写真:Saito Junso
地図を見る標高8,848mで世界一高い山エベレスト。それはネパールと中国の国境のヒマラヤ山脈に位置し、ネパール側からだと「サガルマータ国立公園」と呼ばれる山岳国立公園内にあります。この辺りは貴重な生態や広大な自然が残された場所で、世界自然遺産にも登録されています。
「エベレスト街道」とは、その名の通りエベレスト登山に向かうための道です。ネパール側からの登山を行う場合に使われますが、本格的な登山は別としてエベレスト街道自体は手軽なトレッキングができるので海外からも多くの人が訪れます。特別な技術や知識がなくても意外と簡単に歩けてしまい、それでいてヒマラヤの大自然を満喫できるので非常に人気があります。
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地図を見る一般のトレッカーが歩くエベレスト街道では特別な技術がいるような難所はほぼありません。と言うのも本来この道々はここで暮らす人々が集落間の移動に使っていた道。大きな荷物を背負った人やヤクでも通れるような生活の道なのです。時には地元の方と一緒に歩く道、それがエベレスト街道です。
そしてエベレストトレッキングをする最も良い時期ですが、それはずばり10〜11月。乾期の始まりで晴天が続き、冷え込みもほどほど。エベレスト街道が最も賑わう時期です。日程の調整が可能ならば是非この時期に訪れましょう。
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地図を見るエベレスト街道の始まりの街であるルクラへは、首都カトマンズから飛行機で行くのが一般的です。しかしこのルクラ空港、「世界で一番危険な空港」と言われるほど危ない空港です。ルクラは「街」と言えども山間の小さな集落、その斜面に貼りつくように作られたのがルクラ空港。小さな空港ですので小型プロペラ機が離着陸するのが精一杯。操縦も目視に頼る部分が多く、霧などの悪天候では飛べません。山の天候急変は日常茶飯事。飛行機利用の際は日程に余裕を持っておきましょう。
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地図を見るルクラ、そしてこの先にあるエベレスト街道最大の街「ナムチェ」では、様々なトレッキング装備が揃っています。防寒具から寝袋、登山靴まで買い忘れた物があればここで揃えることもできます。食事の種類も豊富で、ピザやステーキなども比較的安く食べられます。出発までに「食」を満喫しておくのもいいでしょう。
そしてルクラではポーターやガイドも雇う事が可能です。飛行場周辺には自ら売り込んでくるポーターなどもいますが、不安なら信頼できるホテル等に紹介して貰うものいいでしょう。契約にあたっては日当や食事代など事前にしっかりと決めておきます。数日間一緒に行動する相手。人柄などもしっかり考えておきたいですね。
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地図を見るトレッキング中の宿泊は街や集落にあるロッジに泊まります。食堂に質素な部屋がある簡易的なものがほとんどです。布団もほとんどないので寝袋は必須です。値は張りますがダウンがお勧め。持っていなければ街でレンタルしましょう。
宿泊費は数百円からと驚くほど安く泊まれます。しかしルールがあって、食事はほぼそのロッジでしなければなりません。食事がカトマンズ等に比べれて割高に設定されておりそれで宿泊費を補っています。ナムチェなどには一般のレストランも有りますが、食事は宿でとるようにしましょう。
食べる物は奥に行くほど質素にそして割高になりますが、どこにでも必ずある一度は食べておきたい料理をご紹介します。それはダルバート。ネパールを代表する郷土料理で、ご飯に豆のスープやおかずが付いたものです。安い上におかわり自由なのでお腹いっぱい食べられます。ネパールのダルバート、お勧めです。
写真:Saito Junso
地図を見るルクラを出発し1泊2日程度でエベレスト街道最大の街「ナムチェ」に到着します。それまでの集落程度の街に比べてとても大きな街で、人や物資も大量に集まります。これからのトレッキングのために必要な道具を揃えておきましょう。
ナムチェではこの他にもネットカフェや両替商、郵便局、ロッジでは貴重なホットシャワーが使える所もあります。賑やかなナムチェですが、高度は富士山クラスに高くなっています。防寒対策を含めた装備のチェックをしておきましょう。
