地盤沈下で傾いても倒れるまで続けたる!和歌山中華そば丸豊

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地盤沈下で傾いても倒れるまで続けたる!和歌山中華そば丸豊

地盤沈下で傾いても倒れるまで続けたる!和歌山中華そば丸豊

更新日:2016/11/14 01:06

旅人間のプロフィール写真 旅人間 はらぺこライター、旅ブロガー

和歌山と言えば「和歌山ラーメン」で知られていますが、もし店探しに迷うなら「中華そば丸豊」がおすすめです。しょうゆ豚骨ベースで長時間煮込んだスープはコクがあって抜群にうまい。更にこの店は日本で一番傾く店としても有名で、傾斜で勝手に閉まる扉、傾いたカウンターなどの見所も。でも、やはり店主さんの人柄と中華そばの味が最も魅力的。和歌山を観光するなら、見逃したら損する名店がココにあります。

地盤沈下で明らかに傾いているお店

地盤沈下で明らかに傾いているお店

写真:旅人間

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和歌山市内から紀の川の堤防に向かって走っていくと、中華そばの提灯が赤々と目立ち、道路の脇に掘っ立て小屋のような小さな店があります。何を隠そう!この店こそ和歌山で最も有名な中華そば専門店の丸豊です。

店の前に立つと「なんか倒れちゃいそうだね」と冗談で言ってしまいそうですが、実際に地盤沈下で明らかに傾くお店。通称おやっさんと呼ばれる店主の豊田さんに話を聞くと、建て替えを考えた事もあったそうですが、常連さんから「この雰囲気がええねん、建て替えたら店に来てやらんぞ」と言われたそうな。とりあえず地盤に鉄筋を10本ほど打ち込み、地盤沈下の進行は食い止めているとのこと。では、この店の魅力を順に紹介しましょう。

明けた扉は勝手に閉まる!二人目は顔を挟まないように…

お店の暖簾をくくって扉を開けると気前の良さそうな店主さんが「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれます。扉は閉めなくても自動的にピシャンと閉まります。「え?自動ドア?」と思う人は…、きっと、いないかな。何故なら、誰が見ても明らかに入り口に傾きを感じるからです。店主のおやっさんは「傾いとるからな」と誇らしげに話し「二人目の人の顔を挟まんように気を付けなアカンで」と注意の仕方が面白い。

更にお店の中に足を一歩踏み入れると「あっ…」と並行感覚を失って転びそうで、いきなり船酔いをした気分に。初めて来る人は驚くかもしれませんが、着席してから冷静に店内を見回すと、この独特な雰囲気は楽しさと魅力に満ち溢れ、とっても居心地が良いんですよ。

明けた扉は勝手に閉まる!二人目は顔を挟まないように…

写真:旅人間

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傾いたカウンターを水平にする「たいらいた」の存在がすごい!

店内に入って着席して最初に目に入るのはテーブルに置かれた不思議な台。「これは一体何ぞや…」と考える間もなく答えが頭に浮かぶはず。そう、この台こそがカウンターを水平に保つ特殊アイテム。斜めに傾いたカウンターは、そのままラーメンを置くとシューっと横に滑ってテーブルから落ちてしまうと言うのだ!

数年前までは、ラーメンの落下防止策として器の下に割り箸を下に引くお客さんの姿があり、それをヒントに平らな棒をこしらえた「こぼれん棒」と名付けたアイテムを活用していましたが、現在は建築業を営む常連さんが長方形の板で台を作って持ってきてくれた「たいらいた」と命名されたものを活用しています。これで滑り落ちる心配はもうありませんね。

傾いたカウンターを水平にする「たいらいた」の存在がすごい!

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この地で30年以上愛される丸豊、ここが一番うまい!

この中華そば丸豊では、どうしても傾いたインパクトばかりに目が行ってしまいますが、地元民から「和歌山でここが一番うまいんや」と言う人も多い実力派の名店。
スープはしょうゆ豚骨ベースで口当たりが優しくアッサリ味、長時間煮込まれたスープはコクがあって生姜の風味も感じます。そして玉子、チャーシュー、メンマ、カマボコ、海苔がバランスよく乗っていますが、箸で軽くかき混ぜ、それぞれの具材にスープを浸透させて食べると、最高にうまい!

和歌山では市内を中心に「和歌山ラーメン」が観光客から人気がありますが、和歌山ラーメンとは、この土地に古くから親しまれてきた中華そばの事。この地で30年以上も変わらず営業を続けている丸豊だからこそ、和歌山の本来の味を堪能出来るはず。

この地で30年以上愛される丸豊、ここが一番うまい!

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ワシか店が倒れるまで絶対に続けたる!

この丸豊では、美味しい中華そばに食べに行くだけでなく、店主さんと奥さんに会いに来る方も多い。とにかく人情味あって会話が楽しく、一度来たらまた来たくなります。だから「何年ぶりかやねん、まだ倒れてなくて良かった〜」と言いながら入ってくる人の姿も。とにかくここは人が集まる素敵なお店なのです。

そして、ここでは「いつから傾いているの?」「まだ大丈夫?」と言うような内容の会話も多い。すると大将は「ワシか店が倒れるまで絶対に続けたる」と頑固一徹。しかし「台風来たらドキドキやねん」と言う本音もチラリ。「もしも店が倒れたら、次は最初から傾いた頑丈な店をつくったるわ」と豪語されていますが、いつまでも、長くこの店で頑張って欲しいと願うファンの数は途方もなく多い。

ワシか店が倒れるまで絶対に続けたる!

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最後に…

店主の豊田さんにお話を聞くと、この建物は田んぼの見張り小屋で、現在で築70年ほど。三重県伊勢市出身の店主さんが脱サラし、自ら改装し中華そば屋を創業したのが約34年前。店は最初から繁盛し、順調に5年ほど経った頃にお客さんに指摘され地盤沈下で傾いているのが分かったそうです。

それから色々な苦労もあったそうですが、今では海外からのお客さんも多く、テレビでも頻繁に紹介されるようになり、「日本で一番傾いてる店や」と誇らしげに語るおやっさんの姿は格好良い。そして何より多くの常連さんに支えられているこの店は、外観は傾いていても根は深い。末永く元気で頑張って欲しいものです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/27 訪問

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