愛媛川之江・異説平家落人伝説と生き木地蔵に祈る!

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愛媛川之江・異説平家落人伝説と生き木地蔵に祈る!

愛媛川之江・異説平家落人伝説と生き木地蔵に祈る!

更新日:2016/12/06 05:42

大地 優風人のプロフィール写真 大地 優風人 自然風景写真家、車中泊ツーリスト

皆さん、平氏の幼帝安徳帝は壇ノ浦から生還していたって異説をご存知でしたか?また生きた木に彫られたお地蔵様をご覧になられた事ありますか? 
今回は四国のほぼ中央に位置する愛媛県四国中央市から車で僅か30分。平家落人伝説の残る切山地区です。位置的に海岸線に近いのですが周囲を山に囲まれ、閉ざされたような里山です。安徳帝が隠棲された真鍋家住宅と生きた木に彫られた珍しい地蔵についてご紹介したいと思います。

平家落人伝説が残る切山地区の歴史

平家落人伝説が残る切山地区の歴史

写真:大地 優風人

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平家落人伝説は全国に数多く残りますが、四国中央市の切山地区もその一つです。歴史上は壇ノ浦で滅んだとされる平家一門、ここ切山地区では違った安徳帝の運命が語り継がれていました。

悲運の幼帝・安徳帝を壇ノ浦で難を逃れた5人の平家武将がより安全な地へ移す為に約半年間隠れ住んだ里がこの切山地区だとされいています。下記に安徳帝を守護したとされる平家の武将を記してみました。

平家5武将
・田辺太郎 (平清国)
・真鍋次郎 (平清房)平清盛八男を始祖とする家系
・参鍋三郎 (平清行)
・間部藤九郎(平清重)
・伊藤清左衛門国久
切山地区史跡の一つ、真鍋家住宅は上述、真鍋次郎の子孫16代目の当主が現在も管理されています。

最寄りのJR四国予讃線川之江駅から車で僅か数十分の距離にありながら、周囲から隔絶され、秘境と呼ぶに相応しい狭小な土地。外部から見知らぬ人物が侵入すれば即発覚します。切山地区を訪れると平家がこの土地を選択した理由がお判り頂けるでしょう。

当時を再現する国指定重要文化財"真鍋家の住宅”

当時を再現する国指定重要文化財"真鍋家の住宅”

写真:大地 優風人

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真鍋家住宅は愛媛県最古の民家とされ全国的にも古いうえ建築学上の評価も高く、昭和45年に国指定重要文化財に指定されています。真鍋家住宅は柱を塗り込めた土壁や当時の生活様式を伝える家屋としては非常に価値があるものです。定期的に修繕はなされていますが、実際見学してみると各部の造りは精巧でとても美しい建築物です。全体的にも保存状況は良好。

残念ながら住宅に上がることは出来ませんが、周囲より内部を見学することは可能ですし、土地の風土・慣習など様々な疑問点など、隣で管理されている真鍋さん(真鍋次郎の子孫16代目)をお訪ねすれば、丁寧にお答え下さいます。

入場料 200円 パーキング10台 開館時間 8:00 〜 17:00 (2016年11月時点)
愛媛県四国中央市金生町田井切山(きりやま)地区

生き木地蔵の由緒

生き木地蔵の由緒

写真:大地 優風人

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生き木地蔵は昔、切山の山中を訪れた弘法大師が自作の像を立てましたが、洪水により流されましたので、生きた木(鹿子〈カゴ〉の木)に彫ったと伝えられています。その姿は弘法大師そのもの。拝めば耳の病気が治り、願い事を叶えて下さるという事で、古来より霊験あらたかなお地蔵様として多くの方々に祈願されています。静かな林の中、生きた木に息づいているようなお地蔵様。その前に立つと、思わず両手を合わせてしまいそうな清らかな空気を感じます。病気治癒への眼に見えないパワーが宿っているのでしょう。

弘法大師の彫った像はその後、鹿子の木が枯れて像の腐食が進んだため初代の像(現在は二代目の像が直ぐ傍に彫られています)は近くのお堂の中で保存されています。現在の二代目の像は、隣の鹿子の木に讃岐の仏師・凡海氏(ぼんかい、本名 荻田文昭氏)が彫られています。

海を渡った生き木地蔵

海を渡った生き木地蔵

写真:大地 優風人

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元々自生する木の幹に彫る生木地蔵、奈良時代以降、仏教を広めるため各地に作られていました。当時は仏師ではなく、修験者ら素人が手がけたとされていますが、現存するものは稀でほとんど残っていません。それほど貴重で珍しい地蔵なのです。讃岐の凡海氏は独学で仏像彫刻を始めていましたが、四国中央市の切山地区で約300年前の朽ちた作と出会います。庶民に守られ根付いて来た仏像の姿に心を打たれ2代目の制作に手掛けたと云う事です。

凡海氏に海外からの要請があったのは2010年。世界の巡礼文化を象徴する町でもある、スペイン・モリナセカのアルフォンソ・アリアス・バルボア町長が、四国霊場の世界遺産登録を目指すNPOの招きで来日していました。凡海さんの生木地蔵を見て「私たちの町にも彫ってもらえないか」と熱望します。国は違えども宗教観はやはり相通ずる部分があったという事の証明です。

「仏教を通じて世界中の人に四国遍路や仏教文化を知ってもらうきっかけになれば」との思いから、スペイン・モリナセカ町長の要請を受け、世界遺産”サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(キリスト教巡礼路)”で仏師:凡海氏は生きたクルミの木に観音像を彫り上げました。実際、中々スペインまで訪れる事は難しいですが、この切山地区で不思議な地蔵を是非ご覧になって頂く事をお勧めします。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
源平の合戦以来、悲運の途を辿った平氏一族。全国各地に点在する落人伝説ではありますが、その真偽の程はほとんど明らかにされていません。ベールに包まれた安住無き彼らの生活、悲壮感漂う落人達の足跡。想像と空想をフルに働かせて歩かせてくれる魅力ある切山地区ですが、実は地元の人も知らない方が多いと言うのも驚きの地区なのです。

真鍋家住宅より車で約10分位の山林にひっそりと佇まれているお地蔵様。まるで母胎の中に抱かれている様にも感じさせてくれる生き木地蔵、そのお顔には気品があり、柔和な表情がとても印象的です。木の命を宿した仏像はきっと訪れる人の心を響かせてくれるはず。歴史好きで仏像に関心のある方には非常に魅力のある地区です。宿泊施設などはありませんが、お気軽に訪れてみられてはいかがでしょう。

切山地区に公共の交通機関はありません。マイカーもしくは最寄りのJR駅(川之江駅か伊予三島駅)からタクシー・レンタカーにての移動になります。時間にして30分くらいですが道中、道幅がとても狭くなりカーブの多い峠道になりますので運転にはくれぐれもご注意下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/01 訪問

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