福島県の西部、奥会津の金山町にある玉梨八町温泉は、川沿いに風情ある旅館と昔ながらの共同浴場2つが点在します。
老朽化した建物を建て替え、平成28年9月25日にリニューアルオープンしたのが、町営の温泉保養施設「せせらぎ荘」です。
2階建ての建物の1階に、男女別の内湯と食事処・個室・売店。食事メニューには、金山町の沼沢湖に生息する姫マス塩焼きや、町の名産である赤かぼちゃの焼酎もあります。また、施設の指定管理会社の本社が熊本県ということで熊本とんこつラーメンや、売店に「くまモン」グッズも置かれ、被災地熊本を応援しています。
一部吹き抜けの2階は無料休憩室と有料の貸切用個室。有料のマッサージチェアーも設置されています。
元々あった、玉梨温泉共同浴場と同じ源泉のナトリウム炭酸水素塩泉に加え、今回、大黒湯と名付けられた少し温めの炭酸泉が加わり、泉質の異なる2種類の温泉を楽しめるようになりました。
脱衣所の浴室への扉わきに、それぞれの温泉分析表と湯船の温度が掲示されています。湯温43.9℃の玉梨温泉は従来からあり、すぐ近くの玉梨温泉共同浴場と同じ源泉です。
一方、大黒湯は分析表にある、平成25年12月調査時、泉温は36.8℃。湯船の湯は39.4℃とやや高くなっています。湧出地は、玉梨温泉とそれほど離れていないのに、全く異なる泉質です。ロビーの壁には、玉梨温泉の今昔と題して、玉梨温泉共同浴場そばにある大黒湯の源泉の写真や、昭和44年の水害の写真なども展示してあります。
2つある湯船のうち、横長で広々としている側には、元からある玉梨温泉の源泉が、大きな片口状の湯口から勢いよく噴き出しています。鉄分も多いため、源泉が飛び散る壁は赤茶けた色に変色しています。成分の濃さを物語っています。
湯船の湯は緑褐色にやや濁っています。口に含むと、ナトリウムの塩分のため、しょっぱい味です。
大黒湯は名前のように、コーラのように黒く濁った湯です。湯口から源泉が注がれていませんが、壁側の下方から湯が出ています。その壁近くで湯に浸っていると、泡が身体に付いてきて大きくなると、湯の表面に浮かび上がって弾けます。炭酸泉の心地良さを堪能できます。温めの湯のため、じっくり浸れるのも魅力です。
成分分析表では、含まれる炭酸ガスの量を示す遊離二酸化炭素の量が1121ミリグラム。大分県の長湯温泉や兵庫県の有馬温泉の銀泉と同じように泡を楽しめます。
皮膚に付着した炭酸ガスが吸収され、血管拡張作用で、血流が促進されます。また血圧を下げ、心臓にも良い湯です。
せせらぎ荘入口に、まだ新しく、白く輝く毘沙門天像が建っています。玉梨温泉と対岸の八町温泉共同浴場の施設入口やその脇には、七福神像が建っており、お参りができます。こじんまりとした温泉のため、共同浴場の施設などを確認がてら、巡ってみてはいかがでしょうか?
野尻川に架かる弁天橋の脇に、玉梨・八町温泉開発組合が掲げた「常楽 七福神いで湯の里」の案内にその配置が示されています。
(1)えびす神(恵比寿屋)、(2)大黒天(旅館玉梨)、(3)毘沙門天(せせらぎ荘)、(4)布袋尊(八町湯)、(5)福禄寿(以下3像は玉梨湯の下)、(6)弁財天、(7)寿老人
せせらぎ荘のある玉梨八町温泉へのアクセスは、磐越自動車道 会津坂下インターチェンジより約50分、JR只見線会津川口駅前より会津バス大芦行き(8:23/15:33/19:03発 2016年11月日現在)で、約8分「玉梨八町温泉」バス停下車です。
金山町での寄り道に、以下はいかがでしょうか?
〇玉梨とうふ茶屋
昭和村方面へ車で3分、約2キロメートルの場所に、玉梨とうふ茶屋があります。地元の奥会津百年水と地元産の厳選した青ばと豆を使った極上豆腐をぜひどうぞ!店内でも食べられます。他にもジャンボ生揚げや雪花菜(おから)ドーナツなどもお薦めです。
〇大塩天然炭酸水炭酸場
玉梨八町温泉から、会津川口駅へ、さらに只見川沿いに只見町方面に向かうと、車で約30分、約20キロメートルに、天然炭酸泉の井戸があります。無料で汲んで飲むことができます。
〇沼沢湖
フェアリーランドかねやまスキー場を経由して、車で約30分、約12キロメートルです。ヒメマスが棲む、神秘の湖です。妖精美術館では妖精に関する作品が展示してあります。
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