写真:阿部 吾郎
地図を見る寒風山は太古の火山活動によってできた標高355mの山で、男鹿半島の付け根の部分に位置する。それほど高い山ではないが、周囲が平地であるため眺めがよく、山頂には昭和39年にオープンした回転展望台がある。
写真:阿部 吾郎
地図を見る展望台からは大潟村干拓地が一望できる。八郎潟は、日本第2位の湖だったが、昭和32年から国の直轄事業として干拓工事が行われた。上の写真の右の方にあるのは日本海(男鹿半島の付け根のくびれている部分)、左の奥の方にかすかに見えているのが八郎潟残存湖である。干拓工事は852億円という巨額な費用と20年もの歳月をかけて完成した。干拓によってできた大潟村は、海抜0メートル地帯で総延長52kmの堤防で囲われている。
風になびくススキ、広大な平野と海、そして残存湖、単純に見て美しい風景だが、大潟村の成り立ちを知るとまた違ったものも見えてくる――いろいろな意味でフォトジェニックな風景だ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る回転展望台から東側を見た風景が、先ほどの大潟村の写真なのだが、西側を見たのが上の写真だ。一見、何の変哲もない広場のようにも見えるが、周囲を丘に囲まれているのがわかるだろう。寒風山は小さな火山であり、これはその火口跡だ。
男鹿半島は、もともと火山地帯で、一ノ目潟、二ノ目潟といった爆裂火口にできた淡水湖や、爆裂火口に海水が浸入してできた戸賀湾などがある。
写真:阿部 吾郎
地図を見る男鹿半島の最北端に位置する「入道崎」、灯台の向こうには断崖、その先に水平線が広がる。一方、ここはお土産店や食堂が並び、男鹿半島を1周するドライブの起点ともなっている。なお、この入道崎灯台は「日本の灯台50選」に選ばれている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る入道崎は、北緯40度のライン上に位置しており、それを表すモニュメントが設置されている。なお、北緯40度は、ローマ、マドリード、北京、サンフランシスコ、ニューヨークなど、世界的に有名な都市があるラインとして知られている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る崖の向こうには、荒々しい日本海の海が広がっている。男鹿半島の最北端だけあって、海の向こうに陸地は全く見えない。この海のはるか先にはロシアのウラジオストクがある。
写真:阿部 吾郎
地図を見る入道崎から海沿いの道を車で30分ほど走った、男鹿半島の南西部にある「赤神神社五社堂」。鬼が築いたという伝説のある999段の石段を登りきらないと、五社堂を見ることはできない。自然の石を並べただけの石段で、石の形もバラバラ、段差も不揃いで非常に登りにくく、かなりの体力が必要だ。しかし、景観としては非常に趣があるので、風景を楽しみながらゆっくり登るのがお勧めだ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る石段を登りきると、この光景が目に入ってくる。向かって右側から、三の宮堂、客人権現堂、赤神権現堂、八王子堂、十禅師堂で、中央の赤神権現堂だけがやや大きく、これを中心に左右対称に並んでいる。山中に、同形式の社がこのように5棟並んでいるのは極めて珍しい。
上の写真でも、左右の端が少し欠けてしまっている。これ以上後ろにはさがれないので、完全に5つの社を写真に収めるには広角レンズが必要だ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る赤神とは、漢の武帝が神となって飛来したもので、赤神神社の起源は、平安時代の西暦860年にまで遡る。今の社殿は、秋田藩主の佐竹氏によって、江戸時代中期に建て替えられたものだ。赤神神社は男鹿半島の歴史の古さを物語っている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る赤神神社五社堂から車ですぐの場所にある「塩瀬崎」。ゴツゴツとした岩場の一角に「ゴジラ岩」がある。
写真:阿部 吾郎
地図を見る夕暮れ時、ゴジラの口の部分に夕日が来ると、ゴジラが火を噴いているように見えることで知られている。テレビコマーシャルに使われて一時話題になり、男鹿半島の新たな名所となっている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る塩瀬崎は、もともとこの「帆掛島」で有名である。帆掛け船の形に似ている事からその名が付いた、巨大な一枚岩である。秋田市内の海辺からもその姿が見える。
写真:阿部 吾郎
地図を見る最後は、男鹿半島内の3か所にある、完成度の高い巨大なまはげ像をご紹介しよう。どれも本当によく出来ているので、記念撮影スポットとして持って来いだ。
まず最初は、男鹿温泉郷の入口に立っているなまはげ像だ。「泣く子はいねーかー」という声が今にも聞こえてきそうなリアルな出来栄えだ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る続いては、赤神神社やゴジラ岩のある男鹿半島南西部にある門前地区のなまはげ像だ。こちらは、なまはげというか赤鬼といった感じで、今にも襲い掛かって来そうな迫力がある。
写真:阿部 吾郎
地図を見る3つ目は、寒風山の南側、JR船越駅近くの男鹿総合観光案内所にある2体のなまはげ像だ。国道7号線を走る車をにらみつけるように立っており、ドライブ中に見てもインパクトが大きい。
男鹿半島のフォトジェニックなスポットをまとめてみたが、いかがだっただろうか?男鹿半島は、かつて火山活動がさかんだったこともあり、地形的にユニークな場所が多く、これがフォトジェニックな景観が多い一つの理由となっている。また、赤神神社に代表されるように歴史が古く、なまはげを生み出した独特の文化があり、とても魅力的な場所となっている。
男鹿半島だけをゆっくり時間をかけて巡る機会は、地元の方でない限り、なかなかないと思う。しかし、ここまで述べてきたように、非常に魅力的な土地であり、食べ物もおいしいので、是非じっくり訪れていただきたいと思う。
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この記事を書いたナビゲーター
阿部 吾郎
「見た人がそこに行きたくなる写真」をテーマに写真を撮っています。私の写真を見て「わー、ここ行ってみたい!」と思っていただければ望外の幸せです。好きなものは、旅・歴史・古い町並み・猫・花・おいしい食べ物…
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