写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る昔ながらの風情が残る嬉野温泉にある山水グローバルインは、ビジネスホテルをリノベーションした宿。設備やサービスの面では温泉旅館とビジネスホテルの中間のような宿ですが、「アート」という明確なテーマを持っています。
エントランス脇にある黄色い背景が目立つ絵は、BAKIBAKI(山尾光平)氏の作品。TOYOTAやNIKEなど企業とコラボレーションした創作も多いアーティストです。
また、フロント横のお土産コーナーに並んでいる商品も素材やデザインが厳選されていますし、客室にも小さなアート作品が飾られています。
「アートがテーマの温泉宿」となれば、期待するのが風呂絵(お風呂の壁絵)ではないでしょうか。日本の銭湯では富士山の絵が描かれていることが多いですが、山水グローバルインの風呂絵は圧巻です。
まず、極彩色で描かれた風呂絵があるのが「西海」。洗い場側には大きく羽ばたく火の鳥が描かれているので、お風呂場に一歩入ると圧倒されてしまいます。
「西海」は、浴槽の壁三面にも鮮やかな絵が描かれています。外には露天風呂もあるので、戦国時代の武将やお姫様になったような贅沢気分で温泉に浸かれますよ。こちらは、東京と関西を拠点に世界で活動している2人組のアーティスト・DOPPELの作品。DOPPELの1人は、エントランスの作品を手掛けているBAKIBAKI氏です。
コンクリート打ちっぱなしの壁に緑一色で緻密に描かれている風呂絵があるのが、「有明」。こちらは「METROPOLIS」など極細素描画で知られる鈴木高男氏の作品です。近未来的な雰囲気で描かれる自然や建造物は、一筆一筆が直筆だとはにわかには信じられないスケールです。
なお、「ずっとアート風呂だとちょっと落ち着かないかも?」という心配は無用。シンプルな温泉に寝転べる露天風呂(寝湯)のついた「玄海」はシンプルなお風呂場です。また、家族風呂として貸切のできる檜風呂もあります。(1時間あたり税込2,160円・要予約)。
※「西海」「有明」「玄海」の3つのお風呂が、時間帯によって男女入替制になります。宿泊人数の少ない平日は、うち2つしか開放しない日もあります。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るアートを鑑賞しながら入る嬉野温泉。でも、山水グローバルインはそれだけではありません。「西海」の入口付近にあるのは飲める温泉。お風呂あがりのビールやサイダーもいいですが、温泉を飲むのもいいですね。硫黄臭さはなくクセのない味なので、小さな子どもでも飲めます。但し、飲みすぎるとお腹がゆるくなる場合があるので、1日にひしゃく1杯が目安だそうです。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るお風呂あがりの脱衣所に用意されているのは、嬉野温泉水を使った化粧水。一枚板をくりぬいた洗面台もアートの宿にふさわしい存在感なので、ここでゆっくり身づくろいをしてください。(この脱衣所は「西海」です)
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るそして翌朝、朝食に用意されているのが嬉野温泉名物の温泉豆腐。温泉水でつくる湯豆腐で、ふわふわとろとろ。温泉水で炊いたお粥に嬉野茶の茶葉を振りかける温泉茶粥もありますので、身体の芯から温まります。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る山水グローバルインでは、お風呂以外の場所もアートで溢れています。例えば、お風呂付近の階段の壁絵。狩集広洋氏の作品で、下書きなし、油性マジックでの一発描きなのだそう。上にあがるにつれてストーリー性を感じられる作品になっていますので、エレベーターだけでなくできればこちらの階段も使ってみてくださいね。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るお風呂場と反対側の階段の踊り場には、各階に大きな絵画作品が飾られています。この青い絵はグラフィックデザイナーや能面作家の経歴も持つSEISUI氏の作品。他の階は、BAKIBAKI氏とSTONE63氏の作品です。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るそして4階の本棚には美術に関係するたくさんの蔵書が。専門的な書籍ほか、昭和に発刊された美しい女優さんの写真集も揃っています。ちなみに2階の本棚は絵本や漫画、3階は旅行関係の本となっていますので、お好みの本が選べます。
さらに食堂には焼き物や工芸品のギャラリーがあり、販売もしているのでお気に入りを見つけたらスタッフに詳細を尋ねてみてください。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る朝食の温泉豆腐と温泉茶粥については先述しましたが、山水グローバルインの朝食はほかにもテーブル(ブッフェ台)に手作りのおかずがぎっしり並びます。洋食メニューは、ウインナーやスクランブルエッグ。さらにカレーまで用意されているので、ブッフェと言うよりもさながら合宿のよう。
ほっこりと心温まる、懐かしい味わいの朝食です。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るお茶の産地でもある嬉野なので、朝食のお茶もしっかり味わいましょう。日本茶だけでなく嬉野紅茶もあります。ジャスミン茶やコーヒーも入れると朝食だけでは飲みきれないほどですが、こちらのドリンクは滞在中はいつでも飲めますので、1日かけて制覇してみてください。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る朝食会場はテーブル席がほとんどですが、座敷席も少しあります。子連れの家族など座敷で食べたい人は、混雑する時間帯を避けて朝食の時間を設定してください。窓ガラスのアートにもご注目。
「アート風呂に入ってみたいけど、諸事情で泊まることができない」という方もご安心を。山水グローバルインでは、日帰り入浴も可能です。但し、「西海」「有明」「玄海」は男女入替制になっていますので、入りたいお風呂が決まっている場合は予め確認しておくことをおすすめします。
【料金】
月〜土:大人1,000円(中学生以上)、子ども500円(小学生以上)
日:大人600円(中学生以上)、子ども300円(小学生以上)
小学生未満は無料
【時間】
15時〜21時受付終了
【備考】
・バスタオルとフェイスタオル付き
・鍵がかかるロッカーなし
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※料金と営業時間は、2016年12月時点のものです。
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