写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る「まり木綿」があるのは、名鉄有松駅からすぐの場所。元はギャラリーとして不定期で使われていた「ATSUMARI」というスペースを借りて、2011年にオープンしました。のれんのように揺れているカラフルな手ぬぐいがが目印です。
※名鉄有松駅は、名鉄名古屋駅から30分弱の距離です。
「まり木綿」は、名古屋芸術大学の同級生だった村口実梨(まり)さん(写真右)と伊藤木綿(ゆう)さん(写真左)による絞りユニット。最初は絞り染めに全く興味がなかったというお二人ですが、大学の授業で絞り染めに出会います。授業で講師を務めていた「SOU・SOU」のプロデューサーに伝統に縛られないセンスを見いだされ、在学中にユニットを結成。有松の久野染工場の一部の場所を借りて制作を始め、大学卒業後にお店をオープンしました。
※「SOU・SOU」は、「新しい日本文化の創造」をコンセプトにオリジナルテキスタイルを作成し、地下足袋や和服、家具等を製作・販売している京都のブランドです。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る「まり木綿」の看板商品とも言えるのが、三重県の伝統工芸品・伊勢木綿を染めた手ぬぐい。綿(わた)に近い状態の糸を糊でかためて織られているので、洗濯して糊が落ちるごとにやわらかな風合いになっていきます。
ところで、「まり木綿」の手ぬぐいが一般的に知られている絞りとは違うことにお気づきでしょうか。実は、有松・鳴海絞りには100以上の技法があり、凹凸した模様の絞り(括り染め)は、数ある技法のうちのひとつ。「まり木綿」では布を板に挟んで染める「板締め絞り」という方法で染めているので、凹凸のない幾何学模様になるのです。
板締め絞りは、図案に合わせて括る絞り染めよりも時間とコストがかかりません。そのためリーズナブルな価格で流通させることができるので、それが引いては有松・鳴海絞りの文化を守ることにもつながると期待されています。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る見た目は同じ手ぬぐい生地に見えますが、用途によって布が使い分けられています。ランチョンマットやコースターなどは、少ししっかりした織り方の木綿です。
「まり木綿」には、手ぬぐいだけではなく絞りの布を使ったさまざまな雑貨が揃っています。巾着やシュシュなど、旅の記念になるだけでなく毎日活用できるアイテムなのがいいですね。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るがま口も人気商品。写真はバッグとしても使える大きめのサイズですが、小銭入れサイズもあります。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るブックカバーや名刺入れも、色とりどり。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る「まり木綿」の出店をプロデュースした「SOU・SOU」の人気商品のひとつが、国産地下足袋。機能性、デザイン性、伝統性を兼ね備えた地下足袋をカラフルでクールな履物に変身させ、京都と東京に専門店「SOU・SOU足袋」を構えています。
学生時代に足袋の染色依頼を受けたことがきっかけで、「まり木綿」にも地下足袋が置いてあります。こちらは絞り染めではなく、一足一足に手描きで彩色されたもの。メーカーが廃番にした商品のためサイズには限りがありますが、マジックテープで留めるので調整は効きます。好みの柄でサイズが合えばそれは運命的な出会いですね。オーダーメイドにも対応しています。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る裏地にも彩色してある地下足袋なら、折りたたんでハイカットスニーカーのようにして履くのもオシャレです。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るカラフルな地下足袋が並んでいるのを見ると、履きこなすのが難しいように思えます。でも、実際に合わせるとそれほど「地下足袋」という印象は受けません。気になったら、まずは試し履きをしてみてください。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る「まり木綿」の手ぬぐいを見て、「こんな浴衣が欲しい!」と思う人は多いのではないでしょうか。絞り商品の代表格と言えば浴衣ですから、もちろん「まり木綿」にも浴衣があります。縫製済みの浴衣もありますが、反物での購入も可能。
浴衣にぴったりの 小巾折(こはばおり)のバッグやカゴもありますので、コーディネートを考えるとワクワクしますね!
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る洋服には、全面が絞り染めのもの、ポケットなど一部に絞り染めが使われているものがあります。四角形の布をまっすぐに縫い合わせた「四角衣」や「長方衣」は「SOU・SOU」と同じ形を扱っているので、こちらは「有松鳴海絞・SOUSOU」のダブルネームでタグがついています。
いまは、便利でかわいいものが数百円で買えてしまう世の中。そんな時代に伝統工芸品が生き残るためには、日常的に使われる存在になることが不可欠です。
「まり木綿」の製品は、大量生産品のように安いわけではないけれど、手が出ないほど高級なわけではありません。少し奮発して購入した有松・鳴海絞りを、長く愛用する。そんな方法なら、わたしたち消費者にも伝統文化を守るお手伝いができそうですね。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2023/12/8更新)
- 広告 -