写真:林 ぶんこ
地図を見る高知県土佐清水市、足摺岬の山の中に不思議な巨石群が林立する「唐人駄場遺跡」があります。唐人とは異人、駄場とは平らな場所という意味だそうで、付近からは縄文〜弥生時代の石器や土器などが多数出土しています。
フランス、ブルターニュ地方のカルナック巨石群の様な世界最大級のストーンサークルもあったそうですが、残念なことに埋め戻されたり運ばれたりしてしまい、現在は唐人駄場公園となっています。公園内には巨大サークルの一部が残されており、カルナック石群と同じ並び方の列石を見ることができます。
山の中の巨石の大きなものは6〜7mもあり、古代縄文の人々が何かの儀式や通信のために設置したと云われていますが、詳しいことはまだ分かっていません。
写真:林 ぶんこ
地図を見るこの写真では切れてしまっていますが、左側の石は真ん中から2つに割れて重なるように並べられており、それが女性を表すそうで、母石と伝えられています。その石の横、木の向こうの亀の様な形の石が子供、その横の右斜め上を向くように置かれた、大きな斜上立石が父石だと云われています。父石は何かしらのパワーを持っているそうで、ここからアメリカのセドナにあるような地球のエネルギーのボルテックス、大地のヒーリングのパワーを感じると言う人もいます。
ここは子宝や子供の健やかな成長を願った儀式が執り行われていたそうで、唐人駄場遺跡内で最強のパワースポットとされています。
写真:林 ぶんこ
地図を見るいかにも鬼が包丁として使いそうなこの石、ストーンスクレイパー。周辺にその形跡が残っていないことから、人造的に細工されたものではないそうです。数千年から一万年も経っているのに、刃先にあたる部分は鋭く尖ったままで非常にミステリアスな石です。この石の面にはキラキラ光る部分が多く、太陽の光を反射することから、古代人が何かの通信に使ったのではないかと研究されています。
少し離れた場所には鏡石と呼ばれる大きな岩があり、こちらは海を渡ってくる古代人が目印にする灯台の役目をしていたと伝えられています。他にも巫女たちが神楽を踊ったと云われる千畳敷岩、正確に真南の方角を向いた亀石と呼ばれている亀が首を伸ばした姿の岩など、不思議な巨石が数々あります。
写真:林 ぶんこ
地図を見る大地のパワーが溢れ、癒しの力があると多くの人に言われている唐人駄場遺跡。巨石の間の遊歩道を歩くだけでも地面が花崗岩だからなのか、ぽわぽわっとした、中が空洞の柔らかい石の上を歩いているような、なんとも言えない不思議な感じがして気持ちよいのですが、石の上に登ってみると全身脱力して思いっきりリラックスできる、これまた何とも言えない心地よさに包まれます。
人だけでなくルチルクオーツや水晶などのパワーストーンを石の上に置いても、浄化されてパワーストーンのエネルギーが増すようになるのだそうです。
写真:林 ぶんこ
地図を見る遺跡の周りには牧場が広がり、放牧されている牛やポニーが時々石の向こうから顔をのぞかせたりして、のんびりした光景にも癒されながら散策を楽しめます。
唐人駄場公園内には炊事棟があり、足摺の大自然の中でキャンプが出来るようになっています。キャンプをする場合は足摺半島に入るとお店がなくなってしまうので、手前の土佐清水の町で材料を調達しておくことをおすすめします。また、付近は人家もなく夜になるとひたすら真っ暗になってしまう所なので、それなりの準備をして出かけるようにしましょう。
亜熱帯性の緑濃い植物の間に見える巨石群、どこまでも続く青い空と海、鮮やかな光が溢れ雄大な景観が楽しめる足摺半島南部は、日本というよりテニアンやヤップなどのミクロネシアの島を彷彿とさせます。
唐人駄場遺跡の巨石の他にも、まだ200以上の知られていない巨石が足摺一帯にはあるそうです。興味のある方は足摺の各ホテルや土佐清水市観光協会などから、地元のガイドさんにハイキングツアーをお願いしてみましょう。巨石だけでなく足摺にはミステリアスな話が多く「足摺七不思議」など、面白い話が聞けますよ。
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この記事を書いたナビゲーター
林 ぶんこ
知らない場所に行くのが好き。観光する、というよりもそこの場所に生活している人、そこの場所に息づいているものを観察するのが好き。20年ぶりにリターンしたバイクと一緒に、知られざる絶景や美味しいものを求め…
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