写真:安藤 美紀
地図を見る2つのおでん街(青葉おでん街と青葉横丁)はJR静岡駅の西側に位置し、昭和通りを挟んだ両サイドに建っています。ここは、さまざまなメディアが紹介している人気のグルメスポット。観光客だけでなく、地元の人も「仕事帰りに一杯飲もう!」という感覚で通っています。
2016年11月1日現在の店舗数は、青葉おでん街が21店舗、青葉横丁が19店舗。静岡市内におでん屋さんは数あれど、ここまで密集しているところはありません。静岡のおでん文化を知りたいときは、まずここへ。2つのおでん街をハシゴして、レトロな雰囲気を楽しみましょう。
もともとおでん街は、戦後、市役所前の大通り(青葉通り)に並んでいた約200台ものおでん屋台からスタートしました。その後1957年の都市開発でおでん屋台は移転することなり、大部分のお店が青葉おでん街と青葉横丁に分かれて営業を開始。2つのおでん街は、屋台の雰囲気そのままにそれぞれ発展してきました。
おでんというと、寒いときにホクホクしながら食べるもの…というイメージを持つ人が多いのでは。「静岡おでん」は、季節に関係なく食べられているB級グルメ。おでん街のガラス戸の向こうからは、おでん鍋を囲んで楽しく談笑する声が1年中聞こえてきます。
写真:安藤 美紀
地図を見るおでん街の大半は17時前後に開店し、賑わいはじめます。なかでも人気店は「開店した!」と思ったらすぐ満席に…。「絶対このお店が良い!」という方は、開店時間ジャストより15分前くらいに行く方がスムーズに入れます。(お店によっては、少し早めにオープンすることがあります。)
おでん街は、どのお店もアットホームな雰囲気が魅力。新しいお客さんが満席で座れず困っていると、「俺はもういいから…」といって、お客さん同士で譲り合う光景を見かけます。せっかくなら、お気に入りのお店に入りたいもの。満席でも、諦めずにお店の暖簾をくぐってみましょう。
写真:安藤 美紀
地図を見るおでん街にはたくさんお店がありすぎて、ついついどこへ入ろうか迷ってしまいます。そんなときには、青葉横丁の人気店「三河屋」さんがオススメ。ここは、かつて佐藤浩市さんが静岡おでんを頬張りながらキリンビールを飲むCMにも使われたお店。著名人のファンも多く、あの「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこ先生も常連さんでした。
「三河屋」さんは屋台時代から続く老舗のおでん屋で、優しい大将と女将さんが営んでいます。この2人の温かい人柄も人気の理由。一見さんでも入りやすく、「静岡おでん」に関することを丁寧に教えてくれます。
そして、ドラマのワンシーンに出てきそうな、ある意味完成された非日常の空間が素敵すぎ…。なかなか入れない人気店ですが、1つだけお店を選ぶとしたら絶対ココです。
このお店の大きな特徴は「煮る・揚げる・焼く」の工程が、すべて目の前で行われること。グツグツおでんを煮ている横では、おいしそうな素材がジュージュー揚げられ、さらにその横の七輪からはいい匂いが…。ライブ感があって、どれも出来立て&アツアツの美味しさ!
ちなみに、お隣りさんとの距離が近くて驚くかもしれませんが、居心地の良さは抜群。知らない人同士がすぐ仲良くなれる一体感が「三河屋」さんの良いところです。隣りの人と肩を寄せ合いながら、ワイワイ食べて呑みましょう。
写真:安藤 美紀
地図を見る「三河屋」さんをオススメする理由がもう一つ。おでん街の中にはメニュー表が貼られていないお店もあり、お会計でドキドキする…ということがあります。一方、ここはメニュー表がきちんと貼られていて安心。明瞭会計で好きなだけ食べたり呑んだりできます。
メニューの内容は、定番と季節によって変わるものがあります。メニュー表を見ると、大体1品200円〜300円前後。新しいメニューかどうかは、メニューの紙の黄ばみ具合で大体予測がつきます。(新しいものは紙が真っ白です)
「三河屋」さんは席に着くと、大将から「静岡3点盛りにしようか?」と言われます。初めての方は、まずこの「静岡3点盛り」から食べてみましょう。
ちなみに「静岡3点盛り」とは、牛すじ・黒はんぺん・こんにゃくのこと。牛すじは出汁にも使われますが、おでん種としても人気。黒はんぺんは、鯖やアジやイワシなど青魚をすり身として加工した練り物で、静岡ならでは。こんにゃくは味が染み込んでいて、出汁の美味しさをダイレクトに味わえます。
「三河屋」さんでお酒を頼むとしたら、静岡割りがオススメです。静岡割りとは、静岡茶を焼酎で割ったお酒。お茶の清涼感が強くて焼酎臭さがまったくありません。
「飲み過ぎにはお茶が役立つ」と言われるように、お茶には二日酔いを防止してくれる効果があります。つまり、静岡割りは、静岡が産んだ最高傑作!おでんのお供はぜひ静岡割りで、酔い時間を過ごしましょう。
写真:安藤 美紀
地図を見る「三河屋」さんのおでんはもちろん美味しいけれど、隠れた人気メニューが黒はんぺんのフライです。
はんぺんと言うと、白くてふわふわのものを思い浮かべますよね。
しかし、静岡ではんぺんといえば、黒はんぺん。静岡には由比や焼津などの日本有数の漁港があり、イワシなど青魚を加工した黒はんぺんも「静岡おでん」のおでん種として使われるようになりました。この黒はんぺん、実はフライにしてもかなり美味!カリカリなのに全然油っこくない。何本でも食べられそうな、魔法のフライです。これだけは絶対食べないと損ですよ。
青葉おでん街と青葉横丁は、静岡駅から歩いて10分で気軽に行けるグルメスポット。いかにも「ザ・観光地」という感じではないので、地元の人とごくごく自然に仲良くなれます。あなたも美味しい思い出を作りに、静岡のおでん街を訪れてみてはいかがでしょうか。
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/2更新)
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