アジアには、一度は訪れたい世界三大仏教遺跡が三つあります。インドネシアのボロブドゥル寺院遺跡群、ミャンマーのパガン遺跡、そしてここ、カンボジアのアンコール遺跡群です。
隣国であるアユタヤの侵攻の結果、放棄され忘れられて、密林の中で長い間眠っていましたが、1860年、フランス人によって発見されると一躍有名になりました。その後の過酷な内戦の時代を過ぎ、平和になった今、アンコール遺跡は世界も注目する人気の世界遺産になっています。
現在のカンボジアの国旗にはアンコールワットが中央に白く描かれています。カンボジアの国旗は何回かデザインが変更されていますが、アンコールワットは常に国旗に使用されてきました。カンボジアの顔・象徴ともいうべき建造物なのです。
アンコールワットの中の第一回廊の壁は「ラーマーヤナ」「天国と地獄」「乳海撹拌」などの説話や叙事詩の壁画で埋め尽くされています。事前にガイドブックなどで壁画に彫られた物語のあらすじを知っておけば、より楽しいのではないでしょうか。歩きながら絵を読んでいくと、物語が完成します。
アンコールワットのことは江戸時代の日本でも知られていて、右近太夫一房という日本人がここを訪れました。消されていて読み取りにくくはなっていますが、落書きを残しています。当時、カンボジアには日本人街があったため、他にも多くの日本人が訪れています。
この写真は第三回廊を下から眺めたものです。第三回廊にはアンコールワットの象徴である中央祠堂がありますが、そこまで行くには急階段を登らなければなりません。あまりの急角度に、この階段登れるの!?と思うかもしれません。この急な階段はそもそも人間用に作ったものではなく、神様用の階段なのです。この写真の階段は以前は登ることができましたが、事故が起きてしまったため、ここからは登ることはできなくなりました。
この写真の階段とは別のところに第三回廊に登る階段があります。同じような傾斜の急な階段ですが、登りやすいように整備されており、時間と人数限定、服装制限がありますが登ることができます。
アンコールワットに行ったら、建物の壁もじっくり眺めて下さい。そこかしこに「デヴァター」といわれる女性のレリーフがあるのがわかります。このデヴァター、女神像なのですが、彫りも細かく衣装や装身具も凝ったものです。女神の顔は、実際に王宮に仕えていた女官や踊り子をモデルにしたと言われています。王宮にいる女官や踊り子はさぞ容姿端麗だったことでしょう。
巨大なアンコールワットの中にはあちこちに、美女のデヴァターが存在します。中には歯をむきだした、「美人…?」というには微妙なものも。
アンジェリーナ・ジョリー主演の映画『トゥームレイダー』のロケ地といえば、密林の遺跡「タ・プローム」が有名ですが、ここアンコールワットでも正面左側の池から見た風景を、水上市場に見立てて使用されました。アンジェリーナ・ジョリー演じるララ・クロフトが小舟に乗って水上を移動する場面です。
実際のアンコールワット前の池はさほど広いわけではありませんが、映画では奥行きのある異国情緒あふれるにぎやかな場面に仕上がっています。
映画内で使用された密林の遺跡「タ・プローム」の紹介をLINEトラベルjp 旅行ガイド内でしていますので、よろしければ関連MEMOにいれた記事も併せてご覧下さい。
アンコールワットは西向きに建てられている為、逆光になる午前中の見学よりも午後からの見学が一般的です。電車やバスなどの公共交通機関がないのでトゥクトゥクやレンタサイクル、ツアー参加でまわることになります。カンボジアは一年中暑く、涼しい季節でも24〜30度はありますので、暑さ対策を万全に!
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