今も残るスイッチバック+冬は「排雪列車」も走る!…新潟県上越豪雪地帯の旅〜JR信越本線乗り撮り歩き

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今も残るスイッチバック+冬は「排雪列車」も走る!…新潟県上越豪雪地帯の旅〜JR信越本線乗り撮り歩き

今も残るスイッチバック+冬は「排雪列車」も走る!…新潟県上越豪雪地帯の旅〜JR信越本線乗り撮り歩き

更新日:2015/02/03 11:14

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター

日本有数の豪雪地帯として知られる新潟県の上越地方。長野県との県境に近い妙高市一帯は長閑な風景が広がり、今や珍しくなったスイッチバックもあり、思い思いに鉄道の旅が楽しめます。四季折々それぞれ楽しみがあるのですが、この沿線に特に鉄道ファンの熱い注目が集まるのは冬場!珍しい“排雪列車”が走るんです!今回は信越本線の直江津から妙高高原までの鉄道の旅をご紹介します。

新幹線開業前の鉄道原風景を記録して…直江津駅から高田平野を南下

新幹線開業前の鉄道原風景を記録して…直江津駅から高田平野を南下

写真:もんT

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今回の旅の始まりは直江津駅。日本海に近いこの駅は、北陸本線と信越本線とが交わる鉄道交通の要衝であり、JR東日本とJR西日本の境界駅でもあります。北陸路を行き交う特急列車はここで必ず小停車します。
しかし、この風景も2015年の北陸新幹線開業でずいぶんと変わることでしょう。新幹線のターミナル上越妙高駅はここから内陸へ10キロほど入った脇野田駅近くに開業します。
直江津駅が今のような賑わいを見せるのもあとわずか…。
消え行く鉄道原風景はぜひとも今のうちに記録しておきましょう。

ここから信越本線の妙高高原・長野方面を目指します。
妙高高原方面は普通列車ばかりなのですが、「妙高号」と表記されている普通列車(1日3往復)はお勧め!
この列車、長野新幹線が開通するまで信越本線を走っていた特急「あさま」の車両を使用しています。
うまく「妙高号」の時間に合わせると、ちょっぴり優雅な旅ができます。
昔を知る人は、かつて特急列車が行き交っていたころの信越本線を思い出しますね…。
事前に列車の時刻をよく確認してから出かけましょう。

一駅目の春日山駅近辺からは進行方向右手にかつて上杉謙信の居城があった春日山が見えます。
しばらくは高田平野の中を快走…。
やがて右手に2015年開業予定の北陸新幹線の高架橋と上越妙高駅が…。
上越妙高駅は脇野田駅から西に100メートルちょっと。新幹線の開業に合わせるように脇野田駅はその前後の線路ごと移動して、上越妙高駅に“吸収”される形になります。
移設前の脇野田駅や車窓の風景も今のうち…。しっかり思い出に焼き付けておきたいですね。
なお新幹線開業にともなって、今回旅する信越本線の直江津〜妙高高原は「えちごトキめき鉄道」としてJRから経営分離されます。

今も残るスイッチバック…二本木駅で途中下車

今も残るスイッチバック…二本木駅で途中下車

写真:もんT

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新井駅を過ぎると、列車は山間へと分け入るように進んでいきます。
このあたりから冬場は積雪量が多くなります。勾配もきつくなるので、鉄道にとって昔はちょっとした難所でした。
次の二本木駅はまさにその名残をとどめている駅です。
駅に近づいたら、進行方向右手によく注目しましょう。二本木駅を右にちらっと見て電車はそのまま行き過ぎてから、やがて止まります。それから…ゆっくりとバック運転で駅ホームへと進入していきます。そしてしばしの停車後、今度はその先の上り勾配に向かって助走をつけるかのようにして発車していきます。
かつて特急列車はスイッチバックを使わないで、スピードに乗って勢いよくこの勾配区間を通過していました。

今ではこの区間を走るのは普通列車だけとなり、すっかりローカル線になってしまったのですが、だからこそ味わえる信越本線の原風景ですね。
妙高高原までの線路は単線であるため、ここ二本木駅で上下の列車交換もよく行われます。時間があれば下車して、駅ホームの先端(妙高高原寄りの南端)からスイッチバックの様子をじっくり観察してみましょう。
ダイヤによってはスイッチバックで入ってくる電車と妙高高原方面から勾配を下ってくる電車の両方を同時にファインダーにおさめることができます。ビデオで撮るのも面白いでしょう。お勧めのお手軽撮影ポイントです。

