山門を潜って桜色の世界へおいでやす!春の京都「上品蓮台寺」

山門を潜って桜色の世界へおいでやす!春の京都「上品蓮台寺」

更新日:2017/03/05 16:36

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「上品蓮台寺」は京都市北区の紫野に位置する寺院で、観光ガイド等にあまり掲載されない寺院ですが、桜の季節になると山門をくぐった境内から春色の世界が広がる穴場花見スポット!特に見事なのが山門前の枝垂れ桜で、さらに境内は所狭しと桜の木が多く植えられている関係上、春色を肌で感じることができる貴重な寺院です。メジャーな花見スポットに飽きたらちょいと足を伸ばして、紫野「上品蓮台寺」へおいでやす!

大通り沿いに立ちはだかる堂々とした山門!

大通り沿いに立ちはだかる堂々とした山門!

写真:木村 優光

地図を見る

府道31号線を千本通から北上すると、左手に堂々たる山門が見えてきます。位置的には北区紫野。織物で有名な西陣エリアは寺院が疎らに点在しているエリアであるため、その北隣である紫野という立地から非常に気になる存在!

実際に山門前に歩み寄ってみると、「上品蓮台寺」という名の寺院。名称に負けないほど上品な山門に期待が高まります。ちなみに読み方ですが「じょうぼんれんだいじ」。その昔、聖徳太子が母の菩提寺として建立したという言い伝えがあります。

大通り沿いに立ちはだかる堂々とした山門!

写真:木村 優光

地図を見る

山門前の綺麗な石階段をゆっくり上ってみると、すぐさま境内の様子が飛び込んできます。桜の咲く時期ですと山門の目の前には立派な枝垂れ桜が植えられているため、山門とのコラボレーションの素晴らしさに更なる期待値が上がります。

背後の本堂玄関も非常に味があるため、山門から境内は別世界のよう!また綺麗に手入れされた庭園も山門からでも非常によくわかります。山門をくぐる前から上質な春の京都を味わった気分になります。

いざ山門をくぐれば立派な枝垂桜が出迎えてくれる。

いざ山門をくぐれば立派な枝垂桜が出迎えてくれる。

写真:木村 優光

地図を見る

あまりの素晴らしさに山門前で立ったままですと勿体ないので、すぐさま境内へと入ってみましょう。山門をくぐると目の前の枝垂れ桜が意外と大きいことにびっくり!立派な枝ぶりに開いた口がふさがらないほど!

ただ、この種の単弁枝垂れ桜は一般的な桜であるソメイヨシノと比べると、約1週間の早咲きですので、ソメイヨシノが満開になる頃には写真のように花は咲いているけれど、葉が若干目立つといった感じ。この枝垂れ桜目当のみで、早めに訪問しても良いぐらい、立派な枝垂桜です。

いざ山門をくぐれば立派な枝垂桜が出迎えてくれる。

写真:木村 優光

地図を見る

こちらは本堂玄関を背にして山門を見た様子です。大通りをはさんで反対側に建つ京町家を、山門の開口を通して見る様子は京都ならでは!そしてそれを覆うかのように咲き乱れる単弁枝垂桜は、まさに春の京都を1枚に凝縮したようなもの!

こういうアングルを見ることができるのも「上品蓮台寺」が穴場寺院であって、隠れた桜の名所であることが言えます。付近には桜で有名な「平野神社」もありますが、見方によっては引けを取らないほどの要素を持っています。

境内の南側には色の濃い紅枝垂桜と大師堂が!

境内の南側には色の濃い紅枝垂桜と大師堂が!

写真:木村 優光

地図を見る

本堂玄関を正面にして境内を左にアクセスしてみると、大師堂があります。横には枝ぶりが綺麗で尚且つ、花の色が濃いピンク色の紅枝垂れ桜が咲き乱れています。この枝垂れ桜の木に近づくことは不可能ですが、やや遠めで見るからこそその綺麗さ、素晴らしさが分かるもので、写真のように太子堂とのコラボレーションは絵葉書にしたいほど!

