金沢の穴場寺院!およそ1000体もの石仏が並ぶ「如来寺」は昼寝寺!?

金沢の穴場寺院!およそ1000体もの石仏が並ぶ「如来寺」は昼寝寺!?

更新日:2017/01/16 16:03

金沢市内には“忍者寺”と呼ばれる妙立寺や“願掛け寺”として人気を集める香林寺をはじめ、数多くの寺院が点在しています。そんな金沢市内にある数多くの寺院の一つにちょっと個性的なお寺があります。金沢城の南東に位置し、観光の中心エリアからちょっとはずれた小立野寺院群にある寺院「如来寺」です。
今回は、まだ観光客に多く知られていない金沢観光リピーターにおすすめの知る人ぞ知る「如来寺」をご紹介します。

指定文化財にもなっている貴重なお寺!知る人ぞ知る「如来寺」って?

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金沢の人気観光地・兼六園から南西に向かって15分ほど歩いて行き、大通りから通りを入ると「如来寺」があります。如来寺は浄土宗のお寺で前田家ゆかりのお寺の一つと言われています。というのも、如来寺は加賀藩4代当主・前田光高の正室(夫人)であり徳川家初代藩主徳川頼房の四女でもある清泰院のご位牌所だからです。

如来寺の歴史は深く、天正年間(16世紀終わり)に現在の富山県にある増山に創建されたことがその始まりです。その後、慶長14(1609)年に高岡市に、さらにその数年後には金沢の卯辰山麓に移転。1656年に現在の場所がご位牌所となりました。

指定文化財にもなっている貴重なお寺!知る人ぞ知る「如来寺」って?
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長い歴史の中で小立野亀坂からの火災により伽藍がすべて焼失してしまうという悲しい出来事もありましたが、文化10(1813)年に前田斎広により再建されたことで、現在の姿に見事な復興を遂げます。

そんな歴史ある如来寺の敷地内の奥に構える本堂は江戸時代後期の浄土宗本堂のスタイルをほぼ再建当初のままに大きく手を付けられていない状態で残されていることから貴重な建築物として高く評価されています。現在、本堂の一棟は金沢市の指定文化財にもなっているんですよ。また寺宝である南北朝時代の絹本著色三尊來迎図も指定文化財となっています。

夏になるとお昼寝の場に!?年間を通して楽しめる「如来寺」

夏になるとお昼寝の場に!?年間を通して楽しめる「如来寺」
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如来寺の山門から入るとすぐ左手に鐘堂が、右手先には観音様が目に入ります。山門からまっすぐ前方、観音様の先にあるのが本堂です。

夏になるとお昼寝の場に!?年間を通して楽しめる「如来寺」
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歴史的に貴重な本堂があるお寺にもかかわらず、暑い夏場となる8月1日から7日になると正午から3時まで、お昼寝の場として本堂が一般の人に開放されています。如来寺はこのことから「昼寝寺」とも呼ばれていて、宗派問わず多くの人に開放されたユニークなお寺でもあるんです!お昼寝期間として開放している時期に金沢を訪れたら、約100畳もの本堂に寝転がって旅の一休みに涼をとらせていただいてはいかがでしょうか。

さらに同じく夏の8月12日の夜には毎年「万燈会(まんとうえ)」という行事が開かれています。18時半になるとお参りが始まり、その後二胡の演奏が終わると、点々と置かれた灯りが灯されて幻想的な美しい光景を楽しむこともできますよ。

楽しめるのは夏だけではありません!

4月から5月の時期になると鐘堂の奥に赤や黄色の色とりどりの牡丹およそ200本が、さらに牡丹のシーズンが終わると次はシャクヤクやアジサイが咲き誇り、美しい光景を見せてくれるんです。春に訪れる方はぜひ花々が咲き誇る美しい光景を寺院の風情とともに楽しんできてくださいね!

如来寺ではその他にも庭苑の紅葉が美しい秋、雪地蔵が見られる冬と、年間を通して季節ごとの魅力を楽しむことが可能となっています。

それぞれの表情に込められた想いとは?およそ1000体もの石仏たち

目の前に建つ本堂に向かって右に進むと、墓地の奥に石仏公園があります。この石仏公園では、およそ1000体に及ぶ石仏が歩道に沿って所狭しと並べられている不思議な光景を見ることができるんです!

如来寺の境内に佇む数多くの石仏たちは、寺の参拝の歴史を後世に残したいという想いから、参道の改修をきっかけに参道の石を材料にして作られ始めました。

驚くことに、この石仏はいままで石仏を作ったことなど一度もないというような石仏づくり素人の市民たちの手で作られているんです!参加者たちは夏のお盆の頃から80日の間に石仏づくりに取り組みます。その想いはさまざま。先立った家族や先祖を思い、命を込めるようにのみを動かす人もいると言います。

それぞれの表情に込められた想いとは?およそ1000体もの石仏たち
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石仏の表情や姿は石仏の数だけ異なる個性を持っていてさまざま。そんな個々で異なる表情を拝むように眺めながらゆっくりと見て回るとあわただしい日常を忘れ心穏やかな旅のひと時を過ごすことができるのではないでしょうか。

それぞれの表情に込められた想いとは?およそ1000体もの石仏たち
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奥深い街、金沢は魅力がまだまだいっぱい!定番エリアを抜けて知る人ぞ知るスポットへ

北陸新幹線開通による首都圏からのアクセスの利便性の良さに伴い、さらに人気が高まった観光地、金沢。金沢にはたくさんの見どころがありますが、中心地からちょっとはずれた寺院巡りも歴史の街金沢の楽しみ方の一つとしておすすめです。

今回ご紹介した「如来寺」は街散策を楽しみながら歩いていくこともできますが、バスでもアクセスすることが可能です。金沢市内の各停留所から行く場合は北陸鉄道のバスで小立野方面に乗車し、「如来寺前」停留所で下車したら歩いて1分で到着となります。また、観光地を走る「ふらっとバス」の菊川コースを利用して「小立野下馬」停留所から5分ほど歩いて行くことも可能です。

中心地から外れてはいるもののアクセスも良い「如来寺」。金沢を訪れた際には季節を問わず楽しめて、人気観光地の穴場スポットともなっている「如来寺」にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/21 訪問

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