黒磯駅前商店街で大きな存在感を放つ和菓子屋「明治屋」は見るからに「老舗」という称号がよく似合います。商品も昔ながらの和菓子で、温泉まんじゅうや手焼きどら焼き、あんこたっぷりの最中に栗ようかんなど王道の和菓子が並びます。値段もお手頃!名物の温泉まんじゅうはなんと税込みで一つ86円です。
明治屋の和菓子の美味しさは地元住民にも有名で、観光客だけでなく地元のお客さんもしばしば買いに訪れます。
買った和菓子は外にある縁台でいただけます。日傘も備え付けてあり、時代劇のお茶屋で一休みしているような気分を味わえます。
栃木県宇都宮市大谷町で採掘される大谷石によって造られた外壁にも注目です。大谷石はその加工のしやすさや防火性などから建材としてこの辺りでは多く使われており、それが独特の明治大正のような古き良き雰囲気を醸し出しているのです。
黒磯駅前商店街を脇に抜けると一際目を引く映画のセットのような石造りの建物が姿を現します。この建物は高木会館と呼ばれ大正7年(1918年)に黒磯銀行本店として建築されました。昭和10年(1935年)に銀行を廃業した後は、銀行頭取だった高木一族が会館として使用した大変歴史ある建物です。黒磯駅前では明治時代から大火が相次ぎ、昭和6年(1931年)の大火では建物140戸が全焼する被害が出ましたが、この高木会館だけは無事でした。
平成14年(2002年)には建造物として国の登録有形文化財に登録されましたが、なんとこの高木会館、一階部分がレストランとなっており誰でも入ることができるのです。ここカフェ・ド・グランボワでは気軽なカフェとしてはもちろん、パスタや名物のグランボワライスなど本格的な洋食も楽しめます。
カフェ・ド・グランボワの周囲も必見スポットです!大谷石で出来た石倉や木造の酒店など歩いているだけで大正ロマンの映画に迷い込んだような心地になってしまいます。
最後にご紹介したいのが、黒磯駅前から徒歩10分もかからずにたどり着く黒磯神社です。夏には輪くぐりや神輿などが行われ、地元の人たちの憩いの場となっています。一見すると普通の神社じゃんと思うかもしれませんが、ここ黒磯神社では日本でも珍しい、「手足の神様」が祀られているのです。
本殿の脇にひっそりと佇むこの両像は「面足尊(オモダルノミコト)」という男神と「惶根尊(カシコネノミコト)」という女神。神話のなかでは、天地が創られて初めに生まれた七体の神のうちの二神です。身体と容貌を完備した最初の神と言われており、手足にご利益があるとして信仰を受けてきました。
さらに境内を奥へ進むと「足尾神社」という社があります。これは茨城県の足尾神社から分祀されたもので「足」という字が入ってることで人力車の車夫から信仰を集めて「足の神様」として定着しました。昔から足の病にご利益があるとして履物が寄進されてきましたが、それは現在でも絵馬掛けに見ることが出来ます。
有名な観光地である那須高原を近くにもつ黒磯はどうしてもそちらの影に隠れてしまい、観光目的で立ち寄ることはあまりないと思います。しかし!伝統的な石造りの建造物が立ち並ぶ黒磯駅前は隠れたお散歩スポットなのです。少し歩くだけでも昔ながらのレトロな街並みが大正時代のノスタルジックな雰囲気へと誘ってくれます。那須高原行のバスを待つほんの少しの間でも、レトロな黒磯駅前へプチ散策してみてはいかがでしょうか。
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(2025/2/15更新)
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