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地図を見るナムチェで是非訪れたいお勧めの場所があります。それは「ホテルエベレストビュー」。その名の通りエベレストが見られるホテルです。ナムチェから歩くこと約2時間半、壮大な景色の中にそのホテルはあります。エベレストを始め、ローツェにタムセルク、カンテガに無名の名峰の群れ。ナムチェから少し歩くだけで素晴らしい景色を眺められます。
そしてこのホテルエベレストビュー。実はこのホテル日本人によって建てられたホテルで、今も東京の旅行会社が管理をしています。もちろん宿泊もできますが、レストランも併設されているのでコーヒーやチャイを頂きながら贅沢に世界最高峰の山を眺めましょう。
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地図を見るナムチェを過ぎると標高4000mを超えるような高山地帯を歩くことになります。登山道は多くの人が歩いているので歩きやすく心配する事はありませんが、注意しておきたいのが高山病です。
高山病は酸素が薄くなり脳の酸素不足で起こります。気を付けたいのがめまいや体調不良を感じたら必ず休養すること。そして酷くならないうちに下山する事が大切です。ナムチェ以降では高所に体を慣れさせる高度順応も是非行いましょう。
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地図を見る高度順応が上手くいくと、順応前と比べて嘘のように体が動くようになります。そしてこの辺りからは出発地点とは随分と違った景色が広がり、ヒマラヤの奥地に来たことを実感できるでしょう。ずっと眺めてきた山々もだんだんと後方に下がり、新たな美しい名峰が姿を現します。
途中にはチベットの寺院やエベレストアタックで亡くなったシェルパの積み石などがあり、別世界に来たことを感じるはずです。
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地図を見るエベレスト街道の最後の街「ゴラクシェプ」に辿り着けば目指すカラパタールの山は目の前です。しかしこの街、標高は5,150m。走ることはもちろん、早歩きですらすぐに息が上がってしまう環境です。焦らずゆっくり進みましょう。
ゴラクシェプの街から登りを進めると、標高5,545mのカラパタールが見えてきます。高度差が400m程もあり、見た目よりもかなり登るのは大変です。ゴールはもう少し。頑張りましょう。
写真:Saito Junso
地図を見るカラパタール山頂はまさに天然の展望台です。
目の前には大きく聳える黒い頂のエベレスト。その右隣には巨大な雪壁を見せるヌプツェ。左にはローツェ。さらにずっと左にチェンツェと言った名峰が並び、北に目を移せばひときわ高く大きくそびえるプリモがあります。360度有名無名の雪山が囲み、登って来た方角には長く横たわる大氷河。まさに絶景!ここまで登って来た者のみに許される景色です。
写真:Saito Junso
地図を見るゴラクシェプからはエベレスト登山にも使用される「エベレストB.C.(ベースキャンプ)」へも行くことができます。通常はテントなどもなく特に見るべきものはありませんが、そこはエベレスト登山の最前線。山の安全を祈る祠などもあり、ここから命がけの登山に向かう人々の緊張感を感じることが出来ます。
なおエベレストB.C.へは氷河の上を歩いて辿り着きます。言われなければ氷河と分からない場所ですが、時々ギシギシと氷がずれて響く音が大自然の大きさを感じさせてくれます。
「世界で一番高い山を見る!」、そんな夢を叶えてくれるのがエベレストトレッキングです。標高5,000mを超える高山では日常の世界とは全く異なりますが、高山病などに気をつければ比較的簡単に歩けてしまいます。エベレスト遠望ならナムチェ辺りまでで十分ですが、やはり目の前まで行って眺める世界最高峰の山の迫力は筆舌にしがたいものがあります。道中も美しい景色が続き、その思い出は一生忘れないでしょう。
「世界で一番の山を見る!」、そんな素敵なトレッキングはきっと人生最高の思いでのひとつになります。ネパールのエベレストトレッキング、一度挑戦してみませんか。
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(2024/10/16更新)
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