JR青梅駅は青梅市の中心的役割を担う駅。ここを降りて昭和の名残を探すその前に……。青梅駅の駅舎も年代物なのでじっくり観察しておきましょう。
青梅線は開通当初は私鉄でした。1894年に青梅鉄道として開通し、その後1929年に青梅電気鉄道に社名を変更しています。その時代の本社として利用されていたのが現在の青梅駅駅舎。青梅線の中では唯一の鉄筋コンクリート建築という特色を持っています。
改札口前は自動券売機、LED式列車案内板、自動改札機など通勤客向けの改装はされていますが、駅舎の中にも昭和初期の建築の名残をところどころ見ることができます。
青梅駅から5分くらい歩いたところ、線路沿いにある小さなごく普通の喫茶店。ここが「夏への扉」です。お店の名前は、ロバート・A・ハインラインの小説のタイトルからつけられたものです。
昭和の木造建築そのままの姿は、それだけでも注目する価値がありますが、この喫茶店の真骨頂は室内にあります。まさに、「昭和の喫茶店はこんな感じだったのだろう」というディテール満載。窓枠は鉄製ですぐ横を電車が通過すると、ぴしぴしと振動します。店内は昭和そのままのイメージで、建物の造り、設置してあるアイテムからは、古き良き時代の喫茶店を感じさせられます。オススメメニューは玄米カレーと自家製ケーキ。お店のマスターは気さくな会話にも応じてくれます。
各種の陶器と、昭和時代に作られたメンコも販売されています。
ホットコーヒー:¥400
昭和時代には当たり前のように存在していた様々なジャンルのアイテムを一堂に展示している場所、それが「昭和レトロ商品博物館」です。昭和時代に一般商品の包装紙を一堂に展示していますが、当時はありふれたもの、しかし時代が変わると懐かしくも新鮮に感じるものなのです。
館長曰く、「高価な骨董品はありません」とのこと。しかし、館内で展示されている収集品は多岐にわたり、文豪具、玩具、化粧品その他諸々、販売された当時のことを感じると、胸がキュンとする思いにさせられるでしょう。展示品だけでなく、館内を飾る昔の看板、映画の絵などにも注目してください。館内の広さ以上に見応えがあるのがわかるでしょう。
昭和の品物のコレクションがあるならば、引き取りにも応じてくれます。
入館料:¥350(大人)
昭和幻燈館は、青梅生まれの映画看板師、久保板観(くぼばんかん)氏によって描かれた看板を展示してある資料館です。
昭和の中期頃であれば、大きな街にひとつはあった映画館。そこで使われていた看板絵が当時のまま収蔵され、公開されています。
しかし、映画看板は昭和幻燈館の魅力の半分、照明を落とした館内で見ることができるのは、昭和の町並みを再現したジオラマ。現在は往年の青梅線を再現した作品が多数展示されています。ジオラマのできもさることながら、昭和の頃の鉄道グッズ、写真など、その分野でも一級品の資料が控えめに展示されているところも見逃せません。
写真はそのジオラマの中のひとつを、接写して撮影したものです。
入場料:¥200(大人)
「天才バカボン」「おそ松くん」などのギャグマンガで知られている、故赤塚不二夫さん。その作品に関連した展示を行っているのが、赤塚不二夫会館です。青梅街道沿いにあり、バカボンのパパの彫刻が目印です。
館内は「元気な昭和」をテーマにしたギャグマンガの世界。アニメになった天才バカボンの様々なキャラクターや、その他の作品のキャラクター、マンガの原画などが展示されています。また、当時マンガが書かれたトキワ荘の室内を再現されたシーンもあり、当時の庶民的なアパートの中がよくわかります。
赤塚不二夫会館の売店は要チェック。キャラクター関連のマグカップ、フィギュアをはじめとするグッズ、お土産にも最適なお菓子などが販売されており、ここでしか買えない品物もたくさんあるのです。ショップを利用するだけなら無料で入ることができますよ。
入場料:450円(大人)
青梅駅から少々歩いたところにあるメインストリート、青梅街道沿いにはここに紹介した以外にも、昭和当初からと思われる木造や鉄筋コンクリート建築が数多く見られます。
そして、駅前からほど近いところには、これまた昭和の名残を大いに残す路地も健在で、美しい青梅の山並みに囲まれた懐かしい町並みを楽しむことができます。駅前から徒歩30分圏内でもたくさんの「昭和」を見ることができる場所なのです。
なお、ここで紹介した昭和レトロ商品博物館、昭和幻燈館、赤塚不二夫会館には、3館共通券があり、合計800円というお手頃価格の入場券も用意されていて、この3館のいずれかで買い求めることができます。
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