この紅枝垂れ桜ですが、山門前の単弁枝垂れ桜とは種類が異なるため、咲く時期も異なりますが、ソメイヨシノと開花時期が被ることと、よりピンク色が濃いことで、訪問する人の注目の的となっています。

境内の南側には色の濃い紅枝垂桜と大師堂が!

写真:木村 優光

地図を見る

太子堂と紅枝垂桜とのコラボレーションは非常に絵になりますが、写真を撮る方ですと、紅枝垂桜にピントを合わせて太子堂を暈すと写真のようになります。あくまでも一例ですが、太子堂だけでなく、本堂などとも角度によってはコラボが可能ですので、さまざまなアングルを探してみるのもよいでしょう。

これも「上品蓮台寺」が穴場寺院であるから、桜の咲く時期でも人ごみを気にせず、写真撮影もさまざまな角度から狙えることができるといったメリットがあります。

境内北側にはソメイヨシノを主としたピンク一色の世界が広がる!

境内北側にはソメイヨシノを主としたピンク一色の世界が広がる!

写真:木村 優光

地図を見る

さてさて、歩みを境内北側に向けてみましょう。歴史的建造物は南側に集まっている「上品蓮台寺」ですが、南側は基本的に墓所となっています。だからといって立ち入り禁止というわけではないので、ゆっくりと足を踏み入れてみましょう。

参道に覆いかぶさるようなソメイヨシノが、本堂前から墓所の手前まで続いています。その間、上空を見上げて参道を歩いていくと、空が見えないほどのピンク一色にソメイヨシノの素晴らしさを味わうことができます。

境内北側にはソメイヨシノを主としたピンク一色の世界が広がる!

写真:木村 優光

地図を見る

ソメイヨシノは桜の品種の中で一般的ですが、そこらに植えられているものとは訳が違います。手入れの行き届いた「上品蓮台寺」の境内に植えられているから、その価値観が膨れ上がるわけです。

境内のあらゆるパーツとソメイヨシノのコラボレーションを見るだけで、京都の春を連想できるのですから、いくら「上品蓮台寺」が穴場寺院だからといってオススメしないわけにはいきません。

写真は手水鉢とのコラボレーションですが、和庭園だから実現できるもの!素晴らしい眺めにしばし見とれてしまいます。

境内北側にはソメイヨシノを主としたピンク一色の世界が広がる!

写真:木村 優光

地図を見る

墓所への参道の途中には稲荷神社もあるため、真っ赤な鳥居とソメイヨシノのコラボレーションも見ることができます。何気ない組み合わせなのですが、写真にしてわかる素晴らしい組み合わせ!

写真を撮る方であれば、様々なモニュメントと桜のコラボレーションをたくさん撮ってみると、中には絵葉書にしたくなるような1枚があるはずです。訪問の思い出に絵葉書や実際に写真にしてみるのもよいでしょう。

観光名所が少ない「上品蓮台寺」付近

京都市上京区の西陣エリアから、京都市北区の紫野までの観光名所は、ガイドブックなどに掲載されることが非常に少なく、実際に歩いてみて真新しい観光名所が見つかるような、新しい発見エリア!

実は大なり小なり、たくさんの寺院がこのエリアには存在していますので、実際に歩いてみて素敵な穴場名所を探してみるのも京都を旅する楽しみのうちの一つです。何でもかんでもガイドブックに頼りっぱなしでは、新しい発見を見出すができません。そのためにも京都旅行ではたくさん歩くことをオススメします。

なお、「上品蓮台寺」の桜の見頃は、山門前の枝垂れ桜が3月中旬過ぎ〜3月下旬、それ以外は3月下旬〜4月上旬ですので、全ての種類の桜を一気に見るのであれば、3月下旬をオススメします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/02 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -