春と秋限定の特別拝観 京都・銀閣寺「東求堂」の凄さに迫る!

春と秋限定の特別拝観 京都・銀閣寺「東求堂」の凄さに迫る!

更新日:2018/11/06 21:44

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
言わずと知れた京都観光の人気スポット「銀閣寺」。修学旅行や家族旅行などで1度は訪れたことがある、という人も多いはず…。そんな京都観光の“ド定番”である銀閣寺ですが、なかには季節限定でしか公開されない施設もあるんです!

それが「東求堂(とうぐどう)」をはじめとする特別拝観でしか見られない3つのお堂。春季と秋季の季節限定の公開になっているので、ぜひこの機会を逃さずに行ってみてください!

銀閣寺の歴史をおさらい

銀閣寺の歴史をおさらい

写真:島塚 渓

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銀閣寺は正式名称を慈照寺(じしょうじ)と言い、歴史の教科書にも載っていたとおり、室町幕府8代将軍の足利義政によって創建されました。1482年に造営がはじまり、義政が亡くなる1490年まで、実に8年間にわたる大工事が行われたのです。義政は観音殿(一般的に銀閣と呼んでいる建物です)が完成する直前に、56歳でその生涯に幕を閉じますが、彼が生涯をかけて取り組んだ建造物は500年以上の時を超えた現在でもその美しい姿を見ることができます。

そんな慈照寺に存在する建物のうち、当時のままの姿をそのまま残しているのが、このお寺のシンボルとしても有名な木造2階建ての観音殿(銀閣)と今回紹介する東求堂です。東求堂の建物内部は通常非公開となっていて、外から眺めることしかできません。

東求堂って何がすごいの?

東求堂って何がすごいの?

写真:島塚 渓

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東求堂のすごさは、その後の日本文化に多大な影響を及ぼしたということ。堂内は4つの部屋に区切られていて、そのなかでも同仁斎(どうじんさい)と呼ばれる四畳半の部屋は書院造の原形とされ、現在の和風建築へとつながる重要な遺構となっています。

内部は装飾品を置く「違棚(ちがいだな)」と読み書きを行うための「付書院(つけしょいん)」が設置され、ここから華道や茶道と言った日本を代表するような文化が生まれていきました。後の書院造の典型とされる「床の間」はまだありませんが、障子を開けると外の景色が切り取られ、まるで掛け軸のように見えるという仕掛けになっています。四季折々の風景をそのまま掛け軸にするという、なんとも贅沢なアイデアが取られています!

特別拝観の際には、この同仁斉に硯箱や茶碗が並べられ、足利義政の風流な生活が再現されています。将軍の暮らしぶりをこれだけ身近に感じられる展示も少ないので、日本の歴史を体感するためにも、1度は訪れておくことをおススメします!

特別拝観の詳しい情報

特別拝観の詳しい情報

写真:島塚 渓

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東求堂が公開されるのは年に2回、春と秋の特別拝観のときだけになります。例年それぞれ2か月ほどの公開なので、しっかり予定を確認してから拝観に向かわれることをおススメします。(ちなみに2016年の公開は春:3月12日〜5月5日 秋:10月1日〜11月30日になっています。)

建物内部を見られる時間はだいたい30分ほどで、係員の指示に従って本堂と東求堂、弄清亭(ろうせいてい)を見学します。集団での行動になるので、個人で好きなだけ見るということはできません。そして、通常の拝観料に加えて1000円の特別参拝料がかかることも注意が必要ですよ。

銀閣寺の本堂も見学できる

銀閣寺の本堂も見学できる

写真:島塚 渓

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東求堂と廊下で繋がっているのが、銀閣寺の本堂。江戸時代初期の寛永年間(1624〜44)の建築といわれています。特別参拝では本堂の見学もできるので、しっかり目に焼き付けておきたいところ。ここの必見ポイントは“与謝蕪村(よさぶそん)と”“池大雅(いけのたいが)”という江戸時代を代表する画家の絵を鑑賞できる点です。普段は大切に保管されている襖絵が、特別外観のときだけお目見えします。雄大な筆致は必見なので、これだけでも見る価値ありですよ。

定番の風景も一味違って見られる!?

定番の風景も一味違って見られる!?

写真:島塚 渓

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銀閣寺の定番風景である「観音殿(銀閣)」や「銀沙灘(ぎんしゃだん)」、「向月台(こうげつだい)」も本堂から見ると、一味違って見ることができます。普段の参拝ルートよりも後ろから眺めることができるので、銀閣寺を象徴するこれらのモニュメントが一度に視界に入りやすくなるんです。わびの境地を体現したと言われる観音殿や白い砂で造形された「銀沙灘」と「向月台」は、まさに“The銀閣寺”と言える風景。さらに早朝に参拝すると白い砂が朝日を反射して、抜群の美しさを醸し出してくれます!

「弄清亭」も特別に拝観できる

特別拝観で見ることのできる施設は、今回紹介した「東求堂」と「本堂」のほかに「弄清亭(ろうせいてい)」と呼ばれる香座敷があります。ここは平成8年に改築され”奥田元宗”のきらびやかな襖絵を見ることができます。「本堂」の詫びた南宋画とは違った趣があるので、こちらも見逃せませんよ。

そして「弄清亭」を含めたすべての施設で内部の写真撮影は禁止となっています。拝観に訪れた際には、しっかりと目に焼き付けておくようにしましょう!

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/30 訪問

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