写真:八岳木 流泉
地図を見る京町温泉は、えびの市の中心に位置しています。狭義にいえば、JRの「京町温泉駅」周辺に湧出する温泉を京町温泉と呼びますが、そこから半径3キロほどの範囲にある鶴丸温泉や吉田温泉、吉松温泉などとともに、京町温泉郷と称されることが多いです。
大正時代の初期、落雷の箇所から温泉が湧き出たため、当初は「雷温泉」と呼ばれていました。それがいつしか京町温泉へと名前を変えて、今に至っています。
温泉地は一般の住宅街に溶け込む形で、静かな雰囲気。歓楽的な要素も無く、長く湯治場として栄えてきました。日帰り施設等はありませんが、大半の宿で立ち寄り利用ができます。
車でアクセスする際は、九州自動車道の「えびの」インターを利用。国道268号線で西へ進めば、京町や吉松温泉まで真っ直ぐです。吉田温泉へは国道から途中の県道を北に進んでください。
公共交通機関の場合は、JR吉都線の「京町温泉」駅下車。鶴丸温泉は一つ先の「鶴丸」駅。吉松温泉は二つ先の「吉松」駅利用です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る京町温泉は文人にも愛された温泉地です。俳人の種田山頭火は「ありがたや 熱い湯のあふるるにまかせ」と詠んでいますし、昭和10年、12年と滞在した歌人、野口雨情は、「真幸京町 別れが辛い 霧が姿をまた隠す」と歌っています。それらは歌碑として温泉地に残っており、旅行者の目を惹きつけています。
なお、雨情が歌った「真幸(まさき)」とは、京町の近くにある地名。JR肥薩線の駅もあり、県内最古の駅という歴史的意義や縁起の良い名前から、今でも高い人気を誇っています。
文人らに愛された京町温泉の泉質はアルカリ性単純泉。その他、ナトリウム-炭酸水素・塩化物・硫酸塩泉の吉田温泉など、それぞれ異なる泉質が点在しているため、飽きの来ない散策が楽しめます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る歓楽街の無い京町温泉ですが、「京町銀天街」と呼ばれる一角には商店があります。食事をするのも、日用品の買い物も、ちょっとしたときに利用できる便利な場所です。
銀天街のゲートからすでに感じるレトロな雰囲気。土産物などの期待をあまり膨らませることなく、気楽にぶらりと歩いてください。
写真:八岳木 流泉
地図を見る京町温泉を中心とした半径3メートルの地域を散策していると、少し驚く光景が出てきます。高さ13メートル、巨大なコカ・コーラの缶の登場です。
ここは「グリーンパークえびの」というコカ・コーラ製品の工場。綺麗で壮大な外観に、コーラの赤缶が映えています。その前には車が置かれ、缶の大きさが良く分かりますね。
グリーンパークえびのは、フラワーガーデンや芝生広場などを持つ安らぎの施設。敷地内の工場では、無料で見学ができます。見学に要する時間は約30分、午前9:30から午後4:00まで受け付けています。また、工場の概要やコカ・コーラの歴史を放映するシアタールーム、工場見学者向けの試飲のコーナーなどもあり、実に充実した時間が送れます。
もちろん、工場見学をしない人にも楽しい趣向が。古いポスターや缶、瓶など、700点以上の展示物を掲げるコレクションギャラリーや、充実した品ぞろえのショップ等、その楽しみは非常に広範です。
写真:八岳木 流泉
地図を見るショップの中でも、コーラ瓶を再現したガラスコップは人気商品。その他、コカ・コーラ製品のラベルが印刷された鉛筆など、安価でユニークなバラマキ土産がうれしいですね。
鄙びた温泉地にレトロな商店街。加えてコカ・コーラの工場見学と、京町温泉散策には多くの魅力が存在します。ここを拠点に少し離れたえびの高原へ、そんな旅先も楽しいですね。
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(2024/10/7更新)
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