千年に一人の逸材、葛飾北斎の「すみだ北斎美術館」が東京・両国にオープン!

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千年に一人の逸材、葛飾北斎の「すみだ北斎美術館」が東京・両国にオープン!

千年に一人の逸材、葛飾北斎の「すみだ北斎美術館」が東京・両国にオープン!

更新日:2016/11/27 19:17

Yuma A.のプロフィール写真 Yuma A. 観光学修士、インバウンド観光推進施設代表

アメリカの雑誌「ライフ」で「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれている唯一の日本人、「葛飾北斎」。北斎の90年の生涯における多様な作品の変遷を追いつつ、その一部(書籍)をデジタル化することで、実際に北斎の代表作を読めるという工夫がなされた斬新なスタイルの美術館が、新たに墨田区両国にオープンいたしました!

建物もアートな美術館

建物もアートな美術館

写真:Yuma A.

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「すみだ北斎美術館」は江戸東京博物館や国技館で有名な両国に2016年11月22日にオープンしたばかりの区営の美術館です。バブル期より構想はあったものの中々実現しなかった北斎美術館ですが、構想が長かった分!?、練りに練られたおしゃれなスタイルの建物になっています。なお美術館だけでなく北斎関連の書籍を集めた図書室(洋書も多数!)やミュージアムショップも中にあり、中は北斎一色です。

この建物のスリット部分が通路で、写真の北斎通りに面した正面だけでなく、左右後ろと四面すべてにスリットがあり、どの方向からでもアクセスできる「街に開いた」美術館となっています。

地下鉄大江戸線両国駅から徒歩5分、総武線両国駅から徒歩9分と少し離れていますが、斬新な形の建物なので見落とすことはないでしょう。

ちなみに北斎は隅田川の風景画を多く残していることから分かるように生まれは隅田川沿いの墨田区両国付近です。その90年の生涯において93回引越しをした破天荒な一面を持っていますが、そのほとんどを墨田区で過ごしています。こち亀で有名な「葛飾」区とは関係ないです(笑)。

まずは常設展へ

まずは常設展へ

写真:Yuma A.

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1Fでチケットを購入したら、まずは4Fの常設展へ向かいましょう。ここは北斎の生涯を追う形で作品が展示されており、いつの時代にどんな絵を書いていたのか分かりやすい展示となっています。展示は絵だけでなく必ず近くにタッチ式パネルの説明盤がある親切仕様でありがたいですね。

なお驚かされるのは北斎が世に作品を出し始めたのは35歳頃という事実。徒弟制度がある時代とはいえ、世界で1000年に1人の逸材に選ばれる画家としては遅咲きな感じがします。しかし、それもそのはずで北斎を世に知らしめた冨嶽三十六景は70歳代の作品なんです!(なお風景画自体、国内で確立したのは北斎と言われています。)

それまで、何を書いていたんだろ?という疑問が沸いてきますが、それは次段落でご説明しましょう。

イラストレーター、漫画家を経て画家に

イラストレーター、漫画家を経て画家に

写真:Yuma A.

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北斎が今に知られる風景画家となったのは前述のとおり70歳ぐらいからで、それまではいろんな仕事をしています。例えば、今で言う「イラストレーター」として読本の挿絵を50歳くらいまで描いていました。ゴッホやモネといったヨーロッパの大家に影響を与えるほどの天才のイラストつきの本なんて凄い贅沢ですよね!

そして50歳くらいから70歳くらいまでは、「漫画家」になります。え!?と思うかもしれませんが、北斎漫画は当時の江戸でも大流行し、ベストセラー(しかも44年間発刊される続けるロングセラー)となっており、海外でも「北斎スケッチ」として有名なんです。この美術館の素敵なところは実物を展示するだけでなく、なんとデジタル化された電子書籍として見ることができる点です。

人物・動物・植物・妖怪を題材にしたものから、イラストレーター用のハウツー本、さらには銃火器などの設計図から、職人のためのデザイン画集まで、「絵」なら何でも描けてしまう圧倒的な懐の広さが、通常の画家とは一線を画す北斎の凄さです。

絵への情熱が異常天才を生む

絵への情熱が異常天才を生む

写真:Yuma A.

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冨嶽三十六景に代表される錦絵(木版多色刷り)を描いている頃で70歳、さらにその後肉筆画に挑戦し、90歳まで絵を描いていた、生涯成長し続ける北斎のアトリエを覗いてみましょう。

ご覧のとおり、コタツのように布団に包まって一心不乱に描き続ける絵画への執念あふれる姿はアトリエなどというアートな響きとは異なる「職人」の世界。3万点以上にも及ぶ絵画を残してきた北斎の死の間際の台詞が「あと10年、いや5年生きれば、真の絵描きになれたのに」だそうな。描いても描いても満足せず、飽くなき向上心に溢れた北斎の生き様はしびれますね!

ちなみに傍らに居るのは娘にして助手であり浮世絵師でもある葛飾応為(おうい)。この女性を主人公にした映画「百日紅(さるすべり)」というアニメが2015年に公開されており、こちらも興味深いですね。

ちなみにこの展示、じ〜っと見ていると北斎の手がちょっぴり動きます。地味な仕掛けですのでお見逃し無く。

2017年1月15日までの開館記念展を見逃すな!

2017年1月15日までの開館記念展を見逃すな!

写真:Yuma A.

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常設展とは別に企画展スペースが4Fと3Fにありますが、ここで2017年1月15日まで開催されている「北斎の帰還」は見逃してはなりません。

セカイの北斎は、19世紀末頃には西欧を中心にその作品は大人気となり、中には西欧で売却された記録だけ残っているが、実物は行方不明という作品も少なくないのです。

そんな中、北斎作品の中でも異端を放つ、隅田川の風景と吉原を題材にした「隅田川両岸景色図巻」が2008年に発見され(フランスでの販売記録が1902年で、それ以降所在不明だったので106年ぶり!)、その実物がこの美術館にまさに「帰還」しているのです。長さ7mという北斎作品の中でも珍しい「絵巻物」を見られるチャンスですので、ぜひ期間中に訪れましょう。

なおこの絵巻物の詳細説明は美術館に隣接する「講座室(写真)」で映像で紹介されていますので、入館前に見ておくと良いでしょう。

おわりに

区営のため、「市民のために」という設計概念から、外国語の案内は最小限ですし、駐輪場はあっても駐車場はありませんので注意しましょう。(一方で常設展は400円とリーズナブルです)

もし東京スカイツリーのある押上方面からアクセスしたいという方は、墨田区内の循環バス「すみまるくん・すみりんちゃん」が便利です。下部MEMOのリンクを参考にしてください。

それでは気をつけていってらっしゃいませ〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/24 訪問

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