足利の神秘の景勝地・名草巨石群〜清流に続く磐座の巨石めぐり

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足利の神秘の景勝地・名草巨石群〜清流に続く磐座の巨石めぐり

足利の神秘の景勝地・名草巨石群〜清流に続く磐座の巨石めぐり

更新日:2016/11/25 16:37

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

栃木県の足利市は、日本遺産や国宝の史跡が残る歴史ある街。市街地にある県内有数の史跡が注目されますが、郊外にも見るべき価値のある景勝地があります。それは名草巨石群。山間部の清流域に沿って、様々な形の巨石が累積した場所です。神秘的な巨石群は、古くから信仰のあった神域であり、成り立ちが学術的にも貴重とされる国の天然記念物。足利の神秘の景勝地、名草巨石群をご案内します。

足利の神秘の景勝地・名草巨石群

足利の神秘の景勝地・名草巨石群

写真:大木 幹郎

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栃木県の南端に位置する足利市は、室町幕府を開いた足利氏の発祥地。市街中心部には、足利氏の氏寺であり本堂が国宝の鑁阿寺(ばんなじ)や、日本遺産の足利学校など、県内有数の史跡が残されています。郊外である北部一帯は山間部ですが、そこには魅力的な景勝地があります。その代表的なものが名草巨石群。

名草巨石群は、ホタルが生息する名草川の上流、弁天沢の谷間に沿って累積している巨石です。巨石群は、元は大きな花崗岩の岩体が、風化によって分裂したもの。節理(規則的な割れ目)に沿って割れ、水流の侵食で球状に削られた巨石。その成り立ちは学術的に貴重とされ、国の天然記念物に指定されています。

写真は巨石群で最大の御供石と、巨石の上に建てられた厳島神社。古くからこの地の人々は、超常的な姿の巨石群に神性を見出し、磐座(いわくら・神が降臨する岩)として信仰してきました。伝承によると、弘仁年間(810〜824)に弘法大師が、弁財天を祀ったのが始まりと云われます。厳島神社の奥地にまとまった巨石群があり、そこが奥之院とされています。

名草巨石群で最大の巨石・御供石

名草巨石群で最大の巨石・御供石

写真:大木 幹郎

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御供石は名草巨石群で最大の巨石で、高さ約11m、周囲約30mもの圧巻の大きさ。上に乗っている三角状の岩は小さく見えますが、3m近い高さの巨石。大きく神秘的な姿の御供石は、磐座として信仰されてきた巨石群のシンボルともいえるでしょう。

御供石の基部は複数の巨石が重なったもので、その隙間を通り抜けることができます。これは「胎内くぐり」と呼ばれ、潜り抜けることで、子宝や安産に御利益があると信仰されています。入口は広くとも、出口は狭いので頭上にご注意。神秘の巨石で生まれ変わりを疑似体験してみましょう。

なお、御供石の少し手前には「弁慶の割石」と呼ばれる巨石があります。これは、御供石の上に乗っている三角状の巨石と、大きさと形が近いもの。中心から綺麗に真っ二つに割れており、花崗岩の節理に沿って割れる様を体現しています。

名草巨石群へのアクセス

名草巨石群へのアクセス

写真:大木 幹郎

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写真は御供石と厳島神社を繋ぐ橋の上。下の参道から高い位置にあるので慎重に渡りましょう。そして目の前には御供石の上に乗った巨石。道は更に山中へと続き、奥之院の巨石群へ至ります。

名草巨石群へのアクセスについてご説明を。
赤い一之鳥居のある入口は、県道218号線から北に分岐する市道の先で、駐車場があります。沿線の路線バスは本数が少ないため、車での訪問がお勧め。北関東自動車道・足利ICから約15。JR・足利駅または、東武鉄道・足利市駅からタクシー利用で約25分。

次に入口から巨石群までの移動について。
一之鳥居から二之鳥居まで、坂道と階段を登って約10分。二之鳥居からすぐに、弁慶の割石、御供石、厳島神社と続きます。奥之院である巨石群へは、厳島神社の橋を渡って山道を登って約10分。なお、二之鳥居の手前から右折して続く山道は、奥之院へ直行するので、帰路に使うと良いでしょう。

名草巨石群の成り立ちについて

名草巨石群の成り立ちについて

写真:大木 幹郎

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写真は厳島神社から奥地にある、伏水の流れる谷間に累積した巨石群。ここは厳島神社の奥之院でもあります。山中に突然現れる神秘の奇景。涸れた谷底から次々と巨石が生まれてくる、まるで巨石の巣のような景観です。

名草巨石群の成り立ちについて少しお話を。
巨石群の元となったのは、白亜紀に地下で冷え固まった直径約1.5kmの、花崗岩質のマグマの岩体とされます。長い年月を経て周囲の地層が侵食されて、岩体の一部が地表へ露出。風化が進むと節理(規則的な割れ目)によって岩体はバラバラに分裂。そして水流による土砂の流出と更なる侵食により、節理の間の部分が球状になって累積し、名草巨石群の出来上がり。

巨石群の間を流れる弁天沢の水底には、砂金のように輝く粒が見られます。これは花崗岩に含まれる黒雲母が、風化して流出したもの。道中では、沢の底にも目を向けてみてください。

名草巨石群の奥之院・御船石

名草巨石群の奥之院・御船石

写真:大木 幹郎

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奥之院の巨石群、その上流部で伏水の流れが聞こえる場所に、船の形をした神秘的な御船石(写真中央)があります。節理の断面と考えられる平面が下で曲面が上。まるで逆さまになった船ようです。御船石の奥にある巨石の上には祠が祀られています。ここが奥之院の磐座たる中心地なのでしょう。

巨石群の外縁には踏み跡がありますので、ぜひ一周してみてください。上流と下流で巨石群の眺めは大きく変化するので、飽きることがありません。なお、巨石群の中央の谷底へは、伏水による陥没の危険があるため、接近しないようにしましょう。

足利の神秘の景勝地へ行きましょう

以上、名草巨石群のご案内でした。足利市での観光というと、足利学校、鑁阿寺、あしかがフラワーパーク、など市街地の観光スポットが注目されます。しかし、北部の山間部ではハイキングを楽しめる他、名草巨石群という景勝地があるのです。

自然の摂理を超えた力も加わって作られたような姿の巨石群。古くから神の降臨する磐座として信仰されたきたように、その景観は迫力と神秘に満ちています。また、学術的にも貴重な場所であり、花崗岩に特有の風化現象を示すものとして、国の天然記念物に指定されています。

場所は市街中心部から車で約30分の範囲。足利へお越しの際は、市街地での観光と合せて、神秘の景勝地である名草巨石群へのお立ち寄りをお勧めします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/29 訪問

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