日本一の鉄道難所!福井・北陸本線旧線跡で、機関士の苦闘に思いを馳せよう

| 福井県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

日本一の鉄道難所!福井・北陸本線旧線跡で、機関士の苦闘に思いを馳せよう

日本一の鉄道難所!福井・北陸本線旧線跡で、機関士の苦闘に思いを馳せよう

更新日:2016/11/20 19:34

池口 英司のプロフィール写真 池口 英司 フリーライター、フォトグラファー 日本写真家協会(JPS)会員

現在は金沢駅と米原駅を結んでいる北陸本線は、随所に線路を通すことが困難な難所があった路線です。その最大のものが今庄駅と敦賀駅の間にあった「杉津(すいづ)越え」と呼ばれるルートでした。「日本一の鉄道難所」とも呼ばれたこの区間は、1962(昭和37)年に北陸トンネルが開通した後に廃止となりますが、廃線跡は今も明確に痕跡を残し、遠い昔の運転の苦労を偲ぶことができます。

ホーム跡が残る旧・大桐駅

ホーム跡が残る旧・大桐駅

写真:池口 英司

地図を見る

「杉津越え」の旧ルートは、今も生活道路として利用されているので、確実に廃線跡を辿ってゆくことができます。南今庄駅に近い旧線の入口を辿ってゆくと、やがて大桐駅の跡に到着します。ここにはホーム跡が残り、記念碑や蒸気機関車の動輪も残されています。

大桐駅は、線路が開通した後から住民の要望によって開設された駅でしたが、細長い谷の底に造られていたことから、しばしば水害に遭うこともあったのだといいます。

トンネル、落石覆いも随所に残る

トンネル、落石覆いも随所に残る

写真:池口 英司

地図を見る

「杉津越え」のルートには、わずか1駅の間に12ものトンネルが掘られ、列車を落石や雪から守る覆いも随所に造られました。そして、今も10ヵ所のトンネルが残され、「旧北陸線トンネル群」として国の登録有形文化財に登録されています。

蒸気機関車が健在だった時代に、峠越えはもっとも高い技術を必要とする運転とされていました。トンネルが連続する道は、機関車が吐き出す煙に機関士まで苦しめられ、時には窒息事故も発生しました。そんな路線を少しでも安全に運行させるために、今庄には腕利きの機関士ばかりが集められていたともいわれています。

スイッチバックの跡が明確に残る旧・山中信号場

スイッチバックの跡が明確に残る旧・山中信号場

写真:池口 英司

地図を見る

「杉津越え」のサミット付近に旧・山中信号場の跡があります。ここには、連続する坂道の途中に平坦な折り返し用の線路を敷き、列車がその線路を往復しながら徐々に坂道を登ってゆく「スイッチバック」が設けられていました。その痕跡は、今も明確に残っています。

蒸気機関車が運転されていた時代に全国に造られていた「スイッチバック」は、車両の近代化が進むとほとんどが廃止となり、その跡も消えてゆきました。この山中信号場跡に残されたスイッチバックの明確な痕跡は、全国でも屈指のものといえるでしょう。

旧・山中信号場跡に残るもう一つの遺産

旧・山中信号場跡に残るもう一つの遺産

写真:池口 英司

地図を見る

旧・山中信号場跡の西側には、珍しいトンネルの跡が残されています。それは2つが並んだトンネル入口の左手奥のもの。右のトンネルはすべての列車が通過したオーソドックスなトンネルですが、左手奥の小さなトンネルは、入ったすぐ先で行き止まりになっているという珍しいものです。

これは輸送力を増やすために、列車の長さを延ばそうとしたところ、山中信号場の線路の長さが短いことが判明したことから急遽掘られたものでした。トンネルを掘ってその中にまで線路を延ばすことで、ようやく長い列車を信号場に止めることができるようになったのです。行き止まりのトンネルが、この信号場がいかに狭い場所に造られたものであったかを物語っています。

昔ながらの町並みが残る今庄駅周辺

昔ながらの町並みが残る今庄駅周辺

写真:池口 英司

地図を見る

「杉津越え」の出発点でもある今庄は、北国街道の宿場として栄えた町。今も駅の周辺に昔懐かしい姿の町並みが残されています。そして、今庄を語る上で忘れてならないのは、この町に4つもの造り酒屋があること。小さな町に4つもの造り酒屋が必要とされるだけ、遠い昔から、ここを多くの人が行き交ったのです。今も酒屋さんは健在です。ゆっくり町めぐりをして、お土産に好適な一品を探してみるのも楽しそうです。

さまざまな楽しみ方ができる歴史の町

今庄と敦賀の間に延びる北陸本線の旧線跡を巡るウォーキングツアーは、地元の観光協会主催のものも催されています。行程は、坂道が続く長い道のりとなりますので、歩きやすい服装で出かけましょう。長い歴史を誇る今庄には、このほかにもたくさんの文化遺産、鉄道遺産が残されています。訪れるごとに、新たな発見に出会うことができるでしょう。


この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/12 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp 旅行ガイド

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