バイヨンとは「美しい塔」の意で、その名の通り、中央には観世音菩薩を彫り込んだ中央祠堂がそびえたっています。バイヨン寺院はアンコール朝の「中興の祖」、ジャヤバルマン7世がチャンパ(ベトナム)との戦争に勝利した記念に12世紀末くらい(日本でいえば平安時代〜鎌倉時代)から徐々に造営したものだと言われています。仏教とヒンドゥー教が融合した寺院で、遠くから見てもその堂々たる岩山のような威容に圧倒されてしまいます。
バイヨン寺院の建築には多くの時間が費やされ、ジャヤバルマン7世の代だけでは終わらずに、何代かに渡って造営されました。
バイヨン寺院にはジャヤバルマン7世がトンレサップ湖上でチャンパと戦争をした時の場面などが壁画になっています。当時の生活や市場の様子、樹木などの精緻な彫刻もあり、細かくびっしりと彫られています。
アンコールワットの壁画は宗教説話的な要素が強いですが、バイヨン寺院には庶民的なものが多く残されています。
バイヨン寺院はデヴァターというレリーフも見どころのひとつとなっています。
バイヨン寺院を建造した王様、ジャヤバルマン7世には王妃が二人いました。最初に結婚した妻は戦争中だったため、ろくに結婚生活もおくれずに、ジャヤバルマン7世が即位した直後に亡くなってしまいました。その後、前妻の姉妹である二人目の王妃と結婚するのですが、バイヨン寺院にはその姉妹王妃二人のレリーフが残っており、レリーフには、当時の状況が反映されています。二人目の王妃は平和になった後に結婚した為、そのレリーフは華やかな装飾で彩られています。
バイヨン寺院の特徴は、謎めいた微笑を浮かべる最大2m余の大きな顔が彫られた四面像です。観世音菩薩像を模していると言われており、通称「クメールの微笑」といいます。
バイヨン寺院では微笑を浮かべる大きな四面像が彫られた塔をあちこちで見かけますが、旅行パンフレットでよく使われている「クメールの微笑」がどこにあるかすぐわかります。この微笑みの前では、写真を撮ろうとする観光客で常に混雑しているからです。
バイヨン寺院近辺では、観光客と象使いを乗せた象が歩いているのを見ることができます。歩いて見学するのもいいですが、象に乗って高い位置から、かつての王様のように周りを眺めながら観光するのはいかがでしょうか。
王様の乗り物のような輿に観光客が乗り、右に左に軽く揺れながら、象はのしのしと遺跡の周りを歩いています。象に乗るには、南大門前からバイヨン東側入口までのルートとバイヨン東側入口からバイヨン寺院をぐるっと一周するルートの二通りあります。
バイヨンの周りでの象乗り体験は時間が決められていて、午前中しか乗ることができません。時間の都合で乗れない場合は、バイヨンから少し離れたところにあるプノン・バケンでも、午後から象専用の山道を象に乗って登るという体験をすることができます。
アンコールトムの中は広く、暑い中を歩いて回るのは困難です。暑いときには40度を超えることもあります。平坦な地形なので、トゥクトゥクや自転車などでもまわれますが、晴れた日中は30度くらいありますので、暑さ対策をお忘れなく!
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(2025/1/22更新)
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