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地図を見る元々は山岳宗教の修験場でもあったという「成相寺」は慶雲元年(704年)に文武天皇の勅願寺と創建されたと伝わる歴史ある寺。本尊は身代わり観音や美人観音として知られる「聖観世音菩薩」です。
「成相寺」の由来は開祖である真応上人が修業中、大雪のため食糧が絶えて餓死寸前となった時「今日一日生きる食物をお恵み下さい」と本尊に祈ったところ、一頭の傷ついた鹿が現れたのだそう。
真応上人は命には代えられず、その鹿の肉を煮て食べ飢えをしのいだのですが、鹿の肉だと思ったものはなんと本尊の聖観世音菩薩像の腿だったのだそう。こうして本尊が身代わりとなって命を救ったということから、この寺が「願う事成り合う寺」成合(相)寺と名付けられたといわれています。
そんな成相寺には7つの見どころがあるとされています。まず1つめは本堂。西国三十三ヶ所の第二十八番札所である、風格のある本堂は1774年の再建とされる歴史ある本堂なのです。
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地図を見るまた本堂内陣にも見どころの一つ、左甚五郎の作といわれる「真向(まむき)の龍」の彫刻があります。左甚五郎の作としては珍しく、その名の通り真正面を向いており、しかもどの角度から見てもこちらを見据えているように見えるという、珍しい木彫りの龍です。また、同じく本堂内陣にある愛染明王は愛のキューピッドとしても知られる仏様で、カップル要チェックな見どころの一つです。
さらに、本堂前にある「撞かずの鐘」と呼ばれる悲話の伝わる鐘もみどころの一つ。実はこの鐘、鋳造する際に溶けた銅の中に赤ん坊が落ちてしまい、出来上がった鐘は悲しい音の鳴り響く鐘になったというもの。その鐘の音はまるで赤ん坊の泣き声にも聞こえたので、この鐘をつくことをやめたという伝説が残っています。
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地図を見る成相寺の見どころの一つである平成五重塔。これは、雪舟が描いた「国宝天橋立図」に描かれている五重塔を平成に入ってから復元したもの。鉄筋コンクリート製の五重塔も珍しくない現代において、竹中工務店が手掛けたのは、木造の鎌倉時代の建築様式を再現した本格的な五重塔です。
新しさが際立つため、古くから伝わる五重塔とは風格においては物足りなさがあるかもしれませんが、きらびやかな極彩色の五重塔はなかなか珍しい存在なのかもしれません。
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地図を見る「成相寺」の名の由来にもある通り、現代も「成相寺」は願い事が成り合う寺でもあります。一願を一言でお願いすればどんな願いも必ず叶えてくれるという「一願一言地蔵」もまた見どころの一つ。
室町時代初期の作とされる地蔵は、本当にご利益がありそうに思えるかなり歴史を感じさせる外見。そんな「一願一言地蔵」は、安楽ポックリの往生も叶うと伝えられている霊験あらたかなお地蔵さんでもあるのです。
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地図を見る「弁天山展望台」は日本三景「天橋立」が一望できる見どころの一つ。「天橋立」の展望所、笠松公園よりもさらに高台に位置する成相寺のある弁天山。ここ成相寺こそが、「天橋立」を一番高い位置から見られる展望所。
そこから見る「天橋立」の雄大さはまた格別なものです。せっかく成相寺まで来たのなら、ちょっとだけ山を登って絶景を楽しんでみましょう。
日本三景「天橋立」を眼下に見下ろす「成相寺」は、なかなか観光客が足を運ばないような山の上にありますが、多くの見どころもあるお寺。せっかく「天橋立」まで足を運んだならば、もう一足伸ばして願いの叶う寺、「成相寺」を目指してみてはいかがでしょうか?車でも直接行くことはできますが、敢えて笠松公園経由で登山バスを利用して行く方が旅情感があっておすすめです!
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(2024/9/10更新)
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