イタリア・ローマで映画のヒロイン気分。「ローマの休日」の舞台を巡るホリデー

イタリア・ローマで映画のヒロイン気分。「ローマの休日」の舞台を巡るホリデー

更新日:2018/07/25 11:32

ナカヤ アキのプロフィール写真 ナカヤ アキ
映画「ローマの休日 (1953)」は女性の永遠の憧れオードリー・ヘップバーンの代表作としても有名で、イタリア・ローマの観光名所も登場するので旅気分も楽しめる切ないラブストーリーです。「真実の口」や「スペイン階段」を始めとする名所はどれも定番の観光名所ですが、映画のワンシーンを回想しながら巡ると、また一味違った旅の思い出になるでしょう。ヒロインになりきってローマの街を訪れてみませんか?

サン・ピエトロ広場

サン・ピエトロ広場

写真:ナカヤ アキ

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冒頭のタイトルバックに出てくるのがサン・ピエトロ広場。ローマ市内にある世界最小国家バチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂前の広場です。

建築家ベルニーニにより、11年の歳月をかけて1667年に完成。4列のドーリア式円柱372本もの列柱廊と140の歴代教皇と聖人像に囲まれたサン・ピエトロ大聖堂のエントランスとも言える広場です。中央には西暦40年ごろにエジプトのアレクサンドリアからローマに運ばれてきたオベリスクと2つの噴水があります。オベリスクと噴水の間の石畳に埋め込まれている白い敷石「ベルニーニポイント」に立つと、4列の列柱廊が1列に重なって見るのでぜひこの位置で広場を見回して下さいね。

サン・ピエトロ広場

写真:ナカヤ アキ

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広場奥に位置する大聖堂はカトリックの総本山で、キリスト教の使徒ペテロの名に由来し、彼の墓を祀る教会でもあります。無数の教会装飾が施され、そのひとつひとつが美術史上重要な大作だということも特筆すべき事項です。ミケランジェロ作「ピエタ」やベルニーニ作の「大天蓋(パルダッキーノ)」はお見逃しなく!

「バチカン市国」は、1984年に世界文化遺産として登録されています。肌が見える服装では大聖堂への入館はできないので、夏に訪れる場合は、肌を隠すカーディガンやスカーフなどを持参しましょう。バチカンが所蔵する美術品は付属のバチカン博物館で展示されていますので、あわせて訪れるのがおすすめです。また、ミケランジェロ作「最後の審判」の壁画があるシスティーナ礼拝堂の見学もバチカン博物館への入館が必要です。

サンタンジェロ城

サンタンジェロ城

写真:ナカヤ アキ

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オードリー・ヘップバーン扮するアン王女が美容師に誘われ参加したテベレ川を下る船上パーティーのシーンに登場するサンタンジェロ城。また、情報部員に追いかけられた王女がテベレ川に飛び込み辿りつく橋はこの城の前にあるサンタンジェロ橋です。

サンタンジェロ城は、城と戴いているが139年にローマ帝国の皇帝ハドリアヌスの霊廟として建立されました。その後、ローマ法王の居城、バチカンを守るための城塞、牢獄など時代ごとにその用途が変わり、現在は博物館として利用されています。昼間は屋上からの眺めを、夏の夜にはクラシックのコンサートなどのイベントも開かれるので、食事の後の散歩の際に立ち寄るのもおすすめです。バチカンにも近く併せて訪れると便利ですよ。

もともと城の頂には戦車を率いるハドリアヌス帝の像があったと記録されていますが、6世紀にローマでペストが大流行した際、当時の法皇グレゴリウス1世が城の頂上に姿を現した大天使ミカエルを目にし、ペストの猛威が終息したことからサンタンジェロ(聖天使)城と呼ばれるようになり、16世紀にミカエルの像が設置されました。

城の前にある装飾が豪華なサンタンジェロ橋もローマでは人気の観光スポットです。7世紀、時の法皇クレメンス7世がバチカン広場などを設計したベルニーニに橋の構想を依頼、10体の天使像が舞う装飾橋が完成しました。うち、「上書き書を持つ天使」と「イバラの冠を持つ天使」もベルニーニの作品。この2体のオリジナルは現在、スペイン広場近くにあるサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会で展示され、橋上にはレプリカが飾られています。地元の恋人たちのデートスポットとして人気があり、夜になると多くの恋人たちが愛を語り合っています。

真実の口

真実の口

写真:ナカヤ アキ

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グレゴリー・ペック扮する記者ジョーが手を入れると抜けなくなった振りをした「真実の口」。驚いた王女が驚いて泣き出すシーンは映画の中でも人気のシーンですよね。サンタ・マリア・コスメディアン教会の入り口に飾られているオブジェで、邪心があると手が抜けなくなったり噛み切られたりするというジンクスがあるのですが、実は、昔のマンホールの蓋でした。

「真実の口」に手を入れるお約束のポーズで写真を撮るために、世界中から観光客が訪れます。ハードルは高くなりますが、長蛇の列になる前の教会の開館前に行くのがベストです。すぐ近くのテヴェレ川を渡ると、庶民的な下町「トレステヴェレ」に入ります。美味しい庶民の味を楽しんだり、地元の人が立ち寄るショップを覗いたり、ローカル気分を味わう一時もおすすめですよ!

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

写真:ナカヤ アキ

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ジョーがベスパにアン王女を乗せて走っていたシーンに登場するのがこの記念堂前のヴェネツィア広場です。バックの白い建築物は、1870年、イタリア統一に貢献した初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ二世の業績を記念して1911年に完成した記念堂で、通称「ヴィットリアーノ」と呼ばれています。しかし、この白亜の建物が周りの景色にそぐわないと賛否両論あり、「入れ歯」、「ウェディングケーキ」などの渾名もあります。

幅135メートル、高さが70メートルのネオ・クラシック様式で、16の円柱が弧を描くように緩い曲線に配置された列柱は圧巻の迫力です。エレベーターで屋上に上ると360度のローマ市のパノラマが望めます。

この記念堂の近くには、フォロロマーノやコロッセオ、カピトリーノ美術館などもあり、ローマで一番歴史のある風景を楽しめますよ。また、べスパのレンタル店が多くあるので、国際免許があればべスパで風を切って映画の主人公になりきってみるのも楽しい思い出になりますよ。でも、交通ルールが違うので気をつけてくださいね!

スペイン階段

スペイン階段

写真:ナカヤ アキ

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「ローマの休日」の中で最も有名なシーン、アン王女が階段に座ってジェラートを食べている場所がスペイン広場にある大階段です。近くにスペイン大使館があったことからこう呼ばれるようになりました。普段は記念撮影ができないほど観光客で埋め尽くされているスペイン階段を人気の少ないベストな状態でカメラに収めるなら早朝がおすすめです。また、階段での飲食は法律で禁止されているので注意してくださいね!

この辺りはブランドショップが軒を連ねるショッピング好きの方にはたまらないコンドッティ通りや、また、違うシーンで登場する「トレビの泉」も徒歩10分の距離にあります。

いつもと違うテーマでローマ観光

テーマを決めて巡ると一味違った旅の思い出が作れます。どこを切り取っても絵になるローマの街角で、映画の主人公になりきるバケーションはいかがですか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/01−2016/07/31 訪問

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