖縄民家の、まるで一角に位置しているようなロケーションなのです。沖縄ならではの風景に包まれながらおいしい沖縄料理を味わえるのが、なんともいえない魅力なのです。
沖縄陶器の歴史は王様に献上するために首里で始まり、多くの陶工が生まれました。その後、作陶の場は首里から那覇の壺屋へ移り、壺屋は陶工が集まる町となり日々登り窯から煙が立ち上るようになりました。しかし、戦後たくさんの民家が立ち並ぶようになり、窯から出る煙が問題に。解決策として陶器造りは住宅地を離れ、北部の読谷村に移ることになりました。壺屋から移住した陶工たちによって作られたのが読谷村“やちむんの里”。しかし近年になり“壺屋に再び窯の火を”という動きが起こり、「命果報」の窓から見える登り窯が修復されることになりました。
「2017年に火が灯る予定です」。琉球絣を着た可愛らしい女将から沖縄の歴史を聞きながら食事を味わうのも旅の楽しさ。この沖縄らしいおもてなしが「命果報」の居心地の良さでもあります。ランチだけでなく、ライトアップした街並みを眼下に見下ろす夜にも、美しい沖縄陶器とおいしいお料理の数々を泡盛片手に味わってみたくなります。
旅先で偶然出会う、その土地ならではの風習、文化、暮らし。なんとなく入り込んだ那覇の路地裏で思いもよらない宝物を発見する時、その旅の喜び、感動に包まれます。壺屋の一角にある琉球民家と登り窯。その横に佇む沖縄料理の店「命果報」。この素敵な組み合わせにはきっと満足いただけるはず。キラキラした国際通りにはない那覇の魅力をぜひ、路地裏の「命果報」で味わってください。
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(2025/2/15更新)
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