「日本の渚百選」「日本の夕日百選」に選定されている御輿来海岸(おこしきかいがん)。この夕陽に染まる美しい砂紋(干潟)はいつでも見られる訳ではありません。感動を呼ぶ景色を観る為の条件は以下の通りです。
・潮位の差が激しい中潮から大潮の日。
・最低潮位の時間帯と日没の時間がほとんど重なりあう日。
このような自然条件の下で現れる絶景なので、一年を通しても僅かな日数しかありません。そしてその条件をクリアしても果たして期待通りの朱色に染まる夕陽が出てくれるかどうか?そう考えるとかなりハードルの高い絶景だと言えます。そんな訳でベストな日はカメラマンで撮影スポットは埋まってしまうのです。
本記事の文末の関連MEMOに地元、宇土市観光物産観光協会がまとめられた潮位表をリンクしました。是非、参考にして下さい。
多くの写真家や観光客を魅了してやまない景勝地「御輿来海岸」。その昔、景行天皇が九州遠征の際、素晴らしい海岸線が天皇の目に留まり、しばし御輿を駐め時を忘れて見入られたという伝説からその名がついたとされています。
御輿来海岸へのアクセスですが、熊本市内から国道57号線を天草方面へ車で約60分程です。セブンイレブン宇土長浜町店を見つけた後数分で、山道へ登る曲がり角(右折)があります。熊本方面からだと、案内板を見つけるのは難しいですが、通り過ぎてしまっても「オコシキ海岸」の写真が載った「干潟景勝の地」50m手前右折!という看板がありますので、そこからUターンしても問題は無いでしょう。国道を曲がってから展望台への道はかなり狭いです。道路も観光用ではなく地元の方の生活優先道路になっているので通行には充分注意して下さいね。
干潟景勝の展望台は"大栄稲荷神社"がすぐ傍にあり、10台程度の駐車スペースもあります。撮影スポットは地主の方が善意で開放されているエリアで、嬉しいことに観光者の為に邪魔になる雑木も取り除いてくれているんです。こんな場所を汚して帰ると罰が当たりそうですね!
ここは干潮の時だけ現れる海の道、長部田海床路(ながべたかいしょうろ)。上述でご紹介の御輿来海岸から国道57号線を熊本方面へ10分弱戻った処にあります。この海床路は地元の海苔の養殖業者用道路。干潮時でも船が出せる沖合いまで車でアクセス出来るように作られた道なのです。
※手前の浜に船を係留すると干潮時、船底が砂浜に乗り上げ、海に出られませんよね。
海床路から見上げる満天の星空。この長部田海床路には広々とした駐車場と公衆トイレも完備されています。ゆっくりと幻想的な景色を楽しむ事が出来ますよ!
外灯が道路のあった場所を照らしていますが、満潮時にはご覧のように海の道は海面の下に沈んでしまいます。数年前に二階堂と云う焼酎の会社がCMに使用されていましたが、何とも言えない幻想的な光景に魅入られた方も多かったのではないでしょうか。
戦国時代に武将が舞いを楽しんだ山、高舞登山(たかぶとやま)!この光景を目にすると舞いと一緒に景色も楽しんでいたのでしょう。眼下には天草五橋を臨み、素晴らしいパノラマが広がります。頂上は公園として整備され、東屋もあるので展望をゆったりと楽しみましょう。公園の直ぐ下まで車で上がれますので、是非足を延ばしてみて下さい。
高舞登山、頂上公園からの朝陽!元々、ここは夕陽で親しまれている展望地なのですが、運が良ければこんな朝陽も眺める事が出来ます。
日本で最大の宗教戦争が起こった舞台、島原・天草!若き武将、天草四郎時貞がこの山で出陣式を張ったと云う非常に厳かな雰囲気の山。この地の奇岩が織り成す風景から「千厳山(せんがんざん)」と命名されています。歴史好きには堪えられない山でしょう。
僅か162mの山頂からは宇土半島、島原半島、天草下島、八代海などを臨む360度の大パノラマは圧巻、必見です!
入り組んだ複雑な地形!日が沈み、夕闇に明かりが灯り始める頃、眼下に拡がる穏やかで雄大な情景が観る人の心を優しく包んでくれます。
自然は気象条件やその地域独特の地形から、ある条件の下に驚くべき景観を作り上げます!観る人の心を驚嘆させ言葉をも忘れさせてしまう素晴らしい情景、今回ご紹介した有明の海が作り出す干潟や朝陽・夕陽、また夜景もその一つでしょう。
ただ美しいだけではありません。先人たちが生活の為に生み出した海床路などの資産もアートの一つとなり得るでしょう。歴史背景にあった史実も情感を味わう材料としては欠かせない要素だと思います。人の力が遠く及ばない大自然と多くの人が翻弄され続けた歴史を持つ海へ是非一度訪れてみませんか?
この記事の関連MEMO
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(2025/2/12更新)
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