写真:島塚 渓
地図を見る「国立民族学博物館」は世界の諸民族の文化や暮らしに関する調査研究を行う機関として、1974年(昭和49年)に創設されました。1977年(昭和52年)から一般公開もはじめられ、世界中の人々の生活を垣間見るとことのできる貴重な施設となっています。
写真:島塚 渓
地図を見るここには現在100万点以上の資料が収集され、世界でも屈指の規模を誇る文化人類学の博物館となっています。
展示スペースも非常に広く、面積は約9000平方メートル。順路通りに歩いた場合、約5キロメートルにもなるという、とてつもなく巨大な博物館です。
展示内容はアメリカ・ヨーロッパなど世界を12のエリアに分けた“地域展示”と、音楽・言語のジャンルに絞った“通文化展示”で構成されています。“地域展示”ではオセアニアから地球を1周するように配置されているので、異文化に触れるチョットした旅行気分を味わえちゃいます!
写真:島塚 渓
地図を見る「国立民族学博物館」の数多い展示品のなかには、日本人の常識ではなかなか理解しづらいものも……。例えばアメリカ展示に置いてある「ナワル」という木彫りの像。一見したところジブリ映画に出てくる精霊のような姿をしています。
これはメキシコの民間信仰で崇められている伝承上の生き物で、シャーマンなど動物に変身する能力をもった人や、人間を守る動物霊を「ナワル」と呼んでいるようです。
姿かたちがとてもユーモラスなので、ついつい見入ってしまう展示品ですね。
写真:島塚 渓
地図を見るさらにもう1つ注目してほしい展示品が、ルーマニアのサプンツァ村にあるという「陽気な墓」。カラフルな色の墓標には、その人の生前の職業や趣味が絵と詩文で表されています。
この「陽気な墓」には、愛する者を失った悲しみを乗りこえてほしいという願いがこめられているようです。お墓に関する捉え方も日本と違って、なんとも素敵ですね。
写真:島塚 渓
地図を見る「国立民族学博物館」では世界の人びとの暮らしがよくわかるように、衣食住などの生活用品が多く展示されています。なかでもおススメが2016年6月から始まった「アイヌの文化展示」。
ここでは伝統的なアイヌの人たちの暮らしが再現されており、独特の幾何学的な文様が入った民族衣装を見ることができます。こうしてアイヌ展示に触れていると、日本にも違った文化をもった人たちがいることを、改めて認識させられます。
写真:島塚 渓
地図を見る「国立民族学博物館」にはパティオと呼ばれる中庭がいくつかあり、外からの光を取り入れるとともに屋外展示スペースとしても活用されています。
写真の「酒幕(チュマク)」と呼ばれる建物もその1つ。これは朝鮮半島の伝統的な居酒屋で、酒を飲むのはもちろんのこと、ご飯や宿泊まで兼ねた韓国版の料理旅館のような施設です。
写真の「酒幕」は展示のために再現されたものですが、もともとは1920年ごろに建てられた茅葺き屋根の建物。時代が違えど、やはり昔の人も飲んだり食べたりすることが好きだったのでしょうか!?
「国立民族学博物館」は100万点以上もの資料を所蔵する世界でも屈指の規模を誇る博物館です。特別な人物や高級な美術品ではなく、人々の日々の暮らしにスポットライトをあてた展示品が特徴。
世界には私たちがまだ知らない独自の生き方や価値観を持っている人たちがいることを再確認させてくれる稀有な博物館となっています。
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(2024/4/20更新)
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