ブラタモリも来た?歴史とグルメと情緒が息づく大阪・空堀商店街

ブラタモリも来た?歴史とグルメと情緒が息づく大阪・空堀商店街

更新日:2016/11/10 09:55

けいたろうのプロフィール写真 けいたろう 旅するグルメライター
大阪城の南西に空堀(からほり)商店街という1本の商店街があります。ちょっと変わった名前の商店街は、一見すると歴史はありそうだけど取り立てて何の変哲もないように思える商店街です。しかし、この商店街は、雑誌やTV、映画など数多くのメディアに取り上げられていて、大阪でも特に有名な商店街となっています。2016年に大阪初上陸となったブラタモリのロケ候補地となった空堀商店街ってどんなトコロなんでしょう?

空掘商店街の名前の由来と特徴

空掘商店街の名前の由来と特徴

写真:けいたろう

地図を見る

空堀商店街は大阪城の南西にある商店街で、地下鉄の駅で言えば、谷町六丁目から松屋町付近に伸びる商店街で、大阪に住んでいる人からすると「割と普通の商店街」というイメージの商店街ですが、歴史的に見ると、かなり重要な場所に作られています。

商店街の名前でもある空堀は、空っぽのお堀という意味で、大坂城の三の丸の外堀、水のないタイプである南惣構堀(みなみそうがまえぼり)という一つの堀を指す言葉です。南惣構堀の防御力は強固で、大坂冬の陣の際に大坂城を取り囲んだ徳川軍は、この堀を突破できす苦戦しました。その後、講和によって空堀は埋められ、大坂夏の陣の、豊臣勢の敗北につながっていきます。

やがて時代は進み、南惣構堀の上に大正期頃から商店ができ始め、戦中も空襲を逃れていたため、終戦直後の昭和20年には商店会が作られ、空堀と名付けられました。空堀商店街は、埋められた堀だけなく、地形はかなり特殊で、商店街は周辺も含め、辺り一帯の高低差があり複雑に入り組んだ坂になっています。しかも周りには細い路地がいっぱいです。

豊臣秀吉、埋められた堀、高低差。古く細い路地。こういった歴史と土木のワードが大好きで、古地図片手に細い路地坂の上り下りに一喜一憂するタモリさんの目に留まらないワケもなく、大阪初上陸ブラタモリのロケ地の候補地の一つとなりました。

太閤下水とブラタモリ

太閤下水とブラタモリ

写真:けいたろう

地図を見る

空堀商店街を訪れたブラタモリスタッフの、もう一つのお目当てが「太閤下水」という下水道で、これは太閤の名の通り秀吉の作った下水。400年以上も前に作られた、太閤下水は、なんと今も現役!

この太閤下水ですが、現役で使用されていることに加え、地上にのぞき窓が設けられている部分があり、今もなお水が流れている中の様子を、外からチラ見することができます。さらに、この太閤下水は、中に入ることも可能でブラタモリでもタモリさん実際に入っています。

こちらの施設は、事前申込みをすると、無料で見学可能。秀吉が作り、タモリさんが入った太閤下水を生で体験してみてはいかがですか?下記の関連MEMOから申し込みが可能です。現役の下水道なので、匂いはちょっと心配ですが、最高の探検気分が味わえるはずです。

映画ロケ地としての空堀商店街

映画ロケ地としての空堀商店街

写真:けいたろう

地図を見る

ブラタモリ大阪初上陸のロケ候補地に選ばれた空堀商店街ですが、味のある古い町並みが映画にマッチするため、商店街を舞台にさまざまな映画作品が撮影されました。

まず映画『プリンセストヨトミ』では、主人公の真田大輔は、大阪市立空堀中学校という架空の中学校に通い、生まれも育ちも空堀商店街。劇中に登場する大阪城からの抜け道伝説の『真田の抜け穴』は、それらしき穴が実在する三光神社も歩いて行ける距離にあります。

