コーカサス最大の町アゼルバイジャンの首都バクーの魅力を探る

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コーカサス最大の町アゼルバイジャンの首都バクーの魅力を探る

コーカサス最大の町アゼルバイジャンの首都バクーの魅力を探る

更新日:2016/12/20 09:33

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師

コーカサス三国の一つアゼルバイジャンは、他の2カ国がキリスト教国であるのに対し唯一イスラム教の国。
ソ連崩壊後独立した新しい国ですが、紀元前からの歴史を持つ古い国でもあり、バクー油田を始めとする豊富な天然資源が経済を支え、近代化が進んでいます。
首都バクーには旧市街に中世の宮殿が残る一方、新市街には近未来的なビルが続々と建設され活気に溢れています。
今回はそんな魅力的な町バクーをご紹介します。

バクーのランドマーク、火焔タワー(フレームタワー)

バクーのランドマーク、火焔タワー(フレームタワー)

写真:大竹 進

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バクーはアゼルバイジャンの首都で、世界最大の湖であるカスピ海の西岸に面しています。
アゼルバイジャンの経済を潤すバクー油田の油井が、沿岸のみならず湖の沖合まで各所に建設され壮観!石油櫓が村の数より多いと言われるゆえんです。

そのバクーのランドマークがこの火焔タワー。
バクーの高台に建てられたこの3つの超高層ビル群は、アゼルバイジャンの別名「火の国」を象徴するものでもあり、市内の何処からもその特徴ある姿を目にすることができます。

このユニークなデザインの火焔タワーはオフィス、マンション、ホテルとして使用されており、一度見たら絶対忘れないビルです。因みにこのビルのエレベーターが日本製というのは嬉しいですね。

バクーのランドマーク、火焔タワー(フレームタワー)

写真:大竹 進

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火焔タワーのある高台には殉教者の小道と呼ばれる公園があり、火焔タワーの威容を目の当たりにすることができます。

殉教者の小道とは、ソ連末期にバクーで起きた騒乱や、隣国アルメニアとの戦争の犠牲者を祀った場所で、慰霊のモニュメントなどがあります。公園は市内で最も高い所にあるので、公園内の展望台からはバクー市街やカスピ海を一望でき、市民の憩いの場所になっています。

バクーのランドマーク、火焔タワー(フレームタワー)

写真:大竹 進

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殉教者の小道の展望台からは火焔タワーは勿論、眼下にバクー市街そしてカスピ海を望むことができます。
カスピ海は日本とほぼ同じ371,000平方kmもの面積を持つ世界最大の湖ですが、湖面の標高は海面下のマイナス28mの塩湖で、この湖に流れ込んでいるのがヨーロッパ最長のヴォルガ川です。

いくら展望台からの眺めが良いとはいえ、世界最大の湖の対岸は400kmもの彼方にあり、とても見ることはできませんが、遥かかなたに広がる水平線を眺めていると、その広大さの一端に触れることができます。カスピ海に面したバクーの湖岸沿いには海岸公園が弧を描くように広がっていて、園内には遊園地もあれば、カフェも点在しています。

バクーとは「風の町」を意味するペルシャ語で、カスピ海から吹いてくる風が夏の夕方には心地よく感じられることと思います。

夜は火焔タワーのショータイム

夜は火焔タワーのショータイム

写真:大竹 進

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バクーのランドマーク、火焔タワー。
日が沈み夜が訪れると、その名前が実感できます。高さ190mもの巨大な炎が3つのビルを燃え上がる様は将に圧巻!世界各地の様々な建築物で、ライトアップやプロジェクションマッピングなどが行われていますが、これほど見事で斬新なライトアップはちょっと見られません。
ビルの中にいる人は大丈夫だろうか?と思わず心配してしまいそうになるほどの迫力です。

夜は火焔タワーのショータイム

写真:大竹 進

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火焔タワーのライトアップは炎だけではありません。炎の他にはアゼルバイジャンの国旗も登場します。正式な国旗は上から水色、赤、緑の三色が並び、赤部分の中央に三日月と八角星を配しています。

水色はテュルク人、緑はイスラム教、赤は進歩・近代化を示し、三日月と星の組み合わせはイスラム国家の国旗によく使われるオスマン / イスラーム系のシンボルですが、アゼルバイジャンの場合八角星の八本の光は8グループのテュルク系民族を象徴しています。この巨大な光輝く国旗が、ゆっくりとビルの周りを回転して行く様子も圧巻です。

夜は火焔タワーのショータイム

写真:大竹 進

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火焔タワーのライトアップは、真っ赤な炎や国旗以外にも様々なパターンが現れ、次々に変化して見飽きることがありません。
写真は国旗を振る若者ですが、3つのビルを左から右へと移動していく様が見事です。
コンピュータ制御で行われている現代ならではの光のショーは、バクー市内各所ばかりでなく、カスピ海からも眺めることができますので、ご希望の方はナイトクルーズでお楽しみ下さい。炎が湖面に映え、感動的なシーンがご覧頂けます。

世界遺産 シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿

世界遺産 シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿

写真:大竹 進

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近未来的な火焔タワーがある一方、その足元にはアゼルバイジャンで最初に世界遺産に登録された旧市街が広がっています。

