夜明け前、日和山海岸沿いの山に霧が押し寄せ、溢れるように海に向かって流れ出します。その様子が滝の流れに見える事から滝霧とも呼ばれ、どんどん海へ流れ広がって行きます。やがて海面に霧が立ち込め、朝陽が射し始めると海岸はもう幻想の世界!これだけでも感動を覚えるのですが、ご覧になって頂きたいのはそれだけではありません。
日和山海岸の僅か沖合700mの地点に後ヶ島(のちがしま)と言う小さな島があります。後ヶ島には1950年、龍宮城のような東屋が建てられました。昔は島の伝承の為お茶会が催されたり、船で渡って遊ぶことが出来ました。現在では東屋だけが残っているだけなんですが、この後ヶ島こそがあの御伽草子にある浦島太郎の伝説の地、乙姫からもらった玉手箱を開けてしまった島だったんです。そんな伝説が蘇るような光景が眼の前に広がります。海霧が後ヶ島を包み込み、霧の中から龍宮城が見えたり、隠れたり。こんな不思議な光景は中々見られませんよ!
乙姫からもらった玉手箱、開けた浦島太郎が老人になってしまった話は誰もが知っている御伽草子です。しかしこの地に古くから伝わる話では、浦島太郎は永遠の命が与えられて乙姫と再会していたという伝説。そんなラブ・ロマンスのうわさが広まり、後ヶ島を訪れるカップルが年々増えています。
この後ヶ島ですが、海霧に覆われ幻想的な世界が見られるのは11月〜1月初旬の早朝。自然現象ですので必ず見られる保証はありませんが、眼にする事が出来た時の感動は絶対、言葉を忘れてしまうはず!
この後ヶ島に近い岸には城崎マリンワールド(水族館)があります。龍宮城の東屋を建てたのがこの城崎マリンワールドです。こちらからも龍宮城が違った角度で見えますので、水族館を楽しみながら沖の絶景を眺めるのもお勧めですよ。
城崎マリンワールド インフォメーション (2016年12月現在)
開園時間 9:00〜5:00(GW,夏期,お盆期間は時間が変更になる為,HPを確認して下さい。
入園料金 大人2470円 小人1230円
駐車場 有料 乗用車 700円/1日
ゴッホやモネなどの画家に影響を与えたとされる浮世絵師歌川広重も絶賛し、ここ竹野浜海岸の絵を描いています。日本海に向かって竹野浜に立ち、左岸の先端を見て下さい。何と!キューピーが寝転んでいる姿にそっくりの猫崎半島。みなさん、思わず顔がほころんでしまいます!猫崎半島を眺望する位置は竹野浜海水浴場ではなく、なだらかな傾斜が続く対岸の位置から望んで下さい。眼下に見事な絶景広がり、浮世絵師歌川広重が描いたのもうなずいて頂けるはずです。
竹野浜、猫崎半島から西へ車で約15分の位置に切浜地区漁港があるのですが、その漁港を通り過ぎ、一つ目のトンネル手前の海岸にとても奇妙な岩を見ることが出来ます。この岩が「天然記念物 はさかり岩」。かなりの大きさですが、少し判りにくい位置にありますので何気なく車を運転していると見過してしまいます。看板と駐車スペースが目標、トンネルが見えると注意していて下さい。
実はこの岩、大昔海蝕洞(洞窟)だった頃の天井が落ちて岩がそのまま挟まった状態で、洞が崩壊する途中の姿を留める奇岩です。そしてこの地方では「挟まる」ことを「はさかる」と発音するところから「はさかり岩」と呼ばれるようになりました。この奇岩を見ますと、両脇の切り立った岩の間に球状の岩がしっかりと挟まり落下しません。落ちない岩から、受験生や就活にご利益があると最近では人気急上昇!それに加え、岩と岩が支え合うことから今度は恋愛成就や子宝祈願でも注目を浴びているのです。
いかがでしたでしょうか?
日本海が形成された時に出来た貴重な地形・地質遺産を数多く観察出来る海岸として世界ジオパークネットワークに認定された山陰ジオパーク。美しい海岸線が鳥取県から京都府まで広範囲に続きます。その中で今回ご紹介したエリアが日和山海岸と竹野浜海岸です。これほど珍しく自然美に富んだ海岸線は他にもそう多くありません。
四季それぞれの楽しみ方がありますが、人気のある食材松葉ガニの旬が本格的に始まる12月が絶景の旬の季節でもあります。浦島太郎の伝説有り、奇岩のご利益有り。そして極寒の季節、日和山海岸から車でわずか15分の距離にある城崎温泉の外湯めぐりが良いでしょう。冷え切った身体が湯に浸かったら、龍宮城気分さながら。帰るのを忘れるかもしれません。
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(2024/4/20更新)
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