写真:宮坂 大智
地図を見る澎湖を訪れる観光客にとって外せない絶景スポットである通梁保安宮は、澎湖の中心「馬公本島」から車で約30分の「白沙島」にあります。この通梁保安宮のすごいところは、たった1本のガジュマルが枝と根を伸ばし、660平方メートル(約200坪!)もの大きさに広がってお寺を覆い尽くしているというところです。
いわゆる「巨樹ガジュマル」は鹿児島や沖縄の離島に数多くありますが、これほどの大きさのガジュマルはどこにもありません。例えば、日本一のガジュマルと言われている沖永良部島のガジュマルと比較すると、通梁保安宮のガジュマルはそれの倍に近い大きさがあります。さらに、日本一のガジュマルの樹齢が約100年に対し、通梁保安宮のガジュマルはなんと300年以上! 今では木柱ではなくコンクリートで枝を支えるほどに成長しています。
ちなみに、ガジュマルから出ている気根の数は100本近くあり、その数は97本だと言われています。実は、この97という数字は澎湖にある村を全て合わせた数と同じなんです。澎湖の村はガジュマルに守られているかのようですね。
写真:宮坂 大智
地図を見るところで、このガジュマルは一体いつ誰が植えたものなのでしょうか?
これについては諸説あり、1673年にアモイからやって来た商船が難破し、その船に載せられていたガジュマルの苗を村人が拾って植えたというものや、盆栽を載せた商船がやって来て、その船に載せてあったガジュマルの苗を植えたというもの、はたまた、商船から転がり落ちて海岸に流れ着いた苗を植えたものなど様々な言い伝えがあります。
今となってはガジュマルの由来は誰にも分からなくなってしまいましたが、通梁保安宮のガジュマルは今でも元気に枝を広げています。実は、澎湖は台湾海峡にポツンと浮かぶ小さな離島です。そのせいで冬には台風なみの突風が吹き荒れるため、1本の木が大きく育つにはあまりも過酷な環境です。そんな中で、このガジュマルがここまで大きく育ったのは奇跡としか言いようがありません。まさしく神様を守る巨木と言えるでしょう。
写真:宮坂 大智
地図を見るさて、そんな通梁保安宮にもガジュマルと同じように300年を超える長い歴史があります。始まりは順治2年(1645年)のこと。この年に「王爺」という神様を乗せた船「王船」が中国大陸から流れ着いたことから建造されました。その後、幾度かの建て直しを経て現在の姿になっており、現在の寺院は1995年に建てられたものです。
ちなみに、王船とは王爺が天界へ帰るために造られる宗教的な船で、この船には王爺とその侍従たちが乗っています。逆にいうと人間は乗っていない船で、この文化は今でも中国の福建省と台湾南部で受け継がれています。
建造された王船は、海辺で燃やす場合と、本当に海に流す場合と2通りの方法がありますが、今では海辺で燃やすのが主流となっています。澎湖ではこの王爺信仰が盛んなことでも有名なので、運が良ければ王船に関する祭典を見ることもできます。
通梁保安宮に訪れたら、ガジュマルを見るだけではなく寺院のなかにも入ってお参りをしましょう。はるか昔、海からやってきた王爺と、それをずっと守り続けているガジュマルに静かに思いを巡らせることができますよ。
写真:宮坂 大智
地図を見るさて、通梁保安宮のガジュマルに感動し、お参りを済ませたら澎湖名物の仙人掌(サボテン)アイス を食べるのがオススメ。通梁保安宮のすぐ横のお店でも仙人掌アイスを食べることができますが、海に向かって右側の道を歩いたところにある「易家」というお店が元祖なので、できればここで食べたいところ。
ちょっとクセのある風味がいかにもサボテンらしくて美味しいです。何よりもサボテンのアイスなんて、珍しくて面白いですよね。お値段は1つ35元です。お店の前には海が広がっていますので、澎湖の海を眺めながら食べると澎湖旅行の良い思い出になることでしょう。
あまりにも大きいガジュマルは写真では伝えきれません。ぜひ、ご自身の目で見ていただきたい絶景スポットです。
また、周辺にはお土産やさんが並んでいますので、飲み物や食べ物の心配もありません。飲み物や食べ物をガジュマルの枝の下で食べると現地の人の気分が味わえますよ。なお、通梁保安宮へは路線バスでも行けますが本数が限られていますので、レンタカーやタクシーで行かれるのをおすすめします。
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(2024/10/10更新)
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