また聖地としての空堀商店街を語る上で外せないのが『ことみ』というお好み焼き屋さん。通りを1本入った場所にあり、昭和感漂うお店の雰囲気は空堀商店街の顔。プリンセストヨトミではロケの休憩場所として利用され、劇中に何度も登場する主人公の実家のお好み焼き屋さん『太閤』を、東映京都撮影所にセットで組んだ際のモデルとなりました。

また市原隼人主演の映画『ボックス!』の主人公の実家のお好み焼き屋さんとして登場し、実際に撮影が行われ、芦田愛菜主演の『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』でも、撮影に使用されています。

空堀商店街では、これらの映画以外にも、八嶋智人主演『秋深き』で、主人公の教師と妻のホステスが、つかの間の幸せな生活を送る舞台として、撮影も行われました。

空堀商店街ガイドブックの常連その1

空堀商店街ガイドブックの常連その1

写真:けいたろう

地図を見る

いい意味で派手さがなく、落ち着いた日常の雰囲気が漂う空堀商店街ですが、ガイドブックの常連となっているお店が多数存在します。その中でも特に有名で、オススメのお店を紹介します。まず1軒目は、『旧ヤム邸』というカレー屋さん。

ガイドブックなどで、関西カレー特集が組まれると確実に紹介される名店です。130年以上の歴史を持つ古民家を改築したレトロなお店でいただけるのは、小麦粉を使用しない薬膳カレー。

オススメは、3種類の日替わりカレーから2種類を合がけにするカレー膳。おそうざい2品とピクルス、ヨーグルトがセットでとってもお得。サラリとしたルウには、じっくり焙煎されたスパイスたっぷり。一口めは「辛い!」となりますが、食べ進むうちに不思議と慣れてきます。

空堀商店街ガイドブックの常連その2

空堀商店街ガイドブックの常連その2

写真:けいたろう

地図を見る

空堀商店街のガイドブックの常連店その2は山口果物。こちらは、関西かき氷特集の常連となっています。山口果物は、店名からもわかるように本業は果物屋さん。「ライフスタイルにもっと果物を!」をコンセプトに、店内にカフェスペースを設けて、かき氷やケーキ、生ジュースなどを販売しています。

果物屋さんが手掛けるかき氷は、背が高くてフワフワ。もちろん果物には大変なこだわりで、シロップは旬のフルーツをその場でミキサーに掛けて作ります。フルーツの旬にこだわった結果、1年中、その時期に本当に美味しくなるフルーツを使ったかき氷が食べられます。その代わりに定番の苺も旬以外は販売しないというこだわりっぷり!

写真は秋限定のぶどうのかき氷。濃厚なぶどうのシロップがフワフワの氷に絡まり、淵には緑色のマスカットが配置されています。山口果物では他にも、柿、アボカド、焼き芋、キウイなど珍しいかき氷がいっぱい。何度行っても、いつも違うかき氷が待っています。

空堀商店街の魅力はあくまで日常

歴史的スポット、映画のロケ地、情報誌の常連の名店など、さまざまな魅力のある空堀商店街ですが、あくまで本当の魅力は日常。ゆったりとした日々の生活にあると言えるかもしれません。

坂の続く商店街には、魚屋さん、豆腐屋さん、乾物屋さん、和菓子屋さん、時計屋さん、喫茶店などが、ごく普通に営業し、地域の住民がごく当たり前に利用しています。そんな懐かしい普通の生活が、大阪市内で残されているのは、ある意味貴重な存在。

坂と商店街、お買い物ということで、東京で言うと谷根千に少し似たムードがあります。ちょっと裏手に入ると、谷中の夕やけだんだんのような場所もたくさんあります。一般的なコテコテの大阪旅行もいいですが、何度めかの大阪旅行には、「タモリさんならどこを歩いたのか?」と考えながらの、のんびり空堀散歩もオススメです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/02 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -