動画:やまざき にんふぇあ
地図を見る群馬県桐生市にある富士山。実は「ふじさん」ではなく「ふじやま」と読みます。日本全国にある富士塚(後述)の1つです。富士塚としては巨大で163メートルもありますが、3776メートルの富士山と比べるとはるかに小さく、10分ほどあれば山頂まで到達可能です。
日本全国に富士塚があるにも関わらずこの富士山が特にまぎらわしいとされる理由として、最寄り駅があげられます。
最寄り駅は上毛電気鉄道の「富士山下駅」。そのままの駅名ゆえに、日本にあまりくわしくない外国人が「あの3776メートルの富士山のふもとにある駅だ」と勘違いしやすいのです。この富士山下駅から3776メートルの方の富士山へ行くには電車を使っても5時間弱かかってしまいます。2014年の夏ごろにGoogleが富士山下駅に間違えて来てしまった外国人の家族を描いたCMを作りましたが(記事の下の関連MEMOにCMへのリンクがありますので確認してみてください)、現実でもこのようなことが起こっています。
富士山下駅自体は特徴のない無人駅ですが、駅前の踏切は現在主流の電子音タイプのものではなく、今ではすっかり見なくなった、物理的に音色を奏でる電鈴式のタイプです。電車を降りたら富士登山の前にじっと耳をすませてみましょう(動画で実際の音を聞いてみてください)。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る富士塚とは、富士山を模して作られた山や塚を指します。江戸時代中期には富士講(富士山を信仰する集団)の活動が活発になりましたが、江戸から富士山のふもとまでは徒歩で片道3日程度、ふもとから山頂まではさらに2日程度かかるため多くの時間と費用が必要となり、現代と比べてとても気軽に登れるものではありませんでした。
そんな富士山の代わりに、富士山と同じ御利益があるものとして富士塚が作られました。この富士山も富士塚の1つです。
それではいよいよ、富士登山に挑戦してみましょう。富士山下駅を出ると車道をはさんですぐ目の前に登山口があります。駅から30秒で富士登山を始めることができますよ。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る登山口から歩いて10秒で、1合目の目印が現れます。この目印で頂上までの大体の目安をつかむことができます。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る1〜2分ほど歩くと、7合目の目印が現れます。頂上まであと一息です。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る後ろをふり返ると、民家や富士山下駅がすぐそこにあります。もし駅に電車が来ていても走れば間に合う距離です。とはいえ、車道や踏切をはさむため無理な横断はしないでくださいね。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るさらに2分ほど歩くと展望台に到着します。周辺に高い建物はないため、桐生市を見渡すことができます。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る展望台には浅間神社があります。コンクリートでできた簡素な建物です。上には富士山を象った装飾が施されています。
山頂はすぐそこですが、展望台にはベンチもあるので「まだ全然疲れていない」などといわず一度ここで休憩していきましょう。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る展望台をすぎると、地面から岩肌が露出した少しけわしい道にさしかかります。とはいえ、山頂までは2〜3分ほどなので足元にさえ気をつければ疲れる間もなくたどり着くことができます。ちなみに9合目の目印は、展望台へ行かずに、展望台に入る手前を右に曲がると発見できます。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る山頂には浅間大神を祀る祠があります。富士山で最も高いところですが、木が生い茂っているため景色はあまり見えません。
GoogleのCMや各種メディアではコミカルに取りあげられがちですが、浅間神社を有する由緒正しい富士塚の1つであり、霊験は確かなものです。
近くには「西の西陣・東の桐生」といわれた昔懐かしい桐生織りの町「桐生」があり、桐生駅からは、まるでタイムスリップしてしまったかのような気動車の旅が楽しめる「わたらせ渓谷鐵道」も通っています。
勘違いしてやって来た外国人をがっかりさせないどころか、話題につられて何となく訪れた人々を満足させるだけの魅力を秘めた場所なので、ぜひ一度訪れてみてください。
この記事の関連MEMO
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(2024/10/5更新)
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