スイッチバック駅で有名な長野「姨捨駅」から雪夜景を眺めよう!

スイッチバック駅で有名な長野「姨捨駅」から雪夜景を眺めよう!

更新日:2016/11/30 13:18

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「姨捨駅」は長野県千曲市に位置し、松本駅と長野駅を結ぶJR篠ノ井線の駅です。外観は日本の地方のどこにでもあるような無人駅ですが、「姨捨駅」の最大の特徴は、日本三大車窓に認定された眺めとスイッチバックがあること!そして「姨捨駅」北側の丘には眺望が非常に良い「姨捨公園」もあるため、駅、公園ともに夜景を見ることが可能!地域柄降雪が多い「姨捨駅」付近の雪夜景ビューポイントを紹介します。

まずは「姨捨駅」からの眺めを堪能!

まずは「姨捨駅」からの眺めを堪能!

写真:木村 優光

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「姨捨駅」は北側の冠着山の麓に位置するものの、駅構内の標高は約551mもあるため、非常に眺めがよく、善光寺平を見下ろすことができます。特に駅舎とは反対側に位置する東側のホームからは、大パノラマの善光寺平を見渡すことが可能!

写真をじっくり見ていただければわかるとおり、ホームのベンチが線路側ではなく、眺めの良い善光寺平の方角を向いていることがわかります。これは「姨捨駅」が日本三大車窓に認定されたことにより、「姨捨駅」を訪問する方にも素晴らしい眺めを見てもらいたいという計らいから!

特に空気の澄んだ冬場の夕刻時は、善光寺平の方角が東であるにもかかわらず、蒼く染まった素晴らしい空を見ることができます。そして地域柄、降雪も多いため、写真のように駅ホームや線路内に雪が積もることも!

一旦スイッチバック線へ入線して「姨捨駅」に入線中の松本方面行き列車

一旦スイッチバック線へ入線して「姨捨駅」に入線中の松本方面行き列車

写真:木村 優光

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「姨捨駅」のもう一つの特徴としては、駅構内にスイッチバック機構があること!このJR篠ノ井線には「姨捨駅」のほかにもう1箇所、「桑ノ原信号場」と呼ばれるスイッチバックポイントがありますが、どちらも日本では非常に貴重な鉄道施設です。

なお、スイッチバック機構とは、傾斜が急な斜面に線路を引いてしまうと、列車が坂を上がる時に馬力が必要になってくるため、緩い斜面を利用して何回かに分けてジグザグに上っていく方法で、先頭と最後尾が逆転する運転方法のことを言います。

現代の列車には馬力があるため、「姨捨駅」周辺の勾配ですと、スイッチバックを必要とせずに難なく上ることができます。しかし「姨捨駅」自体がスイッチバックの中間に設けられているため、写真のように「姨捨駅」に停車する列車は、すべてスイッチバック機構を使用することになります。

「姨捨駅」西側のホームから、雪が積もった善光寺平の夜景を背景に、停車中の列車を撮影すると、雪国のローカル線らしい1枚に仕上がります。写真を撮る方は必写です!

「姨捨公園」最上部から眺める善光寺平の夜景に感動!

「姨捨公園」最上部から眺める善光寺平の夜景に感動!

写真:木村 優光

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「姨捨駅」の北側にはポッコリとした丘がありますが、これこそが「姨捨公園」!公園入口が非常にわかりにくい場所にあるため、初めて訪問する場合はアクセスに苦労しますが、「姨捨駅」ホームの北側にある、小さい構内踏切を渡ると、こじんまりとした「姨捨公園」入口が現れます。

夕刻以降の時間帯ですと、外灯があまりないため、園内へ踏み入れるのに少し勇気が要りますが、暗い個所は公園入口から50m先のみ!足を進めれば急に視界が開け、善光寺平の素晴らしい眺めを見下ろすことができます。なお公園入口は坂になっているため、積雪時は滑らないように注意しましょう。

園内にはベンチ、そしてなぜか土俵がありますが、さらに最上部へ向かう階段があるので、積雪で滑らないように上ってみましょう。最上部はそれほど広いエリアではありませんが、見下ろす善光寺平の夜景はピカイチ!街並みに積もった雪が外灯を反射させ、普段とはひと味も違った夜景を見ることができます。そのため、極寒の寒さにも関わらず、しばらく見続けたくなります。

哀愁漂う夜の「姨捨駅」構内

哀愁漂う夜の「姨捨駅」構内

写真:木村 優光

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「姨捨駅」周辺の良さは、目の前に広がる善光寺平の夜景だけではありません!ローカル線の雰囲気を醸し出す「姨捨駅」構内は最高のロケーション!特に松本方面へ向かうレールの先には、本線と合流するポイントがあり、時折通過していく特急列車により姨捨駅が忘れ去られたかのような感覚に浸ります。

そして駅構内の長野方面はスイッチバック構造により車止めとなっていて、駅ホームからはみ出して停車する列車は稀に貨物列車が運転停車するくらいで、基本的に定期の旅客列車には存在しません。そのため松本方面の眺めよりも寂しさは増すでしょう。

特に積雪の日の夜には最高のローカルムード満点!寒さと言い人気のなさと言い、最高のローカルムードを味わうことができます。かつて昭和の時代に日本中に存在したローカル駅の雰囲気を、身体全体で感じることができるため、今となっては大変貴重な「姨捨駅」です。

「姨捨駅」へのアクセスは電車が容易ですが・・・

JR篠ノ井線はその区間の列車本数が1時間に1本ほどで、列車本数が多いとは言えません。そのため可能であれば車訪問をオススメします。車訪問ですと長野自動車道の姨捨サービスエリアに設けられた、スマート出口を利用すると非常に便利です。

なお、写真のような真冬に車での訪問の場合は、スノータイヤが必須となります。ノーマルタイヤですと坂が多い姨捨周辺ではスリップなどで事故を起こす可能性がありますので、必ずスノータイヤを装着して、ゆっくりとした速度で訪問しましょう。

真冬以外にも「姨捨駅」周辺は初日の出から始まり、桜、棚田の水張り、夏山、紅葉など、多岐に渡って季節を体験できるエリアです。いつ訪問しても感動を覚えること間違いなし!

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/02/13 訪問

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