塩と銀貨鋳造で繁栄した木組み建築が素晴らしい町、ドイツ「シュヴェービッシュ・ハル」

塩と銀貨鋳造で繁栄した木組み建築が素晴らしい町、ドイツ「シュヴェービッシュ・ハル」

更新日:2017/02/06 13:19

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
「ハル」という言葉が付くと、塩の産地が思い浮かべられるドイツ圏。ここシュヴェービッシュ・ハルも例に漏れず、塩の産地として発達を遂げました。後に、ハルのお金という銀貨が鋳造されるようになり、ますます繁栄したものの、現在は唯一塩水浴場が名残の町です。しかし、それ以上に中世の面影を今に伝える木組みの家並みが人気を誇り、観光客の人気を集めています。中心地には文化史跡も多く残っており、町歩きが楽しめます。

コッヒャー川沿いに広がる木組みの宝庫「シュヴェービッシュ・ハル」

コッヒャー川沿いに広がる木組みの宝庫「シュヴェービッシュ・ハル」

写真:Hiroko Oji

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シュヴェービッシュ・ハル(Schwabisch Hall)は、ドイツのネッカー川支流であるコッヒャー川沿いに広がる町。周りを緑で囲まれた風光明媚な渓谷美の中に佇む、木組み建築が素晴らしい中世の町並みが、観光客の目を惹いています。

ケルト人の時代から渓谷の古い塩井に位置し、塩の産地として名を知られてきており、現在でも塩水が湧き出ています。川沿いには、この塩水を利用した施設があり、5種類の入浴プールと8つのサウナが疲れを癒す塩水浴場として開放されています。

コッヒャー川沿いに広がる木組みの宝庫「シュヴェービッシュ・ハル」

写真:Hiroko Oji

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鉄道駅の前の通りから、道路をまたぐ橋を渡り、ビルの中にあるエレベーターで下りると、バンホフ通りに出られます。ここから、コッヒャー川に架かる屋根付きの木造橋を渡れば、旧市街!川の中にある中州には、多角形の建物グローブ劇場があり、周囲を緑溢れる公園で囲まれ、ここからの木組みの眺めがまた素晴らしい!しばし緑地帯で憩うひとときが期待を膨らませてくれます。

18世紀の市庁舎が面するマルクト広場は催し物が

18世紀の市庁舎が面するマルクト広場は催し物が

写真:Hiroko Oji

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多くの見所は、歴史的建造物がある旧市街に集中しており、中心地のマルクト広場には、豪華な建物が建ち並びます。

1735年、バロック様式で建てられた市庁舎が面するマルクト広場は、様々な催し物が開かれる所で、特に6月から8月にかけては、聖ミヒャエル教会前の大階段で行われる野外劇場のための座席が設置されます。また聖霊降臨祭の時期には、14世紀から続く製塩業者の祭り「ケーキと泉の祭り」が、その他にも音楽と花火が行われる夏のロマンティックな「光の祭り」、パン焼きオーブン祭り、手作りチーズの市場などなど、年中催し物が多い町でもあります。

18世紀の市庁舎が面するマルクト広場は催し物が

写真:Hiroko Oji

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広場に面して建つ建物の中には、クラウシュニッツァーハウスはじめ豪華な木組みが軒を並べ、色とりどりのルネッサンス様式やバロック様式の建物も建ち並んでいます。

シュヴェービッシュ・ハルの町は、14世紀から度々火災に見舞われ、1728年の大火後の復興によって、ほぼ現在の姿に落ち着いたようです。しかし、広場から延びるウンターレ・ヘレンガッセとオーベレ・ヘレンガッセの通り沿いには、15〜16世紀の市の貴族の屋敷が残っています。Untere Herrngasse 2には、1289年建造のドイツで最も古いと言われる木組み建築の一つが建っており、石畳の通りを歩くだけで、タイムスリップを味わえます。

18世紀の市庁舎が面するマルクト広場は催し物が

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場の一角にあるのは、ハウス・ボイシャーの彫刻が施された泉です。この彫刻の背後にある台は、かつて「さらし台」として利用されていました。残酷なシーンが繰り広げられたこの場所も、現在は、周りにカフェ・レストランのテラス席が張り出して、のんびりと寛ぐことが出来る広場になっています。

広場から見上げる町のシンボル「聖ミヒャエル教会」

広場から見上げる町のシンボル「聖ミヒャエル教会」

写真:Hiroko Oji

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町のシンボル的存在である聖ミヒャエル教会は、大階段を上り詰めたところに、中心地のマルクト広場を見下ろすように建っています。

1156年に建造された市の中心的存在で、後期ゴシック様式のホール式教会です。ロマネスク様式の時計台のある古い塔を持ち、ミヒャエル・エルハルトのキリスト十字架像や主祭壇など、祭壇や墓標には豪華な装飾が施されています。

町と周囲の山並みを見渡す石造りの「ノイ・バウ」へ

町と周囲の山並みを見渡す石造りの「ノイ・バウ」へ

写真:Hiroko Oji

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木組みが建ち並ぶ路地から階段に入り上って行くと、石積みの城壁が残る見晴らしの良い所に出ます。コッヒャー川沿いの森に囲まれた風景を楽しみながら、お花や緑が溢れるような敷地の横をすり抜けた坂の上に「ノイ・バウ」が建っています。

町と周囲の山並みを見渡す石造りの「ノイ・バウ」へ

写真:Hiroko Oji

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ノイ・バウという石造りの武骨な建物は、1526年に建てられたもので、兵器庫として利用されていた建物。門、市壁、塔などと共に、町の防御施設でした。現在は中には入れませんが、ここに来るまでの眺めや、この前から見る風景が素晴らしいので、お時間に余裕があれば是非上ってきてみて下さいね。

中世の面影を求めて

シュヴェービッシュ・ハルは、日本人にはあまり知られていない町かもしれませんが、中世の面影を今に伝える素敵な木組みの町並みが魅力いっぱい!フランクフルトからでも列車で3時間ほどで訪れることのできる町ですので、是非足を延ばして、ご訪問なさってください。

鉄道駅を出たところにある、道路をまたぐ橋の上からすでに、木組みのお家が建ち並ぶ様子が見えていますので、迷うことなく中心地に向かうことができます。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2010/08/15 訪問

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