更新日:2013/11/20 15:36
スノードーム美術館は、2004年3月に廃校となった中学校の跡地にできた施設「世田谷ものづくり学校」の1階にあります。美術館といっても、展示スペースは学校の美術室ほどの小さな部屋。ですが、その壁面にはびっしりと大小様々なスノードームが展示されていて、展示数は約1,500点にも及びます。それ以外にもまだ公開されていないコレクションもあり、美術館が収蔵している数は、約4,500点に上るそうです。
館長さんいわく、コレクションは、美術館が10年かけて収集したものだけでなく、全国のコレクターやこの美術館のことを耳にした芸能人や著名人から寄贈されたものなどもあるのだそうです。
スノードームといって思い浮かべるのは、観光名所のお土産店で売られているものではありませんか? この美術館にあるのは、大量生産されたものだけではありません。装飾品として立派に成立するアートと呼べるスノードームが展示されているのです。それに、世界でもレアなスノードームや、年代の古い希少価値のあるスノードーム、ユーモアのあるスノードームなど、見たこともないようなものが飾ってあるのです。
例えばこの展示品の中で一番の年代物は、100年前の米国製のクマが岩に足を掛けているアンティークなスノードーム。日本だと古いものは、約65年前におみやげ用に作られた神奈川の温泉町・湯河原のスノードームで、ガラスドームの中に露天風呂のミニチュアがあって、ドームの周りに桜の木や岩が添えてある置物のようなレトロなスノードームだそうです。
イエローサブマリン時代のビートルズのミニチュアや、映画の撮影待ちのマリリン・モンローのミニチュアの入ったスノードームのように、ディテールに凝ったものもあります。また、ガラスの中を、雪ではなくて、男性の髪の毛やドル札が舞い落ちてくる、ユーモアあふれる仕掛けのあるものや、桜の花びらが舞い落ちる美しいアートなものなど、ずっと見ていても飽きが来ないはずです。
スノードームの歴史は意外にも古く、1889年のパリ万博でエッフェル塔のスノードームが製造販売されたのが、始まりだといわれています。世界に一躍その存在が広まったきっかけとなったのが、オーソン・ウェルズ主演の1941年の名画「市民ケーン」なのだそうです。主人公がスノードームを落とすオープニングのシーンで、スノードーム人気に火が付いたそうです。当時、映画で使われたスノードームを製作したのが、世界で現存する最も古いスノードーム専門の工房の一つ、1900年創業のウィーンの「アーウィン・ペルツイ3世工房」です。
このウィーンにある工房が、この日本スノードーム美術館のために製作した、世界で一つしかない、観覧車のスノードーム(直径25センチ前後)が美術館のメインテーブルに展示されています。この水はアルプスの雪解け水が使われているそうです。そして、もう一つ世界にここだけしかないスノードームがあります。それが、この工房と美術館が共同で製作した「世界遺産の富士山と新幹線」のミニチュアの入ったスノードームです。富士山のスノードームは直径8センチほどと小さいので、たくさんある展示品の中からぜひ探してみてください。
入館料は無料です。館長さんいわく、スノードームの魅力を多くの人に伝えるために、自由に鑑賞できるようにしているのだそうです。
自分でも作ってみたいという人には、週末に開催されているワークショップがおすすめです。地方から親子で参加する方も多いそうです。
また、展示室とは別に、ショップも併設されています。出産や結婚、誕生日のお祝いやクリスマスギフトに、オルゴール付きのスノードームや写真が入れられるスノードームが人気だそうです。
施設内に、「ゆったりとカフェ」が併設されているので、疲れた時はひと休みできます。
最寄り駅は渋谷から東急田園都市線で1駅目の池尻大橋です。渋谷からバスも出ているので、ぜひ立ち寄ってみてください。
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