コーヒー好きの絶対的聖地!神戸「放香堂」…150年の時を超えた美味しい“日本初”

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コーヒー好きの絶対的聖地!神戸「放香堂」…150年の時を超えた美味しい“日本初”

コーヒー好きの絶対的聖地!神戸「放香堂」…150年の時を超えた美味しい“日本初”

更新日:2017/04/03 09:46

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ アマチュア写真家

コーヒーは現代の日本ではすっかり当たり前の飲み物ですよね。ご存知でしたか、今の歴史の教科書には“日本初の珈琲店”が紹介されているのです。しかも写真付きで。それが神戸にある「放香堂」です。
なんと、神戸が開港してから150年が過ぎた現在も、老舗が多い神戸元町商店街で営業中!歴史上の有名人たちも飲んだかもしれない日本最古の加琲の味。コーヒー好きならこの美味しさは飲んでおくべし!

明治の人々に紹介された、焦製(しょうせい)飲料コフィー

明治の人々に紹介された、焦製(しょうせい)飲料コフィー

写真:万葉 りえ

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明治時代、開港された街にはいち早く西洋の文化が入ってきました。その一つである神戸にも外国人が居留するだけでなく、店が集まり、商店街ができ、そして様々なものが日本中へと広まっていったのです。その一つに挙げられるのが、コーヒーと喫茶店の文化です。

日本初のコーヒー店を開いたのが、明治から商店街に店を構えている「放香堂」です。ハイカラなものを取り扱うにしては和風の店名だと思われたのではないでしょうか。それもそのはず。放香堂はコーヒー店として創業したのではなく、京都の日本茶の業者。その店がなぜ?

明治の人々に紹介された、焦製(しょうせい)飲料コフィー

写真:万葉 りえ

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放香堂は京都の宇治茶を取り扱う店です。その店が、まだ明治になる前の慶應3年に日本茶を輸出するために神戸に進出したのです。そして、輸出先であったインドで商品である茶を下した後に、かわりに持って帰ったのがコーヒーでした。神戸にはネスレ(ネスカフェ)やUCCの本社もありますが、放香堂は日本のコーヒー豆輸入のさきがけだったんです。

店内には明治11(1878)年に出された全国紙の新聞の複製が置かれています。そこには放香堂が出した「焦製(しょうせい)飲料コフィー」の広告も。

当時と同じ、印度産のアラビカ豆を石臼で

当時と同じ、印度産のアラビカ豆を石臼で

写真:万葉 りえ

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新聞広告をよく見ると、これまで日本になかったものを日本語にして知ってもらう…そんな苦労がしのばれます。しかしその後、国同士の摩擦や世界大戦など翻弄された歴史があったのは皆さんもご存じのこと。放香堂でのコーヒーの取り扱いも長らく休みになっていたのでした。

放香堂では残された資料を基に「焦製飲料コフィー」を再現したのです。しかし、昔のコーヒーなんて美味しさは期待できないと思っていませんか。そんなことはありません。150年前の人も実際にインドで飲んで、そのおいしさからコーヒー豆を輸入しようと思ったのではないかと想像させる味わい。現在使用しているのも、インド産のアラビカ豆深入りタイプです。もちろんその頃はコーヒーミルなどありませんから、豆を挽くのも同じように石臼!
店頭の看板も「珈琲」ではなく「加琲」と表されていて、歴史を感じさせますよね。

コーヒーの名は「麟太郎(りんたろう)」

コーヒーの名は「麟太郎(りんたろう)」

写真:万葉 りえ

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石臼で挽くと、器械のように粒がそろうわけではありません。しかし反対に粗めと細かめのものができることで、両方のおいしさが出てくるというメリットがあるのです。もちろん入れ方も当時を再現して、熱湯に浸して抽出し、フィルターで濾さないフレンチプレス方式です。

喫茶店では、「ブレンド」や豆の名前で注文を受けるのが一般的ですよね。しかし、試行錯誤してようやく再現されたこのコーヒーには、特別に「麟太郎」という名前が付けられています。幕末の神戸には、坂本龍馬らもいた「神戸海軍操練所」がありました。この操練所の設置を進言したのが勝海舟で、麟太郎とは勝海舟の幼名なのです。

コーヒーの名は「麟太郎(りんたろう)」

写真:万葉 りえ

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麟太郎は、ポットでお願いすることもできます。ポットだと二杯ほどの量。じっくり味わってくださいね。

博物館にも残された当時の賑わい

博物館にも残された当時の賑わい

写真:万葉 りえ

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放香堂は天保年間(1830年)創業で、宇治茶の主産地に自社農園や自社工場を持っています。そのお茶を輸出するために開港早々の神戸に輸出商館を設け、その後元町へ店舗を出しました。

当時の様子は、店内に飾られた明治15年の版画(神戸市立博物館所蔵のレプリカ)でご覧いただけます。大店の軒下に「宇治製銘茶」と「印度産 珈琲 放香堂」という二つの看板。そして、その前を行き交う多くの人々。150年前からこの辺りがいかに賑わっていたかを知っていただけるでしょう。

茶師が厳選した、味わい深い日本茶も

茶師が厳選した、味わい深い日本茶も

写真:万葉 りえ

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日本茶の店舗のほうにも、この店の古い歴史を感じさせるものが実物としていくつも保存されています。版画の中にも描かれている大きな茶壺もその一つ。これに茶を入れてインドまで行き、帰りはコーヒーを詰めて帰ってきたのです。そんな輸出商館時代を思わせるものもぜひご覧ください。

さて、技術ランクで十段(最高位)に合格する茶師はほんのわずかという、お茶の専門家の世界。ここはその茶師が厳選した茶葉を提供する店ということも覚えておいてくださいね。
帰宅後は、ぜひこの店の美味しい日本茶でほっと一服を。

街散策にお勧め、神戸元町商店街

開港当時からの歴史を持った店がいくつも残る神戸元町商店街。中学の歴史の教科書には、今回ご紹介した放香堂だけでなく和洋菓子を取り扱う神戸レ雌ーも写真付きで掲載されています。
また、6丁目のアーケード下には、1868年に神戸開港を祝って入港した英国艦隊の旗艦ロドニー号の姿も。港の発展とともに歩んできた通りは、観光の散策にもお勧めです。

きっと、旅の話をするとき、「日本最古の加琲を飲んできたよ」と報告したくなるはず!

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掲載内容は執筆時点のものです。

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