バクーはかつて二重の城壁で囲まれた城塞都市でしたが、現在は12世紀に造られた内側の城壁だけが残っています。今も立派に残る城壁に幾つか設けられている城門を潜り抜けて入ると、そこは中世のイスラムが香り漂う旧市街。中でも一番の見どころがシルヴァン・シャフ・ハーン宮殿です。

世界遺産 シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿

写真:大竹 進

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シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿は14〜15世紀、当時この地域を治めていたシルヴァン・シャフ・ハーン一族によって建設されたもので、宮殿を始め、モスクや霊廟、ハマム(浴場)などが一体となって形作られています。
外見は一見地味ですが、霊廟入り口やモスクのミナレット(尖塔)など、各所に刻まれたアラベスク模様や鍾乳石飾りは見事で、イスラム建築の美を味わうことができます。

世界遺産 シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿

写真:大竹 進

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シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿の内部は、現在博物館になっていて、絨毯、陶磁器、貴金属の工芸品、ステンドグラス、刀剣類、古代の民族楽器など、様々なものが展示されています。
バクーはかつてシルクロードの中継地として栄えた歴史もあり、当時の東西交易でもたらされた品々を眺めていると、往時の華やかな宮廷生活が目に浮かびます。

世界遺産 乙女の望楼

世界遺産 乙女の望楼

写真:大竹 進

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旧市街でもう一つの見どころが乙女の望楼です。
この名前の由来は、13世紀にバクーを治めていたモンゴル人の王が自分の娘に言い寄り、それを嘆き悲しんだ娘はこの塔の上からカスピ海に身を投げたという伝説から来ています。
写真でご覧の通り、今は塔の下にカスピ海はありません。
現在の湖岸は塔から約200m離れていますが、かつては塔の下まで湖が迫っていたことが塔内の展示資料から判ります。

高さ約29mの望楼は、上部は12世紀に、下部は更に古い時代に造られたといわれ、厚さ4〜5mもの堅牢な石壁でできています。塔の周囲には公園があって、地元の人が木陰でゲームに興じていたり、カフェで水たばこをのみながら世間話に花を咲かせています。
直ぐそばにはかつてシルクロードを越えて東西交易を担った隊商宿キャラバンサライが残り、古い街並みには絨毯や雑貨、土産品の店が並んでいて、観光客の財布の紐が緩んでいきます。

世界遺産 乙女の望楼

写真:大竹 進

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乙女の望楼の内部は、バクーの歴史に関する資料や中世の武器などが展示されていて、130段のらせん階段を上って行くと屋上に出ることができます。すり減った石段が数百年にわたる歴史の古さを感じさせてくれます。

乙女が身を投げたと言われる悲しい伝説の伝わる屋上は、現在では展望台になっていて、シルヴァン・シャフ・ハーン宮殿などの旧市街の街並みや、高台に建つ火焔タワー、カスピ海など、周囲360度全てを眺めることができる絶好のポイントになっています。

世界遺産 ゴブスタン遺跡

世界遺産 ゴブスタン遺跡

写真:大竹 進

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バクーからカスピ海沿いに南西へ約60km行った所にあるのが、ゴブスタン遺跡です。
カスピ海からも近い岩山に、約2万年前〜5000年前の石器時代に描かれた岩絵が残る地で、1939年に発見され2007年に世界遺産に登録されました。約6000の岩絵、25の洞窟、40の住居跡、そして10万以上の土器の破片や動物の骨が出土しています。

世界遺産 ゴブスタン遺跡

写真:大竹 進

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ゴブスタン遺跡には岩壁のあちこちに、楽しそうに踊っている人や狩りをしている人、或いは舟を漕ぐ人々、妊娠している豊満な女性、牛や馬、大きな角のある鹿など、様々な岩絵が描かれています。
ゴブスタン遺跡は崖や洞窟、巨大な岩がゴロゴロしている複雑な地形の岩山にあり、当時の人々はこの崖の上から動物を追い落としたりしていたものと思われます。

世界遺産 ゴブスタン遺跡

写真:大竹 進

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遺跡の入り口にはゴブスタン博物館があります。
岩絵が描かれている岩山の麓にある館内は、ビジュアルで判り易い展示がされています。岩山で見る岩絵は風化して何が描かれているのか判別し難いものもありますが、この博物館で予備知識を得ておくと、遺跡の見学も理解し易くなると思います。

実際の岩絵の他、当時この地で生活していた人々のリアルな姿が再現され、狩りの様子もジオラマで見ることができます。出土した人骨や獣骨、土器や石器も展示されていて、当時の生活の様子をうかがい知ることができるので、遺跡の見学前にこの博物館を見学しておくことをお薦めします。

古くて新しい町バクー

バクーは紀元前からの古い歴史を持つ一方、バクー油田から産出する豊富な石油収入をもとに急速に近代化が進み、市内には続々と近未来的なビルが建設されている、とてもエネルギッシュな町です。
シルクロードの経由地でもあったバクーの旧市街は世界遺産にも登録され、エキゾチックな雰囲気を漂わせています。
歴史上多くの民族が行き交ったこの地では、個性的な顔立ちの人々が多くとても魅惑的。
この魅力ある町バクーに、あなたも訪れてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/04−2016/10/05 訪問

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