民話が息づく『鶴の恩返し』の里へ〜山形県南陽市〜

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民話が息づく『鶴の恩返し』の里へ〜山形県南陽市〜

民話が息づく『鶴の恩返し』の里へ〜山形県南陽市〜

更新日:2017/01/30 18:07

咸月 潤のプロフィール写真 咸月 潤

山形県南陽市の漆山地区は、『鶴の恩返し』の伝説が伝わる地として知られています。
織機川(おりはたがわ)や鶴巻田(つるまきた)、羽付(はねつき)など、物語を思い起こさせる数多くの地名が残り、また鶴の羽で織った織物を宝物としたと伝えられる古寺もあるこの地方。
都会の喧騒を離れて、長い時をこえて受け継がれてきた物語が息づくこの地を訪れてみてはいかがでしょうか。

おりはた駅から鶴布山珍蔵寺へ

おりはた駅から鶴布山珍蔵寺へ

写真:咸月 潤

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『鶴の恩返し』が伝わる漆山地区の鶴布山珍蔵寺(かくふざんちんぞうじ)は、フラワー長井線「おりはた駅」から徒歩8分ほどの場所にあります。東京からは、山形新幹線に乗って赤湯駅で乗り換えるのが便利です。

無人駅であるおりはた駅も、なかなか味わいがあります。駅を降りると、畑や田んぼを縫っていくつかの民家が建っています。遠くに目をやると低い山並みが見え、都会の喧騒から離れてゆったりとした時間が流れています。
物語の最後に空へ飛び立っていった鶴も、この山並みの風景を見たのだろうかと、ふと思索にふけることができます。

おりはた駅から鶴布山珍蔵寺へ

写真:咸月 潤

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駅から15分ほど歩いて、お寺の入り口へ到着。何十段もある石段を登り、『鶴の恩返し』ゆかりの古寺、鶴布山珍蔵寺にたどり着きます。

ゴールデンウィークの時期などに訪れれば、境内の新緑が美しく、至るところを彩る清々しい木々にしばし見とれることでしょう。そして秋になれば紅葉、冬になれば雪景色が美しい場所です。

おりはた駅から鶴布山珍蔵寺へ

写真:咸月 潤

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厳かな雰囲気の漂う、珍蔵寺の門。
「珍蔵寺」という名前は、この地域に伝わる『鶴の恩返し』の主人公である若者、「金蔵(きんぞう)」からとられたとされています。
鶴女房との別れの後、金蔵は僧となり、彼女が残した織物をこの寺におさめたと伝えられています。

『鶴の恩返し』のストーリーが彫られている梵鐘(ぼんしょう)

『鶴の恩返し』のストーリーが彫られている梵鐘(ぼんしょう)

写真:咸月 潤

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伊達政宗の時代には、すでに名刹として知られていた珍蔵寺。
境内には大きな梵鐘があり、その表面には『鶴の恩返し』の各場面が浮き彫りにされています。

『鶴の恩返し』のストーリーが彫られている梵鐘(ぼんしょう)

写真:咸月 潤

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『鶴の恩返し』のストーリーが彫られている梵鐘(ぼんしょう)

写真:咸月 潤

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本殿からさらに小山の上のほうへ登ると、やや小さめの社殿もあります。あたりはひっそりとしていて、自ずと深淵な気持ちになれます。

語り部に会える「夕鶴の里」

語り部に会える「夕鶴の里」

写真:咸月 潤

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珍蔵寺からほど近い場所には、平成5年に開館した「夕鶴の里」という施設があります。
漆山地区は明治時代以降「製糸の町」として栄えたこともあり、施設内の資料館の建物は、かつて製糸工場の敷地内で使われていた3階建ての「まゆ蔵」を利用してつくられました。

館内には、製糸の歴史を物語る諸々や、高校の国語教科書にも載った戯曲『夕鶴』の資料、民話の映像資料などが展示されています。

語り部に会える「夕鶴の里」

写真:咸月 潤

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施設内にある「語り部の館」は、語り部による民話の口演が日々行われています。『鶴の恩返し』をはじめ、この地域に伝わる民話の数々が、地元の言葉で分かりやすく語られます。

「むかしむかし……」とは「向こう側」という意味があると語っていたのは、民俗学者の柳田國男ですが、語り部の方たちによる語りが始まると、あたかも自分が時空を超えて昔話の世界に飛んで行ったかのような感覚に陥ります。昔話は、やはり文字で読むときではなく、語りとして聞いている間にこそ生きるものであると、改めて実感できます。

語り部に会える「夕鶴の里」

写真:咸月 潤

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障子の向こうに、鶴女房が!?
施設内には、定期的に機を織る鶴女房の姿が浮かび上がる仕掛けもあります。

『鶴の恩返し』の世界観が味わえるだけでなく、機織り体験やそば打ち体験など、他にも多くの体験ができるこの施設。珍蔵寺に行く際は、是非立ち寄っていただきたい施設です。

遠い昔の息づかいを感じる旅へ

珍蔵寺や「夕鶴の里」は、決して多くの観光客が押し寄せる人気スポットというわけではありません。しかし、実際に行った人ではないと分からないような、何か大きくて奥深い「物語」を感じ取ることができます。

いにしえの人たちの息づかいや精神性に触れる旅。ときにはふらりと、そんな旅に出てみるのもいいものです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/03 訪問

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