野球ファン垂涎のお宝に小泉八雲?南魚沼「池田記念美術館」がおもしろい!

野球ファン垂涎のお宝に小泉八雲?南魚沼「池田記念美術館」がおもしろい!

更新日:2017/01/05 16:04

新潟県南魚沼市にある「池田記念美術館」は、名峰・八海山を望む「八色の森公園」内という好立地にあります。ベースボール・マガジン社や恒文社の創設者で野球殿堂入りもした故・池田恒雄氏の、およそ3500点のコレクションが公開されており、ファン垂涎のお宝もたっぷり。スポーツのみならず、文学、アート、そして公園と幅広く楽しめる美術館です。

美しい公園にたたずむ美術館

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池田記念美術館がオープンしたのは1998年。新潟県魚沼市の出身で、野球好きにはおなじみの雑誌『週刊ベースボール』などを発行するベースボール・マガジン社を創設した池田恒雄氏のコレクションが公開されています。

美しい公園にたたずむ美術館
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常設展だけでなく、ほぼ毎月内容を変えて企画展示も行われており、様々なジャンルの作品展が開催されてきました。

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美術館が建つのはワイナリーやレストランなどが点在する「八色の森公園」の中。ここは越後三山(八海山、駒ケ岳、中の岳)を望むことができる場所で、美術館は「光の池」と名付けられた池の畔にあり、緑豊かな風景とそれを映し出す水面を館内から楽しむことができます。

野球の神様の生写真からスポーツカードまで

野球の神様の生写真からスポーツカードまで
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1階のスポーツ文化展示室には、スポーツ好きにとってはたまらない展示品がたっぷり。1985年阪神タイガース優勝記念の選手たちの寄せ書き、イチローのスパイクシューズ、松井秀喜のサインボール、今から100年以上前のアメリカのベースボールカードに、あの野球の神様と呼ばれたベーブ・ルースの生写真など、書き切れないほどのコレクションが飾られています。

野球の神様の生写真からスポーツカードまで
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また、スポーツカード展示室にはベースボールカードはもちろん、チアリーダーやラグビー、大相撲、さらには相撲の錦絵カードまでが置いてあり、驚かされます。

小泉八雲の子孫から託された資料を展示

小泉八雲の子孫から託された資料を展示
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2階はガラリと変わって、文学と美術の展示空間となります。池田恒雄氏はベースボール・マガジン社設立に先立って、恒文社という出版社を立ち上げています。もともと大の文学好きで、当時の日本ではめずらしかった東欧文学の翻訳を手掛けるなど、スポーツ以外にも文化事業に貢献しています。その活動のなかで小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の子孫と懇意になり、1,500点もの八雲の資料を預かることになりました。

小泉八雲の子孫から託された資料を展示
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「小泉八雲文学資料室」では池田コレクションに加え、託された小泉家秘蔵の直筆原稿などを展示しています。その中には八雲の息子が書いた「パパさまへ」という筆書きの書簡などもあり、良き家庭人としての八雲の素顔にもふれることができます。

日本初の女性洋画家ラグーザ・玉と會津八一

日本初の女性洋画家ラグーザ・玉と會津八一
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「日本美術展示室」は、大きく2つにコーナーが分かれています。入って左手には新潟市出身で歌人・書家として知られる會津八一のコーナー。もうひとつは、それ以外の池田コレクションの日本美術品になります。

日本初の女性洋画家ラグーザ・玉と會津八一
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この展示室の目玉は、江戸時代生まれの日本初の女性洋画家、ラグーザ・玉の絵画です。彼女はイタリア人の彫刻家と結婚後、イタリアの美術学校で指導者として活躍しながら、画家として高い評価を得ました。ラグーザ・玉の絵画をコレクションしている美術館は少ないため、彼女の絵を常設展でゆっくり見られるのはとても貴重なことなのです。

庭園を眺めながらラフカディオ珈琲をいただく

庭園を眺めながらラフカディオ珈琲をいただく
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美術鑑賞のあとは1階の「いけびカフェ」でゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。このカフェでぜひ味わってほしいのはコーヒーです。小泉八雲は日本でも朝食時にコーヒーを飲んでいました。これは今でこそ普通のことですが、彼が暮らしていた明治時代ではやはり珍しいことだったようです。

庭園を眺めながらラフカディオ珈琲をいただく
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八雲は著書『クレオール料理』の中で、コーヒー豆の種類、淹れ方について執筆しています。そこに書かれたレシピを元に、八雲が暮らしていた島根県松江市にある中村茶舗が八雲の子孫に試飲をしてもらうなどして「八雲好み」の味を追求。オリジナルブレンド「ラフカディオ珈琲」を作り上げました。なんと「いけびカフェ」でそのコーヒーが飲めるのです。南魚沼の自然を楽しみながら、八雲が愛した味を堪能してみてください。

芸術を総合的に楽しめる美術館

池田記念美術館はJR浦佐駅よりおよそ1キロの場所にあります。関越自動車道からだと大和スマートIC(ETC専用)より3分、小出ICより10分です。常設展、企画展以外にも一箱古本市、クラフトマーケット、ワークショップなどのイベントも随時開催しています。また「音もアートの柱」ととらえ、定例コンサートも行っています。スポーツ、美術、文学、音楽、多方面から芸術を楽しめる池田記念美術館。
南魚沼におでかけの際には、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/30 訪問

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