写真:阿部 吾郎
地図を見る「御釜」へは、蔵王エコーラインと有料道路の蔵王ハイラインを使って車で行くことになる。この道路は、例年11月上旬から4月下旬ごろまで雪で閉鎖される。御釜を見ることができるのは、この道路が通行可能な春から秋にかけてのみである。この間、土日祝日限定ながら、白石蔵王駅から宮城交通のバスも運行している。
蔵王ハイラインの終点には広い駐車場があり、蔵王山頂レストハウスの建物がある。レストラン、売店、休憩スペースなどがあるこの建物から、すぐのところに展望台がある。ここからの風景が上の写真だ。御釜のへりの一番高くなっている部分が蔵王五色岳の山頂である。
写真:阿部 吾郎
地図を見るこちらは同じ展望台から望遠レンズで撮影したものだ。以前は、手前に写っている柵に沿ってカルデラ湖の近くまで行けたのだが、2013年以来蔵王山の火山活動が活発になってきており、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)が発令されており、近づけなくなっている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る時間が無い団体ツアーなどでは、正面の展望台のところで記念撮影をして終わりというケースもあるだろう。
御釜がある蔵王五色岳の左側には熊野岳、右側には刈田岳がある。正面の展望台に加え、この左右の山から御釜を眺めることができる。御釜は、もともと火口なのでいびつな形をしており、どの方向から眺めるかによって、その表情を変える。
熊野岳の山頂に行くには、馬の背と呼ばれる尾根道を通り1時間ほどかかる。岩がごろごろと転がる登り坂で、ここを歩くにはトレッキングシューズなどある程度の準備が必要だ。
そこまで行かなくても、本格的な登山道にさしかかるあたりまで登れば、上の写真のような風景を見ることができる。湖の左側に切れ目があり、ここから水が流れ込む様子がはっきり見えるのが、ここからの風景のポイントだ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る熊野岳に向かう道の途中には、このような看板が立っている。御岳山噴火で多くの登山客が被害に遭った例もあるので、念のために避難場所やルートについては頭に入れておこう。
写真:阿部 吾郎
地図を見る続いて、右側の刈田岳山頂を目指そう。山頂を目指すというと大変そうだが、実はこちらの方は意外と近いのだ。レストハウスのところから右側に伸びている坂道を5分ほど登ると、すぐに山頂に到着する。
ここからは、御釜の縁から水が流れた跡が独特の模様を描いている様が見えるのがポイントだ。秋には、手前の斜面に自生する南天のような植物の赤い実が、いいアクセントになる。
向う側には、先ほどご紹介した馬の背が見える。
写真:阿部 吾郎
地図を見る刈田岳山頂への坂道は、長くはないが、傾斜はきつい。登って行くと、左手に御釜が見えてくるので、途中の景色を楽しみながら、ゆっくり登ろう。
写真:阿部 吾郎
地図を見る刈田岳山頂の標柱。
写真:阿部 吾郎
地図を見る刈田岳の山頂は、ちょっとした広場のようになっており、中心に伊達宗高公の記念碑が立てられている。伊達正宗の七男で、刈田岳の大噴火の際、苦しむ領民の姿を見てなんとかこれを鎮めようと、危険を顧みず噴煙にむせびながらもこの地で請願をかけた結果、噴火が治まったという。
記念碑の一部が欠けており、ヒビも入っている。これは落雷によるものだ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る山頂からは、遠くの山々や市街地が見渡せる。
写真:阿部 吾郎
地図を見る山頂には、蔵王刈田峰神社奥宮がある。蔵王は、古くから修験道の聖地となっており、この宮には修験道の神、蔵王権現が祀られている。ご神体は冬季閉鎖期間中、刈田温泉街にある蔵王刈田峰神社に移される。
写真:阿部 吾郎
地図を見るさて、御釜の絶景を満喫したら、最後に蔵王山頂レストハウスで、「お釜カツ丼」(900円)を食べて帰ろう。味は普通のかつ丼だが、お釜に盛り付けれれており、「名物を食べた!」とう満足感はある。値段もお手頃で、おすすめである。
蔵王山頂レストハウス
<基本情報>
住所:宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有林地内
電話番号:090-3022-1186
アクセス:蔵王エコーライン終点の駐車場からすぐ
営業時間:9:00〜16:30
*蔵王エコーラインが通行可能な4月下旬〜11月上旬のみ営業
2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
ただ御釜を見て帰るだけと考えると、現地でそんなに多くの時間はいらないと考えるかもしれない。しかし、ご紹介した通り、御釜は見る角度によって様々な表情を見せてくれる。是非とも、ゆっくり時間を取ってその絶景を存分に楽しみ、お釜カツ丼も食べて満喫していただきたい。
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(2024/12/3更新)
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