若草山は、大仏様で知られている東大寺の東に位置する標高342m、面積33haの山です、直線距離でJR奈良駅からは約2.5Km、近鉄奈良駅からは約2Kmほど東の場所にあります。
山全体が芝生でおおわれており、三つの笠を重ねたようなので三笠山ともいい、芝(ノシバ)で覆われた、のどかな小山で、山内のあちらこちらで鹿を見ることができます。春には桜、初夏には新緑、秋には紅葉、ススキと四季折々の自然を楽しむことができます。
徒歩で行くと、山麓ゲートから山の斜面に作られた遊歩道を登って40分〜50分位で山頂へ到着します。ずっと登り道なので、途中だんだん見えてくる奈良市街を眺めながら休み休み歩いていくとよいです。車なら、東大寺大仏殿裏から若草山山頂までの新若草山ドライブウェイを使って山頂駐車場まで行くことができます。
上の写真は奈良県庁屋上から遠目に眺めた「若草山」で、左手に東大寺の大仏殿も見ることができます。
江戸時代から続く奈良の伝統行事「若草山山焼き」は、春日大社、東大寺、興福寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、さらには奈良全体の防災と世界の人々との平安を祈るものです。毎年1月の第4土曜日に実施されています。18時半から山肌の芝に一斉に点火が始まります。
若草山焼き行事の起源には諸説あります。
(1)三社寺(春日大社・興福寺・東大寺)に伝わる、若草山頂にある前方後円墳の霊魂を鎮める杣人の祭礼説
(2)若草山を年内もしくは翌年の1月頃までに焼かなければ、翌年に何か不祥事件が起こると考えられていた説
(3)若草山一帯をめぐる春日大社・興福寺と東大寺の領地争いがもとであるなどの説
(4)春の芽生えを良くするための原始的な野焼きの遺風を伝えたものであるという説
このような歴史を感じながら山焼きを鑑賞する一番のおすすめスポットは、若草山の山麓商店街に近い南東の山麓の斜面です。山焼きを目の前に見ることができる人気スポットなので、多くの見学者が早い時間から山焼きを待っています。
山焼きが始まり、夜空を赤く染め、山全体が浮かび上がる姿は壮観です
山焼きの少し前の18時15分ころから「山焼きの合図」の花火の打ち上げが始まります。わずか15分間に600発もの花火が打ち上がり、真冬の夜空に次々と「花」が開きます。真夏の花火の華やかさとは違い、めったに見ることのできない真冬の花火は、静かな澄みきった冬の夜に、厳かな雰囲気をも漂わせながら、鮮やかな光と色で輝きます。
若草山の山麓商店街に近い、南東の斜面の目の前若草山の山頂付近から飛び出す花火は、山麓の斜面にいると打ち上げ音がほぼ同時に聞こえ、2〜3秒後に頭の真上で「ドッカ−ン」と、花開く感じに見えます。
真冬の夜空に花開く、「菊」や「牡丹」の大輪の輪の「打ち上げ花火」は大迫力です。
若草山山頂からの「夜景」は、新日本三大夜景として知られていますが、山焼き当日のこの時間帯は山頂には入ることはできません、でも山麓の見物エリアになっている斜面の一番高い場所まで上がると、奈良の市街地の夜景を眺めることができます。山麓では、屋台が出て、音楽のイベントなども行われていて、山焼き、花火とともに真冬の夜を楽しむこともできます。
山麓商店街に近い南東の山麓の斜面の他に、鑑賞スポットはいろいろとあります。
若草山近くなら奈良公園の、新公会堂前、春日野園地、飛火野周辺に、山焼き前から大勢の見学者が集まって来ていますが、敷地が広いので、ゆっくりと見学するスポットとしてはおすすめです。
少し遠くから見る絶好の場所は、まず、近鉄大和西大寺駅近くの平城京跡です、朱雀門の背後に若草山を眺めることができます。また、近鉄西ノ京駅近くの西ノ京大池〔勝間田池)からは、薬師寺の両塔の背後に若草山を眺めることができ、どちらも山焼きと花火と古都の建物を一緒に見ることができる人気スポットです。
これらの鑑賞スポットから眺める「真冬の花火」は、どこでも大迫力を感じることができます。毎年いろいろな場所から見学してみませんか?
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