写真:高橋 しゅう
地図を見る佐渡を代表する観光地の佐渡金山。主に江戸時代の佐渡金山の坑道や掘削の様子が紹介された、開業当時から公開されている宗太夫坑に加えて、平成21年からは明治時代から平成の時代まで掘削が続いた道遊坑の坑道も公開されるようになりました。それにより江戸時代の史跡だけでなく、近代の佐渡金山の様子を見学できるようになり、佐渡の近代化産業遺産にもより注目がされるようになりました。
ここでは、その日本の近代化への貢献を果たし、当時の最新技術で掘削された、今回是非見学をお勧めしたい、道遊坑の見学について紹介します。
写真の背後の山は、佐渡金山を代表する風景の道遊の割戸、手前は鉱山に公開展示されている鉱車とその施設です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る道遊坑の見学に際して、まずは入口受付で道遊坑コースの見学を選択し、入場券を購入して坑道に入ります。
コースは主に、かつて作業員や資材を運搬したルートとして使われた坑道を進みながらの見学となります。コース上には、操業当時の姿のままの坑道、トロッコ、機械工場、粗砕場など多くの設備が展示されており、近代の佐渡金山の様子を肌で体感することができます。
尚、坑道内は濡れた所や土が剥き出しの箇所もありますが、概ね歩き易いように整備されていますので、どなたでも普段着で観光できます。但し、あくまで作業現場ですのでバリアフリーではありません。
写真:高橋 しゅう
地図を見る坑道内を進むと途中、実際採掘が行われていた現場も、当時のままに展示されています。写真は、前段に写真で紹介しています道遊割戸の直下の場所となる採掘現場、割戸直下採掘跡です。
荒々しく掘削された広い空間には、運搬用のトロッコや機械が展示されています。平成の時代まで掘削が行われ、日本最大の金採掘場所とも言われた、作業現場を目の当たりにできます。
写真:高橋 しゅう
地図を見る写真は、かつての機械工場の建物です。ここでは、実際に使われていた建物と鉱山での作業員や資材を運搬に使われた、トロッコや機関車等が展示されています。
そのままの姿で残されたレトロな木造建築やトロッコの景観は、往時の鉱山の様子が伝わり、趣のある景観になっています。特に鉄道や産業遺産好きの方に、お勧めのスポットと言えます。
写真:高橋 しゅう
地図を見るこの機械工場は、外観も趣があるのですが館内も、普段目にすることのない、珍しく目を惹く展示が数多くあります。大型機械やバッテリー充電機、鉱山稼働時の写真やパネル、実際に採掘された金鉱石等も目にすることができます。
また佐渡金山に関する、昭和20年代のニュース映画も放映していますので、鉱山が賑わっていた当時の様子も映像から知ることができ、興味深い展示施設となっています。
写真:高橋 しゅう
地図を見る写真のまるで古代遺跡の様な建造物は、鉱山からの金銀の鉱石を選別する北沢浮遊選鉱場(写真の右斜面)と工業用水を確保する為の水と不純物を分離する施設として使われていたシックナー(写真の左奥)の光景です。
これらの施設は、現在コンクリート部分が剝き出しの、野ざらしの状態で残され、古代遺跡の様な景観ですが、かつて現役で稼働していた当時は、右斜面の選鉱場には屋根がかかり、その設備は東洋一とうたわれた程の立派な施設でした。
今の景観からは想像しにくいのですが、かつて一帯は、鉱山関係の施設や事務所が建ち並び、人々で賑わった鉱山運営の要となっていた場所でもありました。
写真:高橋 しゅう
地図を見るここは、鉱山からの金銀の搬出や資材の搬入を目的に、明治25年に造られた大間港です。海岸に掘削された小さな港で、貴重な石積みの護岸やトロッコの線路として利用されたトラス鉄橋(写真の中央奥)、積荷を揚げ降ろしするクレーンの台座(写真の円形の建造物)が残されており、往時の様子を偲ぶことができます。
但し、大間港の位置する相川は、日本海の外海に面しているため、海が荒れる日も多く、積荷や資材の搬出入にはかなり苦労が多かったとのことです。
写真:高橋 しゅう
地図を見る江戸時代より発展した佐渡金山の拠点となったのが、金山の麓に位置する相川の町です。江戸時代には奉行所が置かれ、その後の時代も鉱山の町として栄えた佐渡の中心的な町でした。
町には、歴史と文化を感じる街並みが今に残っており、金山や産業遺産観光と併せて、歴史情緒のある街並み歩きもお勧めです。
写真は金山と奉行所を結ぶメインストリート、京町通りに建つ時鐘楼と旧裁判所の煉瓦壁で、相川を代表する景観にもなっています。周辺には、他にも周辺には、復元された奉行所や、版画美術館等の見どころも沢山あります。
写真:高橋 しゅう
地図を見る相川の街並み散策の際に併せて立寄ってみたい場所が、旧相川拘置所の建物です。歴史的な街並み歩きとは、ちょっと趣が異なるスポットですが、かつての拘置所が一般に公開されている珍しいスポットです。
ここは、昭和47年まで実際に使われていた全国的にも数少ない木造建築の拘置所跡で、国の登録有形文化財にも登録されている貴重な建物です。建物は当時の姿で残され、今は内部を自由に見学することができます。
旧拘置所は、京町通りを佐渡金山へ向かっていく途中に位置し、京町通りを歩いて行くと、拘置所のコンクリート塀が見えてきます。
この機会に、普段目にする機会の無い拘置所の中を覗いてみてはいかがでしょうか。
写真:高橋 しゅう
地図を見る相川観光の際に、休憩場所としてお勧めな場所が京町茶屋です。ここは往時のメインストリート、京町通りの端に建つレトロな佇まいの古民家カフェで、前段の街並み散策で紹介しました赤煉瓦塀の小道と時鐘楼のすぐ近くにありますので、観光の際に便利な場所にあります。
高台の上に位置していることもあり、店内からは日本海の眺望が広がります。街並み歩きの途中で、海を見ながらのコーヒータイムはいかがでしょうか。
写真:高橋 しゅう
地図を見る京町茶屋にはコーヒー等の飲み物の他に、手作りケーキや軽食などもあり、お手軽な価格でカフェタイムを楽しめます。また古民家の建物内も趣のある雰囲気です。
更に、館内には鉱山の現役当時の写真パネル等も展示され、スタッフの方から、相川の町や鉱山で賑わった往時の様子をお聞きすることもできます。
相川の街並み散策や佐渡鉱山の史跡巡りの途中で是非、立寄ってみたいお勧めのカフェです。
これまで佐渡金山と近代化産業遺産、相川の街歩きについて紹介してきましたが、他にも佐渡金山では通常一般公開されているコースの他に、様々な角度から金山の魅力を紹介するツアーが開催されています。
廃坑をヘルメットとライトで探検する無名異坑暗闇廃坑探検コース(平成29年4月より)、江戸初期の絵図にも描かれている大切山坑を山師になった気分で巡る学術的ツアー等、これまでの一般的な金山観光コースに加えてより深く金山を知ることのできる魅力的なツアーが用意されています。※詳細は関連MEMOの「史跡・佐渡金山」より参照下さい。一度は訪れたことのある方でも、違った角度から観光ができますので、再訪しても楽しむことができます。
そして広大な佐渡は、他にも海や山の美しい景勝地や、トキの保護センター等々の魅力的な観光スポット、更には海の幸も豊富で魅力的な島となっています。
佐渡金山の世界遺産登録を目指して動いている佐渡。これからも注目されるスポットとして、近代化の歴史に触れる旅に出かけてみませんか。
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(2025/2/10更新)
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