御浜岬越しに見る富士の絶景!西伊豆の港町「戸田」で海辺散歩

御浜岬越しに見る富士の絶景!西伊豆の港町「戸田」で海辺散歩

更新日:2018/02/25 17:08

沢原 馨のプロフィール写真 沢原 馨
伊豆半島の西岸、いわゆる「西伊豆」の北部に「戸田(へだ)」という地区があります。御浜岬によって駿河湾と隔てられた入り江が天然の良港となって、昔から人々の暮らしが営まれていたところです。今でも昔ながらの港町の佇まいが残っています。入り江と御浜岬の風景も美しく、そこから見る富士山の景色も素晴らしいものです。西伊豆、戸田の風景へご案内しましょう。

絶景!御浜岬越しの富士山

絶景!御浜岬越しの富士山

写真:沢原 馨

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戸田を訪ねたら、まず見ておきたい景色が、御浜岬越しの富士山です。

戸田から海岸沿いに南へ下る県道17号沿い、御浜岬を南側の高みから見下ろせる場所があります。そこから眺めると、眼下に御浜岬が優美な弧を描いて延び、弧の内側には戸田の入り江が、外側には駿河湾が広がり、さらにその向こうには富士山の姿を見ることができるのです。素晴らしい景色です。白砂青松と富士山、最強の組み合わせですね。戸田を訪れたら、まずはこの景観を楽しまなくてはいけません。存分に眺めを堪能しておきましょう。

富士山の見え方は天候に大きく左右されます。晴れているのに富士山は雲に隠れていることもあります。こればかりはどうにもなりません。訪れたときに富士山がよく見えるといいですね。

絶景!御浜岬越しの富士山

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御浜岬は、川や潮の流れの洪積作用によって生じた「砂嘴(さし)」と呼ばれる地形。入り江と駿河湾を隔てるように南から北へと延び、戸田の入り江を天然の良港としているのです。御浜岬そのものも美しい景観ですし、入り江に浮かぶ船の姿も良い風情を漂わせています。その景色も楽しんでおきたいですね。

御浜岬の海岸から駿河湾越しに富士山を見る

御浜岬の海岸から駿河湾越しに富士山を見る

写真:沢原 馨

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高みからの眺めを満喫した後は、御浜岬の海岸を歩いてみましょう。駿河湾側の海岸は砂浜ではなく、大小の石が堆積した「礫浜」です。荒々しい景観ですが、一般的な砂浜とは違った興趣を感じさせてくれて楽しめます。

視線を上げれば駿河湾越しに富士山の姿が見えています。岬突端部に立つ灯台と富士山との組み合わせもフォトジェニックです。

御浜岬の海岸から駿河湾越しに富士山を見る

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ときおり、戸田の港を出入りする漁船が横切っていきます。漁船と富士山との組み合わせはさらにフォトジェニック。海岸を辿ってゆけば景色の表情が次第に変わっていき、飽きることがありません。

御浜岬から見る戸田の港の景観も楽しもう

御浜岬から見る戸田の港の景観も楽しもう

写真:沢原 馨

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岬突端部を回り込んで御浜岬の“内側”の海岸も歩いてみましょう。こちらは“外側”とはまるで違って、美しい砂浜になっています。夏には海水浴場として賑わう浜辺です。

岬突端近くには諸口神社という神社が鎮座しています。お参りしていくのもいいですね。戸田の町と向かい合う海岸には大きな鳥居が建っていて、船着き場らしい堤体が設けられています。町から舟でやってくるのが“表参道”なのでしょう。朱い鳥居と海辺の風景の取り合わせが良い風情を醸し出しています。

御浜岬から見る戸田の港の景観も楽しもう

写真:沢原 馨

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御浜岬の海岸から見る戸田の町と港も素敵な風景です。静かな入り江が船を浮かべて横たわり、その奥には緑濃く重畳する伊豆の山々を背負って町並みが広がっています。美しく、旅情を誘われる風景です。そんな風景を楽しみながらの海岸散歩は、旅先での贅沢なひとときです。

郷愁を誘う戸田の町並みと漁港の風景

郷愁を誘う戸田の町並みと漁港の風景

写真:沢原 馨

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御浜岬での海岸散歩を満喫したら、戸田の町の散策も楽しみましょう。戸田の町は昔ながらの港町の面影を残し、細い路地を抜けながらの散策が楽しいのです。古い建物や石垣など、歴史の遺構に出会えるのも嬉しいものですし、何より郷愁を誘うような港町の風情が素敵です。町歩きの好きな人には特にお勧めです。

郷愁を誘う戸田の町並みと漁港の風景

写真:沢原 馨

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町中の散策から、そのまま港の風景へも足を延ばしてみましょう。港の岸壁から入り江越しに見る御浜岬も美しいものです。岸壁に繋がれて静かに揺れる漁船の姿も良い風情を漂わせています。その上にはウミネコの姿も。こうした漁港の風景には旅情を誘われますね。

漁港近くには新鮮な海の幸を楽しむことのできるお店が点在しています。駿河湾は水深が深いことで知られ、深海の魚やタカアシガニなどが名物として人気です。町を散策した後はどこかのお店で食事を楽しむのがお勧めです。人気店には行列ができていることも多いので、少し時間をずらすなどの工夫をするとよいかもしれません。

「瞽女展望地」から見下ろす戸田も絶景!

「瞽女展望地」から見下ろす戸田も絶景!

写真:沢原 馨

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戸田を訪れた時に見ておきたい風景として、もうひとつお勧めのものがあります。戸田峠近くに設けられた「瞽女展望地」からの眺めです。

「瞽女展望地」は修善寺と戸田を結ぶ県道18号沿い、戸田峠から少し戸田方面に下りてきたところに設けられています。展望地には三体の観音像が祀られています。昔、戸田から修善寺へ向かう瞽女の一行が峠で大雪に遭って命を落としたという出来事があったそうで、観音像はその冥福を祈って建てられたものだとか。

その観音像の横手、山の斜面に木製のデッキを張り出させて展望所が設けられています。展望所からは眼下に戸田の町と入り江を一望することができます。午前中の明るい風景も美しいのですが、午後、逆光となった景色もお勧めです。海面は日差しを反射して白く輝き、その中に御浜岬と入り江の船影がシルエットになって浮かんでいます。駿河湾越しには静岡市周辺の山々がうっすらと見え、さらに遠くひときわ高い稜線を描くのは南アルプスの山々でしょう。それらが光の中に漂うように見えています。美しく幻想的な風景です。

「瞽女展望地」には駐車場も設けられています。戸田から修善寺方面へと帰路を選んだときにはぜひ立ち寄っておきたい、お勧めポイントです。

風光明媚な戸田へ、峠を越えてゆこう

現在の戸田地区は沼津市の一部ですが、平成17年までは戸田村という独立した自治体でした。西は駿河湾、残る三方は伊豆の山々に囲まれ、昔は行き来の不便なところでした。今では道路が整備されて比較的楽に訪れることができますが、やはり曲がりくねった峠道を通ってゆかなくてはなりません。しかし、峠を越えてでも行きたい、そんな戸田の町です。

海辺散歩の好きな人にも、町散歩の好きな人にも、富士山の眺めを楽しみたい人にも、もちろん美味しいものの好きな人にも、お勧めの戸田です。さあ、戸田を目指して伊豆の山々を越えてゆきましょう。新鮮な海の幸と絶景が待っています。

<戸田の基本情報>
住所:静岡県沼津市戸田
電話:0558-94-3115(戸田観光協会)
アクセス:伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅からバス約50分(約23km)

2018年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/03 訪問

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