海神様は高原の池に!愛媛・大野ヶ原は知られざる開運のパワースポット

海神様は高原の池に!愛媛・大野ヶ原は知られざる開運のパワースポット

更新日:2016/11/10 14:52

林 ぶんこのプロフィール写真 林 ぶんこ 四国の山道探検家、0850ライダー
愛媛と高知の県境、四国カルスト大野ヶ原。標高1300mを超す高原に石灰岩が点在する独特の地形の中酪農が行われ、その牧歌的な風景から今では観光地となりましたが、昔は拝み屋と呼ばれる祈祷師たちが修行をする不思議な荒野でした。彼らは龍神が住むと言われる小さな池に向かい七日七晩拝みの行をし霊験を得たそうです。そして今、その龍神が住む池を祀った神社が知られざる四国の開運スポットとして注目を浴びています。

標高1300mを超える高原、大野ヶ原

標高1300mを超える高原、大野ヶ原

写真:林 ぶんこ

地図を見る

戦国時代、長曾我部氏の大群を退けて大野氏の勝利となったことから名付けられたという、四国カルストの西端に広がる大野ヶ原。標高1300mを超える高原で、緑豊かな牧草地の中、放牧がされている風景は四国というより北海道のような景色です。夏は爽やかな避暑地として観光客で賑わうところですが、春が遅く秋も駆け足で過ぎ去ってしまう四国有数の豪雪地帯で、路面も凍結してしまうことから冬場はなかなか近付くのが難しい場所でもあります。

昔の大野ヶ原は何もなく、人を寄せ付けない荒野そのままで、現在ではスピリチュアルカウンセラーなどと呼ばれる拝み屋たちが、龍王神社の小松ヶ池の方に向かってゴザを広げて座り、七日七晩拝みの行をして霊験を積んだのだそうです。七日七晩のうちには、その行を邪魔すべく荒野からいろいろな精霊や妖怪が現れますが、そういう邪に惑わされず行を終えたものだけが不思議な力を持つことが出来たと言われています。

大野ヶ原の海神様「龍王神社・豊玉毘売神」

大野ヶ原の海神様「龍王神社・豊玉毘売神」

写真:林 ぶんこ

地図を見る

昔、米屋の娘小松が強欲な両親に落胆して淵に身を投げ龍神になった、と伝えられている豊玉毘売神/豊玉姫神(とよたまひめ)をお祀りした龍王神社。歴史は古く、大野ヶ原の西に“ほどごや”という地名があり、そこにあった小さいお社を1655年に小松ヶ池に移し浮島神社としたと記録されています。その後、昭和3年に龍王神社と改名されて現在に至ります。

山は水源であることから水の神様=龍神様は、海の神様とも崇められています。そして小さな神社ですが、龍王神社は昔から大漁と安全祈願の神様として地元では有名な存在で、大野ヶ原がある西予市の隣の八幡浜の漁師さんなどが参拝に訪れていたそうです。近年「大野ヶ原の神様に願掛けをすると叶う!」ということが口コミで広まり、開運・商売繁盛の神様として、5月の春の大祭には今や四国だけでなく九州、関西などからもこの山奥の小さな神社目指して、大勢の人々がやって来ます。

龍王神社神霊池「小松ヶ池」

龍王神社神霊池「小松ヶ池」

写真:林 ぶんこ

地図を見る

拝み屋たちの祈りの対象、龍神様=豊玉毘売神が住むとされる神霊池、小松ヶ池。神社のお社の裏側にあります。龍王神社のご神体自体がこの池なので、お社と池の間にまたご神木と鳥居があります。

日照りになったり大風が吹いても全くその水位が変わらないという不思議な池で、数百年前から雨乞い祈祷の場所になっています。神霊池とされる伝説が数々残っており、一番新しいものは明治37年に大野ヶ原を陸軍の演習場とするための工事を行っていた時の話で、晴れ間続きの5月の好天にも助けられて演習場工事もあと3日ほどで終わるという時、小松ヶ池の岸を掘り始めたら突然雨が降り始め、暴風雨が止まなくなってしまったそう。困った陸軍は池を元に戻してお宮を建てたところ、75日めにしてやっと風雨が静まり、喜んだ人々は奉納相撲を行ったのだそうです。

またこの池は地質学的にも、石灰岩がすり鉢状に凹んだ場所=ドリーネに水が溜まって出来た世界的にも珍しい池です。きれいな水にしか自生しないというジュンサイが水面に生え、見るたびに位置が変わるという浮島がジュンサイの間に浮かんでいます。浮島は水苔の下の水中の部分が腐敗せずに泥炭化して出来たこれまた大変珍しいもので、大風が吹くと実際少しずつ移動しています。

トロトロのチーズケーキが美味しい「もみの木」

トロトロのチーズケーキが美味しい「もみの木」

写真:林 ぶんこ

地図を見る

龍王神社の向いにはトロトロチーズケーキで有名な「もみの木」があります。「ペンションもみの木」の名前で知られていますが、現在はペンションとしては営業していないため、カフェ・カントリー雑貨「もみの木」が正しいんだそう。

人気のチーズケーキは夏休みを除いた平日のみ予約可。ちなみに取材日は平日でしたが、14時には既に完売でした。大人気のため小学生以上1人1個のみとされていますが、土日祝日は午前中に行っても完売となってしまうことが多く、なかなか食べられない幻のケーキとなっています。

チーズケーキの他にも搾りたてミルクと濃厚アイスクリームなど、酪農の産地ならではの新鮮なお味で、その美味しさはぜひ現地でお試しあれ。

恋のパワースポット、長沢の滝

恋のパワースポット、長沢の滝

写真:林 ぶんこ

地図を見る

大野ヶ原の東隣の天狗高原から津野の町へ降りる途中に、恋のパワースポットと近頃ウワサの長沢の滝があります。滝口がハート型になっており、恋愛成就のパワースポットとしての地位を確立しつつありますが、他にも子宝が授かる、願い事が叶う、とご利益があるそうです。マイナスイオンたっぷりの長沢の滝のおすすめ時期は新緑、紅葉の頃です。

四季折々に美しい大野ヶ原

夏は青い空の下緑の草地に牛がのんびりと放たれ、秋は山々が色づく中一面のススキ野原、冬は静寂の銀世界、春は雪解けと共に色とりどりの花が咲く、と四季折々の大自然が美しい大野ヶ原。龍王神社の他にも自然の精霊が癒してくれそうなスポットがいくつもありますので、気分をリフレッシュしたい時などぜひ一度足を運んでみてください。ご利益大ですよ。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/01 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -