弟神である「須佐之男命/すさのおのみこと」の乱暴狼藉を悲しんだ「天照大神」が現在の宮崎県にある天の岩戸に籠ると、世の中は闇の世界となり、疫病が蔓延したりして人々は大変困りました。
何とか出ていただこうと鶏を啼かせたりしたのですが効き目がなく、多くの神々が寄り集まって相談した結果、知恵の神様である「天八意思兼命」の案で、岩戸の前で「天鈿女命/あめのうずめのみこと」が妖艶な舞を踊ったのです。
岩戸の外で集まった神々が大喝采して騒いでいる様子をいぶかしんだ「天照大神」が少し扉を開いて覗いたところ、入り口に誰かが置いた鏡に自分の姿が映り「えっ??」と思い、もう少し扉を開いたところを怪力の持ち主である「天手力雄命/あまのたぢからおのみこと」が岩戸を大きく開いて投げ飛ばしました。
その岩戸が九州宮崎から飛んだ先が、長野県の戸隠山だといわれているのです。
戸隠山には、天の岩戸開きに功績のあったとされる神々をご祭神とした5つの神社が造られています。奥社には天の岩戸を戸隠まで投げた力持ちの「天手力雄神」、九頭龍社には地元・「九頭竜大神/くずりゅうのおおかみ」、火之御子社には岩戸の前で舞を舞われた「天鈿女命」、宝光社には「天表春命/あめのうわはるのみこと」が、そして中社には知恵の神様である「天八意思兼命」が祀ってあるのです。
駐車場側の東鳥居をくぐるとすぐに手水舎があります。この手水舎には「九頭竜大神」が守る、霊験あらたかなご神水が溢れているといわれ、ペットボトルなどでこの戸隠山の伏流水をくみ上げ、持ち帰る参拝の方をよく見かけます。
境内正面には幅の狭い10段の木造階段があり、その上に高床式の本殿があります。通常は透明ビニールの左右開きのシャッターが閉じられておりますが、お参りの際は手でそのシャッターを開けて拝礼するようになっています。
ビニールシャッターを開けたとき、ぜひ忘れずに本殿内の天井をご覧になってください。素晴らしい龍の天井画を見ることができます。この絵は平成15年に復元された狩野派の天才絵師河鍋暁斎の作です。
参道石段を登り切った境内の左側に、周りを竹垣で囲われた大きな杉の木があります。これは樹齢700年を数える戸隠中社のご神木。手を伸ばして樹の肌に掌を押し当ててみて下さい。何となく温かみが伝わってきます。
右側には近年新築された宝物館・参集館があります。
本殿の右側には、パワースポットとして人気のあるさざれ滝があります。戸隠山の地主神である九頭竜大神は生命の源の水をつかさどる神なので、この湧水にはパワーが秘められていると考えられているのです。
樹齢800年の3本杉は少しわかりにくいところにあります。中社の鳥居を中心に1辺約72mの正三角形の各頂点を位置する場所にそれぞれ「い」「ろ」「は」と名付けられ植えられているので、是非探してみて下さい。
杉並木で有名な戸隠神社奥社は中社より少し先の場所にありますが、社務所はこの中社にあります。ここで授かるおみくじは満年齢を言っていただくのです。ここには他の神社と違っておみくじを結ぶところはありません。授かったおみくじは大事に持ち帰りましょう。
境内にWCはありませんので、東の鳥居を出て上の駐車場まで歩いて行かなければなりません。冬はかなりの積雪ですのでくれぐれも足元に注意して下さい。
また駐車場からは緩い下り坂になっていますので、慎重に歩いてください。
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(2025/2/15更新)
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