日本初の世界遺産。奈良・法隆寺は世界最古の木造建築でパワーも最高。

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日本初の世界遺産。奈良・法隆寺は世界最古の木造建築でパワーも最高。

日本初の世界遺産。奈良・法隆寺は世界最古の木造建築でパワーも最高。

更新日:2013/12/02 10:51

飛鳥時代、聖徳太子によって創建された法隆寺。一度は火災によって失われたものの、再建されてから1300年以上が経つ。多くの伽藍が立ち並ぶが、そのほとんどが国宝に指定されており、金堂・五重塔などは世界最古の木造建築として名高い。日本最初の世界遺産としても登録されており、とにかく別格のお寺だ。他のどんな寺院よりも凄いパワースポットといえるだろう。

誰も通れない中門と、睨みを利かす仁王像。

誰も通れない中門と、睨みを利かす仁王像。
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法隆寺というお寺は、聖徳太子が父である用明天皇の病気平癒祈願のために建立されたのが始まりであり、鎌倉時代に花開いた日本独自の仏教とは違い、より大陸からの影響が残されている。現代の寺院建築では考えられないような謎が多く、ミステリアスなお寺なのだ。
例えばこの中門の足の数をよく見ると・・・5本。通常の場合、門の造り方は大小関係なく「偶数本」で構成され、真ん中が通り抜けられるようになっているのが一般的。だが、この法隆寺の中門だけは、なぜか5本という「奇数」で建てられ、まるで誰も通らせないような造りになっている。諸説色々あるが今のところ、これという納得できる確実な説明はない。

また、阿・吽(あ・うん)の仁王像も、奈良時代の初めに作られた塑像(そぞう)といって粘土造りであり、1300年前からここで風雪に耐えながら門番をされている。東大寺の南大門のお像ほどは大きくはないが、筋骨隆々でいかにも強そう。残念ながら吽形の方は、一度深刻なダメージを受け、体の半分は木で補修されている。
しかし見た目からは、後補部分は分からない。当時は造像だけでなく修復の技術水準もかなりのものだったことが分かる。

法隆寺の中心である金堂はとにかく凄い。

法隆寺の中心である金堂はとにかく凄い。
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法隆寺は大きく分けて西院・大宝蔵院・東院の3つのエリアがある。この御本尊をお祀りするこの金堂は、西院伽藍の中心的存在で711年頃の建築。堂内には真中に御本尊の釈迦如来を挟んで・右手に薬師如来・左手に阿弥陀如来がそれぞれ三尊形式でお祀りされている。そしてその間に吉祥天像と毘沙門天像が立ち、それらのすべてを守るように四隅には四天王が静かに立っている。
その多くが、飛鳥時代の創建当時のものであり、薬師如来の光背には「父用明天皇の病気平癒」、釈迦如来には仏師・鞍作止利(くらづくりのとり)の名前と「聖徳太子の冥福を祈願」という内容の銘文がある。また、壁面には様々な仏さまの浄土世界が描かれており、堂内全体がちょっとした小宇宙を思わせるような世界観だ。
建築様式なども飛鳥時代の様式を取り入れ、名実ともに世界最古の木造建築であり、国宝・ギネス・世界遺産の三冠王なのだ。

絶妙のバランスにうっとり。

絶妙のバランスにうっとり。
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この五重塔はもちろん世界最古であり最も美しい塔だと言えるだろう。それは初層から上にいくにしたがって、柱間をせまくしていき屋根もそれに応じてほどよく小さくなっている。こうして全体が調和のとれた二等辺三角形におさまっているからだ。建築の様式も金堂に類似して初層には裳階(もこし)があり、二層目からは卍崩しの高欄(こうらん)がめぐらされている。

もう一つ特徴がある。日本に現存するほとんどの塔の内部は、心柱を中心に四方に仏像や曼荼羅を祀ってあるが…この塔の初層には塑像(そぞう)によってさまざまな経典にでてくるストーリーが、わかりやすく立体的に表している。

・東面には維摩居士(ゆいまこじ)と文殊菩薩の問答
・北面にはお釈迦さまの臨終のシーン(涅槃像)
・西面にはお釈迦さまの遺骨(舎利)を分けるシーン
・南面には弥勒如来が出現した世界

釈迦入滅に立ち会った弟子たちの嘆きときたら、リアルに嗚咽が聞こえてきそうで、とても造られてから1300年もの時間を経てきたとは思えない。

大宝蔵院、これぞ仏教美術の宝庫。

大宝蔵院、これぞ仏教美術の宝庫。
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その名の通り、法隆寺における宝物を納めてあるのが、この大宝蔵院である。西宝殿、百済観音堂および東宝殿からなる建物で1998年(平成10年)に完成。貴重な宝物を守るために防火・耐震設計となっており、博物館並みの設備が整っている。
最初に出迎えてくれる、悪夢を良い夢に変えるという穏やかな表情の夢違(ゆめちがい)観音像をはじめ、白檀の一木造りで繊細な彫刻技術を見ることができる九面観音像、推古天皇の仏殿と伝わる玉虫厨子、大宝蔵院の主役である百済観音像などなど、国宝・重要文化財が所せましと並んでいる。まさに仏教美術の宝庫というに相応しい。

夢殿(ゆめどの)で聖徳太子を偲ぶ。

夢殿(ゆめどの)で聖徳太子を偲ぶ。
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東院伽藍には、回廊に囲まれるような形でこの夢殿と呼ばれる豪華な宝珠をのせた八角円堂が建っている。奈良時代、金堂や五重塔が再建されたものの、まだまだこの聖徳太子の住居だった斑鳩宮の跡地は荒廃したままになっていた。その様子を見かねた行信(ぎょうしん)僧都が、上宮王院(じょうぐうおういん)を建てた。その中心となった堂宇が、この夢殿である。
夢殿の中には、飛鳥時代の作で聖徳太子の姿を写されたと伝わる、救世観音菩薩像(国宝)が厨子に安置されている。ただし、このお像は秘仏のために春・秋それぞれ約1ヶ月間の特別開扉の時だけしかお顔は拝めない。
他にも、行信僧都坐像と、平安時代に夢殿を大修理して再興した道詮律師の坐像(ともに国宝)が安置されているが、こちらは常時拝観できる。

日本最初の世界遺産に登録された仏教美術の一大宝庫

「法隆寺地域の仏教建造物」これがユネスコの世界文化遺産に登録されている正式名称。法隆寺を始め、アルカイックスマイルをたたえた弥勒菩薩の微笑みに魅了される中宮寺、世界最古の三重塔が建つ法起寺、飛鳥時代の仏像が並ぶ法輪寺など、まるでタイムスリップしたかのような風景と、太古の時代から大切に守り抜かれた宝物に出会えるのが何よりの魅力で、日本の歴史のほとんどがここに凝縮されているといえる。これほどまでに、先人たちの魂が込められたパワースポットが、他にあるだろうか。
法隆寺は奈良の中でも、別格に貫録のあるお寺であるといえる。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/28 訪問

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