不落の橋・錦帯橋周辺をぐるり一周!荒れ川が生んだ歴史散歩

不落の橋・錦帯橋周辺をぐるり一周!荒れ川が生んだ歴史散歩

更新日:2017/02/06 09:30

山口県岩国市の錦帯橋は、荒れ川に架けられた不落の橋でした。岩国藩と対岸の錦見を繫ぐ交通の要所として利用されたといいます。優美な木造アーチの構造から、葛飾北斎をはじめとする著名な浮世絵師が好んで描き、巷では「釘が一本も使われていない橋」と称されました。歴史と自然に囲まれた錦帯橋の見所を巡ってみましょう!

江戸時代にタイムスリップ!錦帯橋を大名行列が練り歩く?!「釘が一本も使われていない橋」の真相とは?

江戸時代にタイムスリップ!錦帯橋を大名行列が練り歩く?!「釘が一本も使われていない橋」の真相とは?

提供元:写真AC

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約3,000本の桜が開花する頃に、「錦帯橋まつり」が開催されます。この日は、打楽器の音頭に合わせて江戸時代の参勤交代を模した大名行列が練り歩き、出店が軒を連ねます。河川敷で行われる鉄砲演舞も見所の一つでしょう。演舞では本物の火縄銃が使われています。

江戸時代にタイムスリップ!錦帯橋を大名行列が練り歩く?!「釘が一本も使われていない橋」の真相とは?
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錦帯橋が架かる以前、錦川の架橋は幾度となく流されていました。防御を重きに置いた岩国藩は、天然の堀として幅200mの錦川を利用しましたが、増水時には氾濫する荒れ川だったのです。

錦帯橋は陸上で試作を重ね、1673年(延宝元年)に完成します。「島づたいにアーチ橋が架かる西湖の絵」をヒントした錦帯橋の構造は、日本三大奇矯に数えられ、浮世絵師や大名が見物に訪れたといいます。その特異な構造から「釘が使われていない」という通説が広まりました。巻きガネやカスガイで留められており、一般的に思い浮かべる釘は使われていません。

以来、10年〜30年ごとの架け替えで守られてきた錦帯橋は、276年間の不落を誇りましたが、キジア台風の上陸で、国宝候補にも挙げられた歴史に幕を下ろします。平成の架け替えでは当時の工法が使われています。

30cmの鮎が飛び跳ねる!! 錦川の川遊び

30cmの鮎が飛び跳ねる!! 錦川の川遊び

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高さ6.6m錦帯橋からは、錦川で鮎が飛び跳ねる様子を観察することができます。釣り人の間では、鮎釣りのメッカとして知られており、夏の鮎漁解禁に合わせて釣り人が集まります。錦帯橋を渡る時は川釣りポイントを探してみてはいかがでしょうか。

30cmの鮎が飛び跳ねる!! 錦川の川遊び

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錦川は中国地方に3ヵ所ある鵜飼の名所の1つで、鮎漁が解禁になると鵜飼遊覧の屋形船が始まります。夜の錦川にかがり火を灯し、この明かりを頼りに漁をします。時代絵巻にも描かれた夏の風物詩を屋形船に乗って鑑賞してみましょう。

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岩国市は、小説・宮本武蔵で描かれた佐々木小次郎生誕の地です。巖流島の決闘が行われるより以前、錦帯橋のたもとで修行を積む小次郎は、鮎を狙って急降下する燕の姿を、刀が振り下ろされる瞬間に見立てて燕返しを習得したといいます。

記念撮影の場所となっている佐々木小次郎像の裏手は、吉香花菖蒲園が広がり、140品種・約11万株の花菖蒲が開花します。

旧城下町を歩く

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吉香公園の堀に面する錦雲閣は、絵馬堂として使われていました。現在は、天然痘を遠ざけるといわれる鍾馗(しょうき)の絵がだけが残されています。

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一見すると平屋に見える目加田家住宅は、中流武家屋敷です。しかし玄関口までくると、階段があることがわかります。2階を大屋根で覆い、窓をつけなかったのは、通りがかりの藩主を見下ろさないための作りだと言えます。

江戸時代の佇まい現在に伝える吉香神社

江戸時代の佇まい現在に伝える吉香神社
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吉香公園の中に佇む吉香神社は、吉川家の先祖を治功大明神として祀るパワースポットです。1728年(享保13年)に、錦帯橋を建設した岩国藩大工によって建てられました。建築技術の希少性が評価され、2004年(平成16年)に重要文化財に指定されています。

江戸時代の佇まい現在に伝える吉香神社
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お店の個性が光る郷土料理・岩国寿司

お店の個性が光る郷土料理・岩国寿司
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岩国の郷土料理である岩国寿司は、岩国蓮根や錦糸卵、酢飯の層を重ねた押し寿司です。合戦に備えた保存食として、岩国城で食べられていたことから殿様寿司とも言われています。錦帯橋周辺のお店では、必ずといっていいほどメニューに載せられていますが、ちらし寿司のように甘い味付けであったり、海鮮物の層が入っていたり、お店によって個性がでる一品です。

お店の個性が光る郷土料理・岩国寿司
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観光はみんなで楽しめる「錦帯橋まつり」の日が最適!

街から離れた旧岩国藩は、江戸時代にタイムスリップしたような感覚を楽しむことができる町並みが点在しています。その中でも5連の太鼓橋で構成される錦帯橋は、古くから人々の目を惹きつけており、一度は記念に渡ってみたいもの。河川敷に降りて錦帯橋を見上げると、当時の木組み工法が精巧に再現されていることがわかります。

錦帯橋まつりの日は、江戸時代をイメージした催しものやフリーマーケットが行われ、1年で一番の賑わいを見せます。第40回目となる平成29年4月29日(土)も、例年通り奴道中や大名行列の練り歩きや岩国太鼓の演奏、岩国藩鉄砲隊による演武などが行われます。

掲載内容は執筆時点のものです。

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