岡山県のカキ出荷量は、広島県、宮城県に次いで全国三位(農林水産省「平成22年漁業・養殖業生産統計」)。その代表的な産地が、備前市の日生町だ。
日生は、古くから風待ちの港としても栄えた漁港町。波が穏やかで、カキいかだも被害を受けにくい。何より、周囲の島々から流れ込む豊富な養分、カキ養殖に最適な水温、成長も早く、うま味たっぷりのカキが育つのだ。
写真は、日生湾に三方面した楯越山(たてこせやま)頂上「みなとの見える丘公園」からの風景。湾に架かる橋や港、日生諸島が見渡せる。いっぱい並んだカキ養殖いかだが、カキの産地としての証だ。
写真:塚本 隆司
地図を見るJR日生駅から徒歩で約15分のところに、日生町漁協の魚市場「五味の市」がある。日生で鮮魚を買い求めたいならここ。新鮮さと安さが人気の市場だ。
特にカキシーズンは、にぎわいをみせる。毎週土日は、五味の市と駐車場スペースに産直ショップや屋台が並ぶ。カキはもちろんグルメやお土産を求めて、多くの人が訪れている。
五味の市内では、漁師町らしい威勢の良い掛け声がひびく。鮮魚を売るのは、漁師のおかみさんたち。旅行者にとって、活気に満ちた市場から聞こえる掛け合いは、なんとも心地がよい。
写真:塚本 隆司
地図を見る日生かきの殻付きが買えるのは、ここ「五味の市」と向かいの「海の駅しおじ」だけ。いかだが揺れ、海底へと落ちてしまった「落ちかき」も、丁寧に選別し泥ぬきをしたうえで販売されている。安価に購入できるので、カキ好きにはうれしい限りだ。
写真:塚本 隆司
地図を見る殻付きカキや海産物もいいが、せっかく来たならおいしいカキ料理を食べて帰りたい。
屋台で売られているカキ飯や焼きガキも魅力的だ。店内には、カキがいっぱい入った弁当やつくだ煮など、垂ぜんものの逸品が並ぶ。お土産として買うのもいいが「今すぐ食べたい!」と思ったら2階へ。
写真:塚本 隆司
地図を見る食事ができるスペースと、自販機が置いてある。電子レンジも使えるので、温めできるのがうれしい。
写真:塚本 隆司
地図を見る五味の市の名物ともなっているのが「カキフライソフトクリーム」。ソフトクリームに突き刺さるカキフライ。まさにPPAPならぬKFSC。♪カキフラ〜〜イ、ソフトクリ〜〜ム♪ と思わず、くちずさみそうになるビジュアルだ。
仕上げにかかっているのは、刺身しょうゆ。正直、「冗談でしょ!」と思ってしまう取り合わせだが、「つべこべ言わずに食ってみろ」といわんばかりの迫力がある。
おすすめの食べ方は、カキフライにソフトクリームをたっぷり絡めるとか。これが「意外にイケる」と、評判のカキフライソフトクリーム。しかも、2個もカキフライがあるのに、300円という安さも驚きだ。カキフライソフトクリームは、一年中食べることができる
日生でカキといえば、カキのお好み焼き「カキオコ」も有名。五味の市近くのJR日生駅周辺には、カキオコを提供する店が十数件あり、店ごとに個性あるカキオコが楽しめる。
カキシーズンの冬はもちろん、夏でもカキオコやカキフライソフトが食べられる日生。毎月第一日曜日(1月を除く)には、五味の市大感謝祭「ぎょぎょっと祭り!」が開かれる。日生は、季節の鮮魚が豊富で、魅力あふれるグルメな町なのだ。
この記事を書いたナビゲーター
塚本 隆司
好むと好まざるとにかかわらず、一人旅がやたら多い。姫路城が見えるところで育ったためか、城や歴史が大好き。歴史ミステリーを追い求め、現実逃避。新スポット・人気スポットと聞けば、行ってみる。郷土料理と聞け…
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(2025/2/12更新)
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