写真:car min
地図を見るデュッセルドルフを州都に持つドイツ西部のノルトライン・ヴェストファーレン州の南、ケルンから約85Km程離れた場所に「フロイデンベルク(Freudenberg)」という人口1万8千人程の町があります。この町は紀元前500年から紀元後200年の間に最初に人が住んだ兆候があった歴史ある場所と考えられています。しかし、この町の特徴は古い町だというばかりではなく、その独特の町並みで有名です。
ドイツの木組みの家といえば、昔ながらの素朴なたたずまいや温かみのある茶系の色づかいを思い浮かべるのではないでしょうか。この「フロイデンベルク」も多くの木組みの家が整然と並んでいますが、他の場所と大きく違うのは白色の壁、黒・灰色の屋根と町全体がモノトーンで統一されているんです。まるでこの町だけ中世のメルヘンの世界に取り残されたようです。
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地図を見る「フロイデンベルク」は南北に平行に延びる3本の通りに約50軒程の家が整然と並んでいます。モノトーンの木組みの家は珍しいように思えますが、実は白い壁と灰色の屋根は伝統的な木組みの家の配色なんです。窓辺や玄関先に花が飾られるのはドイツでは日常でよく見られる光景ですが、家々が単色なだけに花の美しさが引き立ち、町全体が温かみのある雰囲気になっています。
そして、町の中心にこのような歴史的木組み建築を一堂に見られる場所は他に無いということで「国際的な重要性のある記念碑的建造物」として、ノルトライン・ヴェストファーレン州の地図書に記録されています。
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地図を見る「フロイデンベルク」は過去に二度大きな火災で町が焼失した歴史を持ちます。一度目は1540年に落雷による火災で城と町が焼失しました。そして再び1666年8月9日、激しい雷が町の上空を襲い、ある一軒の家に落雷すると「フロイデンベルク」の町と城は瞬く間に一軒の家だけを残し全焼してしまいました。
その後、その当時の領主Johann Moritz von Nassau-Siegen侯により1540年と同じレイアウトで町が復元されましたが、市民の家を再構築するために城の石を利用したので城は再建されませんでした。そして現在、17世紀の趣を残す町並みはおとぎ話のワンシーンのようにたたずんでいます。火災で唯一焼け残った家は現在も町の一番古い家としてケルナー通り3番地(Koelnerstr.3)に残っています。ツーリストインフォメーションのすぐ横に位置しているので町巡りの際にお見逃しなく!
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地図を見る町の中心となるマルクト通り(Marktstr.)を北へ歩きケルナー通りを東へ下って行くと、小高い丘「クア・パーク(Kur Park)」へ上る階段が現れます。階段の途中から町全体が見え、その美しさに立ち止まって写真を撮りたくなりますが、まずは丘の上まで上ってみてください。たどり着いた公園には町に向かってベンチが並んでいるので、そこに座って眼下に広がる景色を堪能してみてはどうでしょう。
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地図を見るモノトーンの家が同じ方角を向き、並んでいる様は壮観です。
一軒ずつは違う建物なのに高台から街全体をみるととても調和がとれていることに気づきます。春や夏は家並みと鮮やかな緑を背景に。秋は日本とはまた違った趣のあるドイツの紅葉とともに。そして冬の雪景色は雪の白色がモノトーンの町並みを更に美しく見せてくれます。写真好きの方には絶好の撮影スポットになることでしょう。
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地図を見る「フロイデンベルク」の町の中心、マルクト通りにはカフェやレストラン併設のホテルが並んでいるので散策の途中で立ち寄ってみてはどうでしょう。通りの中ほどにあるホテル「Zum Alten Flecken」には地元の人々で賑わうレストランもあり、普段のドイツ料理が楽しめます。写真のケーキは「Cafe Dorner」のもので、落ち着いた甘さのフルーツ・トルテやリンゴのケーキなど、香り高いコーヒーとともに楽しめます。
フロイデンベルクは他に見ない町並みから近年観光地として人気がでてきている町です。しかし、公共交通機関では電車とバスを乗り継いで訪ねることになるので時間に余裕を持って観光プランを組まれることをお勧めします。町の散策は1時間もあれば全体を見ることができますが、昼食をとったり、カフェで休憩をすると3時間ぐらい必要になります。古い中世風の町並みをゆったりとした時間の中で過ごしてみてはどうでしょうか。
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(2024/4/20更新)
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