日本で今やここだけ!“特雪”を撮れるか?…関山駅で途中下車

日本で今やここだけ!“特雪”を撮れるか?…関山駅で途中下車

写真:もんT

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次の関山駅もかつてはスイッチバック駅でした。現在は使われていないものの、引込み線の形でその跡は残っています。

実はこの一帯、真冬の豪雪時に鉄道ファンの注目が集まるんです。
日本では今やここだけ!となった「特殊排雪列車」、略して“特雪”が走ります。

「排雪列車」とは、線路の除雪を目的に運行される列車で、除雪用の特殊なヘッドを取り付けたディーゼル機関車のことです。
雪国では、こうした除雪車両によって、毎日の列車の運行が確保されているのです。
それでも、ここ信越本線の直江津〜妙高高原の区間は、全国でも特に積雪の多いところ。毎日の「定期排雪列車」では手に負えないほどの“どか雪”が降り続いた後には、「特殊排雪列車」の登場です!
現在は全国でここだけ、もう2両しか存在しないDD14という機関車がロータリーヘッドをつけて、線路際の雪壁も崩しながら雪をかき集め、豪快に線路脇へ投雪します。

この特別な作業、大雪が何日か続いて線路脇の雪壁がかなりの高さになったときに、行われます。その姿が見られるのは一冬にほんの数回…。
それで“特雪”が運転されるかも…というときは、全国からコアな鉄道ファンがその雄姿を一目見ようと集まります。中でもここ関山駅周辺は雪も多く、すばらしいロケーションもあいまって、最もにぎわう場所です。

運転日やダイヤは非公開、しかも天候しだいなので、“特雪”を見たい!という場合は自分で予想して出かけるしかありません…。
運転される場合は、早朝、通勤・通学の時間帯の前に直江津駅東の車庫から出て行き、二本木駅にてしばし待機…、二本木駅7時半頃の上下普通列車を退避してから、妙高高原に向かって本格的な作業に入ります。作業が順調であれば、妙高高原には9時前に到着し、9時10分頃には直江津方面に向けて戻っていきます。

どうしてもこの貴重な列車を一目見たい!という人は、晩秋に行われる試運転をねらうのが良いかも…。
こちらも運転日やダイヤは公表されませんが、例年、勤労感謝の日の祝日付近の平日に3日間、直江津駅から黒姫駅までを往復します。
「運転された!」という目撃情報を個人のブログや鉄道ファン向けのインターネット掲示板、あるいはニュース報道などでキャッチできたら、おそらく続けてあと平日2日間は可能性あり!
なお、試運転の時は関山駅に例年では9:55頃にやって来ます。

日本ではもはや絶滅寸前の希少価値のある車両…。チャンスがあればぜひ記録におさめて!

妙高の山々の懐…妙高高原駅へ

妙高の山々の懐…妙高高原駅へ

写真:もんT

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進行方向右手に妙高の山々を見ながらさらに南下すると、県境の駅妙高高原に到着です。
駅のすぐ先、関川を渡るとそこはもう長野県。
周辺のスキー場や温泉に向かう観光客にとってはこの駅がターミナル。路線バスや周遊バスでそれぞれの目的地へと向かいます。
しかし、駅近くにも見逃せない観光スポットが…。
駅から歩いて10分ほどの距離に妙高温泉があります。
立ち寄り入浴ができる旅館やホテル、そして共同浴場もあるので、ここで疲れを癒すのも良いでしょう。
利用時間や料金は、妙高温泉観光協会のウェブページで確認できます。

温泉に加えて、ここでのお勧めは妙高そば。
すぐ駅前に評判のお蕎麦屋さんが2軒並んでいます。

○ 加藤そば屋
   営業時間 11:00〜18:00(定休日:水曜日)
   もりそば ¥490 大盛りそば ¥530 など

○ きくや高原そば
   営業時間 10:00〜16:30(定休日:水曜日)
   高原そばのざるそば ¥800 など

旅の締めくくりに、ここでぜひ、おいしい妙高そばを味わって!

旅のまとめ

かつては首都圏と新潟を結ぶ大動脈であった信越本線。新幹線などの開業と共に、今や完全なローカル路線となってしまった感があります。しかしそれがまた何よりの魅力…。
それにこれほどの豪雪地帯であるのに、冬でも列車は走る…。
その運行を陰で支える「排雪列車」にも注目です。
今回旅した直江津〜妙高高原の区間は、今後は経営も地元に委ねられ、大きな変化が予想されます。今しか味わえない鉄道の旅を、ぜひ思い思いに楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/03 訪問

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