江戸情緒あふれる町並みに、今も残る“おまじない”。「お伊勢参り」のあとは、民話の世界へ。

| 三重県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

江戸情緒あふれる町並みに、今も残る“おまじない”。「お伊勢参り」のあとは、民話の世界へ。

江戸情緒あふれる町並みに、今も残る“おまじない”。「お伊勢参り」のあとは、民話の世界へ。

更新日:2013/11/27 17:50

カノオミツヒサのプロフィール写真 カノオミツヒサ フリーライター

三重県伊勢市といえば、「伊勢神宮」でお馴染みの観光地。ですが、何を隠そう(隠しませんが)、江戸時代から残る蔵の数々や、当地ならではの風習など、まだまだ楽しめる名所があるのです。
今回は伊勢神宮の参拝をメインに、参拝客によって発展した町「河崎」と、伊勢にまつわる民話の舞台「松下」を巡っていきたいと思います。交通手段は電車とバスのみ。それではスタートです!

まずは伊勢神宮へ。伊勢市駅から「外宮」に向かう。

まずは伊勢神宮へ。伊勢市駅から「外宮」に向かう。

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

伊勢神宮の参拝は、「外宮」から「内宮」へと回るのが慣わし。JR・近鉄伊勢市駅で電車を降り、徒歩で「外宮」を目指します。駅を出て正面の大きな鳥居をくぐり、外宮参道をまっすぐ進めば、5分ほどで「外宮」に到着。
表参道火除橋を渡ると、市街地の景色と一変し、豊かな森が広がります。木漏れ日が眩しい参道を進み、たどり着いたのが「正宮」。こちらには、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の食を司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)が祀られています。その後は順番に「多賀宮」「土宮」「風宮」とお参りしていきましょう。「二礼二拍手一礼」の作法を繰り返していると、いつしかその動作が自然になって、日常とは違う場所に来ていることを実感します。
1時間ほど「外宮」で過ごした後は、バスで「内宮」へ移動です!

「内宮」でお参り。「おはらい町」と「おかげ横丁」に寄り道。

「内宮」でお参り。「おはらい町」と「おかげ横丁」に寄り道。

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

「外宮」を出てバスに乗ると、20分ほどで「内宮」に到着です。
バスを降りて、すぐに見えてくる「宇治橋鳥居」をくぐり、五十鈴川にかかる「宇治橋」を渡れば、俗界から聖界へと誘われます。内宮には、御祭神の天照大御神が鎮座する「正宮」のほか、「荒祭宮(あらまつりのみや)」と「風日祈宮(かざひのみのみや)」という2つの別宮があります。参道を歩くと、風によってざわめく巨大な杉の木や、キラキラと光る五十鈴川のせせらぎに、神々しさを感じます。厳かな気持ちで、祈りをささげていきましょう。
参拝後は、約800メートル続く門前町「おはらい町」へ。中心地にはレトロな街並みが再現された「おかげ横丁」があり、江戸時代にタイムスリップした気分で「お伊勢参り」を堪能できます。時代劇のセットを歩いているようで、面白いですよ。
さて、次は「お伊勢参り」で発展した河崎地区へ行ってみましょう!

蔵の数々と、「伊勢河崎商人館」

蔵の数々と、「伊勢河崎商人館」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

「外宮」からバスで伊勢市駅まで戻り、そこから15分ほど歩くと河崎地区に到着。
かつて伊勢神宮の参拝客を“おもてなし”するために、大量の物資を川から運ぶ必要がありました。その際に水運の拠点として発達したのが河崎地区。「伊勢の台所」と呼ばれるほど、江戸時代には問屋街として成長し、現在でも古い町家や蔵などが立ち並んでいます。昔と変わらぬ風景に出会えるので、カメラを片手に散策してみましょう。歩き疲れたら、蔵を改築したカフェなどで一服できますよ。
また、是非立ち寄って頂きたいのが河崎地区にある「伊勢河崎商人館」。江戸時代に創業された酒問屋「小川酒店」を伊勢市が修復整備した建物です。約600坪の敷地にある7つの蔵や母屋は、河崎の歴史や文化について学べる「河崎まちなみ館」や、アンティーク品や手作り品などを販売する「河崎商人蔵」といった施設となっています。

「門符」(もんぷ)とは??

「門符」(もんぷ)とは??

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

河崎界隈を歩いていると、写真のように注連縄と木札を組み合わせた「門符」が、各家の玄関の上に飾られているのを目にします。調べてみると、この飾りにまつわる民話がありました。

むかしむかし、「牛頭天王」(こずてんのう)(スサノオノミコトという説がある)が宿を探していました。この辺りで裕福な巨旦将来(ごたんしょうらい)には意地悪く断られたものの、貧しくても心優しい蘇民将来(そみんしょうらい)の家に泊まることができました。「牛頭天王」はそのもてなしに感謝し、「茅の輪を腰に付けて、そこに『蘇民将来の家の者だ』と表示していれば、疫病を免れる」と言い残し、去っていきました。そして、蘇民の家だけは疫病にかかることなく、代々幸せに過ごすことができました。

このお話が元となり、やがて注連縄に「蘇民将来子孫家門」書いたものを下げ、1年中飾る風習ができました。ちなみに民話の舞台は、同じ伊勢市にある「松下」という場所。次はこの「松下」へと足を運んでみましょう。

「松下社」と「民話の駅 蘇民」

「松下社」と「民話の駅 蘇民」

写真:カノオミツヒサ

地図を見る

伊勢市駅に戻ってJR参宮線に乗車。およそ10分ほどで、松下駅に到着です。周囲は低い山に囲まれており、民家も少なく、緑が美しいのどかな景色が広がっています。なんの変哲もない景色でも、ここで昔、神様が宿を探していたと思うと不思議な気持ちになりますね。
駅から徒歩10分ほどの場所にあるのが、「松下社」という神社。松下地区の氏神さまで、本殿の左には「蘇民祠」が鎮座されています。こちらでは毎年12月に「桃符頒布始祭」が行われ、ご祈祷の後に門符(桃符)が参拝者へ頒布されます。

お参り後の休憩には、すぐ近くの物産販売店「民話の駅 蘇民」がピッタリ。写真にあるように、やはり注連縄が入り口の上にありますね。こちらでは毎日つきたてのお餅が店内に並びます。特に「よもぎあん餅」は、疲れも吹き飛ぶおいしさ。ほかにも、地元の畑から収穫された農産物のほか、獲れたてのお魚たちが購入できます。真珠や手作りの工芸品が揃うお土産コーナーも、興味を惹かれるものが多いです。心ゆくまで、お買い物を楽しみましょう!

おわりに

いかがでしたか?伊勢市内のみの移動なので、時間を有効に活用できます。ゆっくりと観光したい方には特におススメ。レンタカーを使わないので、旅費の節約にもなりますよ。
伊勢神宮だけにとどまらない、伊勢市の魅力。神話と民話が交差する場所へ、出かけてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/12−2013/07/13 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